このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

女性専用車両に関する個人的考察


・ はじめに

男女平等、女性の権利拡大が叫ばれている昨今ですが、その流れは鉄道の世界においてもとても大きなものとなっています。
その具体的なものが今回私がテーマに選びました『女性専用車両』と呼ばれるものです。
なぜ今回このようなテーマを選びましたかと言いますと、
ただ単に「『女性専用車両』とはいったいどんなものなんだろう?」
「もし女性しか乗らない車両ができたらいったいどんな問題が出てくるのか?」という誰でも抱くよな簡単な疑問が前々からあったからです。
そして、この『女性専用車両』を調べたのですが、男女平等とは何かを考えるいい機会になりました。
この文章を読む皆さんもこれを機にひとつ考えてみてくださると私としてはうれしい限りです。

 

・ 女性専用車両に関する資料

まず、女性専用車両とはどのようなものかを説明させていただきますと、
女性客に対する痴漢などの犯罪行為が跡を絶たないため各電車の1〜2両を女性だけが乗車できる車両が作られました。
これが女性専用車両が作られたいきさつです。
電鉄会社によると、女性専用車両の設置の利点としては第一に痴漢などの迷惑行為を未然に防ぐ事ができる、
第二に女性客の利用が増大する、などを挙げています。
実際に導入されたのは、2001年3月27日に関東地方で京王電鉄がダイヤ大改正の際に本格導入されたのを皮切りに、
2001年7月2日JR埼京線で、関西では2002年7月1日JR西日本の大阪環状線と片町線の下り線で実施されました。
特にJR西日本で導入されたものは全国ではじめて平日の朝、始発から午前9時に運用されます。
評判のほうはといいますとかなり良いようです。
京王電鉄が試験運行中に取ったアンケートによりますと賛成の割合は女性が82%、男性が56%、全体として69%でした。

 

・ 女性専用車両に関する考察

男女平等・女性の権利拡大と共に生まれた女性専用車両ですがどうも納得できないような気がします。
男女平等・女性の権利拡大は大変結構な事だと思うのですが、
かといってどちらか一方を偏重するのは決して良いことだとは思えません。
そういう意味では女性専用車両には少なからず女性偏重の考え方が含まれていると思われます。
こういうことを書きますと男性のひがみだの男尊女卑だの言われますがこのように考えている人は少なく無いと思うのです。
(まあ、アンケートの結果を見ますと私のような考えをもっている人が多いようには見えませんが・・・。)
特に男性の方は私と同じような思いを抱いている人が多いようです。
先ほどのアンケートでは基本的には民衆は女性専用車両の登場を歓迎していますが男女でかなり賛成の割合に差があります。
女性は専用車両を与えられる側ですから賛成は多いです。
一転して男性は女性に比べて20%も賛成が少ないです。
これは所謂ひがみが多分にあるとは思いますが、
それ以外の理由としては私の考えているような
「男女平等を唱えるにもかかわらず一方だけを過剰に保護するのは男女平等の真の精神から外れる」
という思いが表れたのが20%の差だと思います。
私が論じたいのはこの考えです。
世の男女平等論者の皆さんは私なんぞよりも女性の迫害の歴史に詳しいでしょうからその知識をふまえた上で物申すのでしょうが、
私はしばしばこの人たちは
「男女平等とは男女の権利が同じだけの価値を持たせる事であって、どちらか一方の権利が他を圧倒してはならない」
ということを忘れているような気がしてなりません。
この事を考えたとき女性専用車両は行き過ぎた権利保護が生み出した弊害であるとさえ思える事もあります。
もちろん電車内での女性に対する迷惑行為の多さを知らないわけではありません。
犯罪防止のためには必要な事であると言われるのも判ります。
ですから、私自身の希望としては女性専用車両を半永久的なものにするのではなく、
犯罪防止のなにか画期的な切り札と言えるようなものができるまでの応急処置的なものにして欲しいと考えます。
本来男女の区別無く使用できる公共の交通機関であるはずの鉄道に、
「男性専用」や「女性専用」といった利用者を限定するような事があってはいけませんから。

 

・ おわりに

女性専用車両とは言うなれば犯罪から女性を守るためにできたものです。これは悲しい事です。
犯罪など皆が真面目に生きていれば起こらぬものです。
その犯罪から乗客をわざわざ隔離して守らねばならないとはもはや異常です。
また犯罪が無ければ女性専用車両なども生まれず、鉄道における男女平等論議なども起こることは無かったでしょう。
ある意味では犯罪とは別の問題を引き起こしてしまうような女性専用車両を無くすために乗車マナーを守りましょう。
そうすれば女性専用車両は無くなります。女性専用車両は在ってはならないのです。
女性専用車両がなくなったとき、安全な鉄道は確実に我々の近いところにあります。


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