このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

Gallery - Calendar

1994 Nov./Dec.

標津線 奥行臼駅

 

北海道の東のはずれにある野付郡を走っていた標津線は、開拓と酪農の歴史とともに歩んできた路線でもあります。雄大な牧草地やじゃがいも畑の中を走るこの路線は、北海道の中でも、一番北海道らしい線区ではなかったのではないでしょうか。

標津線は標茶−根室標津間と中標津−厚床間の2線区がありましたが、幹線並の前者に対し、後者は極端に列車本数も少なく、一旦乗り遅れると、次の列車は5時間後、といった感じで、廃止直前の1988年末に訪れたときは、おかげで12kmも線路を歩かされる羽目になりました。

今回の絵の奥行臼駅は、中標津−厚床線の中程の別海駅から南に12km(そう、私が歩かされた区間です)行ったところにある無人駅で、かつては別海村営軌道の起点でもあった駅ですが、末期はほとんど乗降客もない、寂しい駅でした。しかし、すっかり暗くなった頃の、裸電球のともるホームには、なんともいえぬ郷愁というものがあり、歩き疲れた思い出とあいまって、今でも鮮明にその様子を覚えています。

1993年末に、村営軌道の遺跡を見に行こうと、厚床からバスで再び奥行臼を訪れました。そこには、歴史資料館として永久保存された奥行臼駅が、ほぼ当時のままの姿でたたずんでいました。北海道開拓の証人として、いつまでも大切に保存してもらいたいと思います。

 

■絵について

雪の奥行臼駅です。この絵は構図が以前から決まっていたので(セル画でやるつもりだった)、1993年に駅跡に行ったときについでに資料写真を撮ってきたという、唯一取材をして描いた絵です。

夜の雪景色ですが、おかげでサクラの「あいいろ」のチューブを2〜3本使ったんじゃないでしょうか(笑)

この絵も、スキャンした状態では逆に明るすぎて(青すぎて)興醒めなので、照明効果を掛けています。ただ、単純に照明効果を掛けると、光の漏れる窓も暗くなるので、その部分は効果を消しておきました。結果、原画よりもリアルになった気がしますが、駅名板がまったく見えなくなっちゃいました(泣)


  << 9-10月へ Calendar Index  

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください