このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
【別撰酵母 '07年版】
小玉醸造(名) 宮崎県日南市
(2007.12.31)
ある日、知人から「土産物にするから、何か宮崎の焼酎で珍しい銘柄はないか?」と頼まれた。
行き先を尋ねたところ、中京地区というのである。はじめは宮崎でよく飲まれている大手の銘柄でも・・・と思ったのであるが、味はうまい。だが、今やコンビニの店頭にも出ている焼酎をわざわざ選ぶ事もないような気がした。
宮崎の焼酎は蔵元の数こそ隣県の鹿児島と比較したときに少ないが、地理的、歴史的な条件が絡み合って、原料に着目してみれば各蔵が個性を競っている。米、麦、甘藷といった単純な原料の種別にとどまらず、新しい甘藷の品種特性をうまく引き出す技術を持っている。
思いあぐねて、行きつけの
酒屋さん
にかけこむ。あれもこれも・・・と長々と店内で悩んだわけであるが、あまり変化球を投げるわけにも行かないな・・・と思って“脳内候補”としたのが“
杜氏潤平
”であった。
すると、棚には見慣れないラベルの瓶が並んでいるのが目に入った。原料には串間市大束の紅芋とえびの市で産された食料米(ヒノヒカリ)を使用している。酵母も通常品が鹿児島の物を使用するのに対して宮崎酵母。
“杜氏潤平”の特別あつらえ品だった。
この『
別撰酵母
』については存在は知っていた。「酵母の持つ特性を酒質で表現する」という、清酒の銘蔵で修行した経験のある杜氏潤平さんならではのコンセプト。昨年までは基本的にはレギュラー品と同じパッケージで発売されていた(瓶の色が違ったり、裏や封詰めのラベルと言った程度の違いしかなかった)だけに、注意力散漫の私はいつも時期を逃してしまい購入できなかった。
頼まれた土産品は通常版とこの別撰の2本をチョイスする事とした。せっかくの機会なので、当然、自分で飲む分も購入する(爆)。
飲んでみての感想なのだが、うまさは“杜氏潤平”そのものである。きちんと身構えなきゃいけない・・・という繊細な風味が持ち味の通常品よりはずっと柔らかくゆったりとしている。そしてより奥深い味わいであるようだ。お湯割り、ロックと試してみたがどちらもうまい。直燗も試してみれば良かったと思ったが、あまりの飲みやすさに瓶は空であった。
なお、生産本数が非常に少ないようで、残念ながらこの特別あつらえ品については宮崎県内の酒屋さんにしか卸していないようだ。というわけですので、是非、焼酎を飲む事が好きな人は宮崎にいらしてください。うまく時期が合えば、きっと購入する事が出来ますよ。
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