このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

優先座席について


<はじめに>

今年の文化祭、私には「優先座席」というテーマが割り当てられました。
はじめは軽く考えていたのですが、いざ書くとなると資料がなかなか見つからず、かなり苦労させられました。
数少ない資料で書きましたので、幾分間違ったところもあるかもしれませんが、最後まで読んでいただければ嬉しい限りです。

 

<優先座席とは>

まず優先座席とは、高齢者や身体障害者などの体の不自由な人や妊婦や乳幼児をつれた人々のための座席のことです。
しかし、優先席は健常者が利用してはいけない訳ではなく、
その席を利用している時に優先されるべき人が現れた時に席を譲りましょうという意味の座席で、
決して「老人専用席」という意味ではありません。
また、優先座席は会社によっては「善意の席」や「優先席」とも呼ばれています。
一般には、「シルバーシート」・「敬老席」・「Priority Seat(プライオリティシート)」などと呼ばれています。

 

<優先座席の設置場所>

電車の場合は、ほとんどの鉄道会社が全車両の前か後ろの3〜6席を優先座席としています。
また、たいていの優先座席はシートの色が灰色になっているか、窓に「優先席」というシールが貼ってあります。
バスの場合は、車両によって多少の違いはありますが、前の方の6座席程度が優先座席とされています。
また、たいていの優先座席には「優先座席」と書かれたカバーがかけられていたり、
席の色がオレンジ色になっていたり、窓にシールが貼ってあったりしています。

 

<優先座席の歴史>

・1973年9月15日 旧国鉄中央線の快速と特別快速の一部の車両に日本で初めて「シルバーシート」が設置される。
・1975年10月 旧運輸省から身障者等の座席確保に関する通達が出される。これにより、私鉄でもシルバーシートを設置する動きが広がる。
・1976年 身障者等の座席確保に関する実施要綱ができ、専用席マーク(シルバーマーク)が決まった。
      (このマークはつい最近までJRで使用されていました。)
このようにして優先座席は全国に広がっていったのです。
そして、一部の車両にしかなかった「シルバーシート」は全車両に広がっていき、現在のようなものになったのです。

 

<優先座席の現在と今後のゆくえ>

1990年代になって、バリアフリーやノーマライゼーションなど弱者の社会進出への配慮が積極的に検討され出しました。
この流れを受けて、1970年代後半から全国に広まった「シルバーシート」は、
その名前から敬老席と捉えられがちなために「優先席(プライオリティシート)」という表現に変わってきました。
そして、JRでは1997年頃から高齢者のための席という印象の強いシルバーシートの名称を
「優先席(プライオリティシート)」という表現に変更するとともに、
窓ガラスの表示シールを新たに妊婦や乳幼児を連れた人も優先の対象であることを明記したデザインに改めたのでした。
1999年4月1日からは、阪急電鉄、神戸電鉄、能勢電鉄で「優先座席」を指定せず、
全座席に拡大するという「全席優先座席制」が日本で初めて行われた。
車内にお年寄りや体の不自由な人、妊婦、乳幼児連れの人の四者をデザインしたステッカーをはり、
乗客の譲り合いに協力を呼びかけている。
もともと、世の中にやさしい人が多ければ優先座席は必要のないものです。
しかし、わざわざ優先座席を設けるようになったのということは、
それだけ世の中にはやさしい人が少なくて、弱い立場の人々が苦労していたということです。
このことは、席を譲る行為はせめて優先席でだけでも行いましょうというようなことで、とても哀しいことです。
「全席優先座席制」に対して、他の鉄道会社は当面静観する構えですが、この流れが全国に広がっていくように期待したいものです。

 

<あとがき>

当たり前の事ばかりでしたが、いかがだったでしょうか。
自分で読み返してみても、あまりおもしろくない文章かなと思いました。
このような文章を最後まで読んでくださりありがとうございました。
これをきっかけに鉄道やこの「東大寺学園鉄道研究会」というものに関心を持っていただければ幸せです。


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