このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
銀河鉄道に乗る条件
あいつはこんなさびしい停車場を たつたひとりで通つていつたらうか どこへ行くともわからないその方向を どの種類の世界へはひるともしれないそのみちを たつたひとりでさびしくあるいて行つたらうか <中略> かんがへださなければならないことは どうしてもかんがへださなければならない とし子はみんなが死ぬとなづける そのやりかたを通つて行き それからさきどこへ行ったかわからない それはおれたちの空間の方向でははかられない 感ぜられない方向を感じようとするときは たれだつてみんなぐるぐるする 〜『心象スケッチ 春と修羅「青森挽歌」』より〜 |
最後に死後の世界について。
けれどもとし子の死んだことならば いまわたくしがそれを夢でないと考へて あたらしくぎくつとしなければならないほどの あんまりひどいげんじつなのだ 感ずることのあまりに新鮮にすぎるとき それをがいねん化することは きちがひにならないための 生物体の一つの自衛作用だけれども いつまでもまもつてばかりゐてはいけない 〜『心象スケッチ 春と修羅「青森挽歌」』より〜 |
「青森挽歌」のなかでは、死後の世界という幻想は生きるために必要だけど、
いつまでもそれをひきずってはいけない。といっているような一節があります。
(「いつまでもまもつてばかりゐてはいけない」の後に続く詩をみると、
逆に本気で死後の世界を解き明かそうとしてるようでもあって
言い切るには微妙なんですけども。)
とどまる人もいるかもしれませんが、
『銀河鉄道の夜』の主要人物は皆それなりに迷いを断ち切って
幻想第四次の銀河鉄道から降りて行きます。
ジョバンニもまた。
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