このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
柳田酒造(名) 宮崎県都城市
(2010.08.10)
都城市にある
柳田酒造さん
に
一番最初に
お伺いさせていただいた際、(デジカメのメモリーカードの関係で撮影はしなかったのだが)2種の樫樽に貯蔵された原酒を見せていただいた。
一つはリムザンオーク製のブランデー樽、もう一つはホワイトオーク製のシェリー樽。この2種の樽に封じられた焼酎の色合い、香りの高さにびっくりしたことを今でも覚えているが、それら原酒は全くというわけではないが柳田酒造さんの蔵の片隅に安置されてきたのだった。
その際は焼酎の個性に圧倒されるばかりで樽貯蔵に至ったいきさつと言うのを気にも掛けていなかった。反省させられるのであるが、蔵としての一つのチャレンジと思っていたのである。しかし、買ってきた黒い箱を開封し、淡い金色の液体が入った細身のボトルの裏書きを見たときにはっとしたのであった。
『7年以上』という文字に目が行った。ネット検索をかければ酒販店が紹介をされているのだが、ちょうど同蔵の五代目である柳田正氏が蔵に戻られた頃である。進取気鋭というか、氏は麦焼酎の可能性を追求されている事は焼酎愛飲家はご存知だろう(先日出版された
焼酎楽園
のVol.34でも紹介されてましたし)。その過程で生を受けた産物だと想像が付く。
これまで柳田酒造さんが手がけた焼酎に樫樽貯蔵の麦焼酎があった。そういう意味ではこの“
栃栗毛
”はその延長線上にある。だが、単純にそれで終わらせないのが“若手”と称される造り手であって、この焼酎には一捻り、二捻りが加わっている様である。
それは何かと問われれば・・・といった感じなのですが、まずは酒屋でこの麦焼酎を手に取っていただければと思う。そして、勿体ぶらずに開封して貰いたいと思う。開封時の香りに複雑さ、口に含んだ時に感じる円熟、そして味の複雑さと奥深さ・・・。そういった所に現れているのが、樫樽貯蔵の焼酎に見られるある種の画一的要素が感じられないことである。蔵の財産である様々な原酒を組み合わせたそうであるから、この複雑な味わいはブレンドに注目した蔵元の“狙い通り”といったことになる。
そういう経緯のお酒であるので、貧乏性爆発でチビチビと飲んでおります。氷が溶けていくにつれて表情が移ろいで行くロックも良いのですが、柳田酒造さんがオススメしている“冷凍庫に入れ、トロットロに・・・”という飲み方も捨てがたいです。
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