このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

引田町積善坊の西行歌碑

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引田町寺町の積善坊(しゃくぜんぼう)


山門の仁王さんは四国随一の巨像、と書かれている。
H30.3.2

境内　（赤丸印は以下に拡大写真有り）
H30.3.2

境内の説明板
H30.3.2
西行がここで一夏を過ごしたときの歌として　　　　　　　　　　　;
あら鷹の下も引田の浦なれば　沖へに懸かる白鳥の松
という歌が紹介されているが、赤松景福著兼発行「 讃岐名所歌集 」とは少し異なる。どういうことか？


境内にある西行法師の歌碑（正面と背面）
H30.3.2　H30.3.2
手前の西行法師像は平成23年3月に設置されている。

歌碑正面と背面の刻字
H30.3.2　H30.3.2

「讃州大内郡吉田里東面山記」とは、このお寺（東面山宝泉院西行寺積善坊）が南方山麓の吉田の里にあったころの寺の記録であろうか。
とすれば、自己宣伝的な内容である可能性も考えられる。西行が鳴門からやってきたというのは、源義経や道範阿闍梨などと混同していないだろうか。


「讃州大内郡吉田里東面山記」(「香川叢書 第一」収載)より；
又西行法師も鳴門の方より此寺に來り、一夏の間安居して、朝な夕な花つみ水結ひて本尊につかへたまひ、すゝろに禪悦爲食の心讀るとて、
　　　　あら鷹のしたも引田の浦なれはおきへにかゝる白鳥のまつ
又六道能化の心をよめるとて、
　　　　月はまた出ぬ中空の暗をてらすは曉毎のちかひなりけり
（挿絵あり）

【注】
禪悦爲食(ぜんえついじき)：　(お経の一部) 若飯食時　當願衆生　禅悦為食　法喜充満。
　　（食事をいただく時には感謝の気持ちを以っていただくと共に信仰の喜びを心の糧とすべき事を思うべし）

六道能化(ろくどうのうげ)：　六道の巷に現れて衆生を救う地蔵菩薩のこと。


西行法師は僧侶ではあるが、むしろ歌人としての風流を記録に残している。上記「東面山記」の内容は完全に仏道の記述になっていないだろうか。



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