このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
玉那覇酒造所 沖縄県石垣市
(2006.09.30)
半年前に行った石垣島で私が宿泊した
民宿
は離島桟橋からもそう離れておらず、また、すぐ近くに琉球王朝時代の八重山の頭職をつとめた宮良家の私邸“宮良殿内”があるなど、結構良いロケーションだった。そして、食事は当然付かないモノの、1泊1,800円という値段が旅人には嬉しい。私はこの民宿を拠点に石垣島島内や黒島、竹富島の肉用牛の放牧の様子を見て回った。そして、何より晩の宿泊客との“ゆんたく”が楽しかったのだ。
早朝、宿の周辺を散歩して回るのであるが、市街地であるので竹富島で見られる様な昔ながらの赤瓦の家というのはあまり見ることはできない。そのかわりに目立つのが鉄筋コンクリートの角張った家で、このような造りの家が並んでいるというのも「やはり、本土とは違うのだな・・・。」と妙に旅人は納得してしまうのである。まぁ、家の形だけに限らず、庭木にトックリヤシが植わっていたりして、その木が結構大きかったりするとドキリとしてしまうのだが・・・。
宿の立地条件に話を戻そうか・・・。
“宮良殿内”が近いということは、いつか紹介したことのある“
白百合
”の池原酒造所やこの“
玉の露
”の
玉那覇酒造所
が近いと言うことである。前者は本当に目と鼻の先と言った感じで、宿に荷物を放り投げると同時に泡盛を買いに行ったぐらい。蔵は古い赤瓦の建物で、周辺に米を蒸す香りが狭い路地に漂っていたのだ。後者は宿のあった通りとはちょっと離れた路地にあるのでしばらく歩かなければならないが、蔵はやはり狭い路地の中にあって、外観は小さな工場と言った風情。私が伺った際にはちょうど製麹ドラムの据え付けの最中で、作業場も改修中の様子であった。この泡盛を買い求める際に(忙しいにもかかわらず)、ちらりと中を見せて頂いたのが嬉しかった。
まぁ、このように早朝や夕方にあちこち歩き回ったのである。何を買うわけでもなく公設市場の中を抜けたり、深夜に島の歓楽街である美咲町を歩いてみたり・・・。2泊3日という短い滞在期間であったので、島の空気というのにできるだけ長く触れていたかったのである。
玉那覇酒造所は明治末期に沖縄本島の首里から分家の形で移ってきて、創業。八重山で「現在一番古い酒造所」と同社のホームページに紹介されている。
そういったエピソードに加えて、その美しいラベルからもこの泡盛“
玉の露
”はいつか飲んでみたかった銘柄だった。ふくよかな香りと、まろやかな飲み口。そして、甘みがよく口の中で伸びていく。なんと、主張ある酒だろうか。
後日談となるが、実は、石垣島で購入した瓶は職場へのお土産となった。職場の歓送迎会の場にこれを持ち込んだのであるが、普段飲むことのできない酒であると言うことは差し引いても、結構、売れていたのは意外であった。
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