このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
第2章 ケーススタディ
■プロジェクトの設定
XY間の所要時間短縮を図るプロジェクトを実行することとする。
所要時間短縮幅は20分とする。
このプロジェクトは外生的に実行され、実行後の鉄道運行コストは増えないものとする(増収=増益とするための単純化)。
▼ケース1:
プロジェクト実行後、XY間の移動に特別料金 1,000円を課金する。
Q1C1 = Q1×(2,000円+60分×50円/分+1,000円)
= Q1×6,000円
= Q0×6,000円
∴Q1 = Q0 = 20,000人
P1 =(C1−C0)(Q0+Q1)/2
=(6,000−6,000)(20,000+20,000)/2
= 0
ゆえにこのケースでは、利用者便益が発生しない。
I1 =(2,000+1,000)×20,000 = 6,000万円/日
I1−I0 = 6,000−4,000 = 2,000万円
ゆえにこのケースでは、鉄道会社は1日あたり 2,000万円の増益となる。
▼ケース2:
プロジェクト実行後、XY間の移動に特別料金10,000円を課金する。
Q2C2 = Q2×(2,000円+60分×50円/分+10,000円)
= Q2×15,000円
= Q0×6,000円
∴Q2 = Q0×6/15 = 8,000人
P2 =(C2−C0)(Q0+Q2)/2
=(6,000−15,000)(20,000+8,000)/2
= −1.26億円/日
ゆえにこのケースでは、1日あたり1.26億円の利用者損失が発生する。
I2 =(2,000+10,000)×8,000 = 9,600万円/日
I2−I0 = 9,600−4,000 = 5,600万円
ゆえにこのケースでは、鉄道会社は1日あたり 5,600万円の増益となる。
▼ケース3:
プロジェクト実行後、XY間の移動に特別料金を課金しない。
Q3C3 = Q3×(2,000円+60分×50円/分)
= Q3×5,000円
= Q0×6,000円
∴Q3 = Q0×6/5 = 24,000人
P3 =(C3−C0)(Q0+Q3)/2
=(6,000−5,000)(20,000+24,000)/2
= 2,200万円/日
ゆえにこのケースでは、1日あたり 2,200万円の利用者便益が発生する。
I3 = 2,000×24,000 = 4,800万円/日
I3−I0 = 4,800−4,000 = 800万円
ゆえにこのケースでは、鉄道会社は1日あたり 800万円の増益となる。
▼ケース4:
プロジェクト実行後、XY間の移動に特別料金 500円を課金する。
Q4C4 = Q4×(2,000円+60分×50円/分+500円)
= Q4×5,500円
= Q0×6,000円
∴Q4 = Q0×60/55 = 21,818人
P4 =(C4−C0)(Q0+Q4)/2
=(6,000−5,500)(20,000+21,818)/2
= 1,045万円/日
ゆえにこのケースでは、1日あたり 1,045万円の利用者便益が発生する。
I4 =(2,000+500)×21,818 = 5,455万円/日
I4−I0 = 5,455−4,000 = 1,455万円
ゆえにこのケースでは、鉄道会社は1日あたり 1,455万円の増益となる。
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |