このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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今、農村では過疎化や高齢化によって、農業の担い手がぐんぐん減っている状況である。
これについては、戦後、高度経済成長期を経る中で危機的に叫ばれてきたところなのだが、様々な施策の甲斐もなくなかなか改善が見られない。産地と市場の関係、外圧、なかなか上がらない農業所得・・・と色々な要因があるのだろうが、その一方で地域の農業を守っていこう・・・と農業者が立ち上がった成功例もある。集落営農がその好例で、我が宮崎県内にも各地にそういった集団があって、集落の農地をまとめて、効率的に運用を行っている。また、独自に取引先を開拓して、収益を確保しようと精力的に動く個人の農家もある。
ただ、市場というのはいつも動いているので、農業者も自分たちが作った生産物をどう売るか・・・ということを真剣に考えなければならない。
それは中小企業者も同様なのだが、その打開策の一つとして、農水省と経産省が手を取り合って、「何かしたい。」という農家、中小起業者を応援している。平成19年、20年に制定された『農商工連携関連2法案』という法律に基づくものなのだが、両者が経営資源を持ち寄って新しい物を生み出す。この時、両者は単なる契約関係ではなく、その連携によってお互いが利益を享受して成長する。これを“有機的連携”というそうで、そういった取り組みには国がきちんと支援していく・・・ということがこの法律で位置づけられてます。
国の支援を受けるにはキチンと計画を立てて、国の認定を受けなければならないのですが、どうしても補助金が絡むと妙に複雑になってしまい、なかなか一筋縄では行かないようです。よっぽど頑張れ・・・ということでしょう。
ま、国のお墨付き・・・というのは魅力的なのですが、こういった取り組みが結果として地域を元気にするということであれば、あまりこんがらがってしまう必要も無いのではと思う。出会いの場さえ準備してやれば、やる気のある中小企業や農家というのは集まってくるだろう。数年前にFOODEX JAPANを見に行ったことがあったが、まぁ、面白い食材というのは全国津々浦々にある物である。宮崎は国内随一の第一次産業の拠点だ。こういった場に討って出て、生産県として食材をPRすべきだと思う。そうすれば、農商工連携の事例なんて、すぐにできあがってしまうのではないか?と思うのだ。
というわけでして、平成22年1月25日、26日のお話に戻るのですが、宮崎市の
シーガイア
内にあるワールドコンベンションセンター サミットにて“
みやざき 食と農の商談会 2010
”が開催された。
宮崎では県主催という形で毎年1回、県産品の商談会を開催していたそうなのだが、今回は宮崎銀行や宮崎太陽銀行といった地元金融機関の強力にプッシュ。また、国や大学、行政機関・・・と多くの共催、後援もあって、県内企業約150社の出展、それに約2,000人のバイヤーが参加する・・・という一大イベントとなったのである。
加工食品だけでなく、果物や野菜、鮮魚、精肉・・・と宮崎県を代表する食材が一堂に会するというのはそうそうある事ではなく、入場が自由であったこともあり、当日は多くの人で賑わったのだ。
開会セレモニーの様子。
既に基調講演や個別マッチング相談が並行して進んでいたのであるが、にわかにセレモニー会場の辺りで盛り上がりが見られる。何かと思って人混みを分け入ったのであるが、主催者の一人として東国原知事が挨拶をされたのですね。
宮崎銀行の小池頭取も挨拶をされてましたが、“太陽と緑の国”と恵まれた環境を活かした宮崎の農水畜産物は多彩ですので、今回の会で多くの食材にスポットが当たって欲しいと思います。
セレモニーも終わりましたし、商談会会場に入りましょうね。
入って早々、完熟の柑橘(しかも、多品種の栽培)で知られる日南の“(有)緑の里りょうくん”のブースがありました。
こりゃ、気になったブースの紹介だけでも全てやろうとすると、とてつもない量の文章を打たなきゃならんぞ・・・。
まぁ、現実は仕事の関係上、お顔を存じ上げている方々が多く出品されていたこともあり、挨拶回りが中心となってブースを観察しきれませんでした。後は当日のアポの関係もあって、個人的には“ネタ探し”が不完全燃焼に終わったわけでして(自爆)。
画像は県内で養殖されているチョウザメ。
シロチョウザメとう種類のようで、成長すれば6mくらいの大きさになると言うことです。うひぃ・・・。
宮崎とチョウザメとの関係に「?」と首をかしげられる方もいらっしゃるでしょうが、県では既に養殖方法を確立し、民間への技術移転も行っているのである。ちょっと前に国産キャビアということで小林市産のものがメディアに取り上げられたことがあったが、最近では県北の延岡市でも養殖がなされているのだとか。
なお、生産する業者の間で“
宮崎チョウザメ普及促進協議会
”という団体も作られており、チョウザメの事だけでなく、調理法なども紹介されているので、ご覧下さいな。 画像は発売直前というチキンジャーキー。
開発したのは宮崎市内の乾物しいたけを取り扱う“宮崎カネキ食品”さんなのだが、
(財)宮崎県産業支援財団
のコーディネーターさん(企業コンサルというか、企業からの相談案件に対し、的確な助言、その道の専門家の派遣等々の課題解決を手がける人だとのことです)の支援を受けながら、鶏精肉の未利用部位を活用したそうだ。そんな感じで(知事も何かで仰っていましたが)、県も“みやざき農商工連携応援ファンド”を創設するなど、県として強力に農商工連携の取り組みを支援していくとのことである。使いやすい制度ならばどんどんチャレンジしてもらって、新しい宮崎の“物産”を創り出してもらえれば・・・と思う。
そうそう。チキンジャーキーですが、現在、発売に向けた諸検査をクリアしている最中とのことで、近く、同社が運営にされているネット販売サイト“
みやざき便.com
”などでも取り扱いが始まるのではないかと思います。
さて、この他にも延岡市の老舗の菓子舗“
虎屋
”さんの他、
たから豚
、
きなこ豚
、満天豚・・・といった銘柄豚肉・・・と印象に残ったものはありました。紹介したいところですが、撮影ができず、なかなかイメージが沸きづらいでしょうから、次項からは本題の酒類関係に行こうと思います。
(10.02.15)
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