このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

          

☆2002年オホーツク紀行(2) (実行日:2002年3月14日)     小さな旅日記目次へ      トップページへ    

   

この記録は2002年3月中旬に北海道・オホーツク沿岸へ出かけたときの記録その2です。写真に関しては「旅のアルバム」の方にも掲載していますので関心のある方はそちらもご覧下さい。

 --------------------------------------------------------

  【2日目】
     
北見駅前の小さなビジネスホテルへ泊まった翌日(3月14日)は、紋別方面へ足を伸ばしてみることにし、早起きして朝7:13のオホーツク2号に乗る。駅にはビジネス客が行列して、さすが沿線第一の都市の壮観だが、昼間の特急が定期で4本ということを考えると、駅としては1日に数少ない賑わいなのかもしれない。発券無料なので指定券を取ったがさしたる混雑ではなかった。1時間足らずで遠軽着。北海道へ何回も着ている割に遠軽で降りたことは意外に少なく、おそらく以前は夜行で着いてから、まだ健在だった名寄本線の接続待ちの間にちょっと改札を出たくらいで、昼間に降りるのは初めて同然。主要駅としては案外質素な感じである。
    
湧別漁港その名寄本線も今はなく、駅前広場もあまり広くなくてバス乗り場がわかりにくかったが、駅を出て次の交差点の角に北見バスのターミナルがあった。まずはオホーツク沿いと思われる湧別まで行くことにする。湧別までは本数が比較的多く、8:25のバスに乗る。お客さんは数人。途中でちょっとした集落を迂回した後はひたすら気が遠くなるような直線道路を走る。これぞ北海道、と思うような眺めで時間がたっても景色が変わった感じがしない。そういえば以前の名寄本線も湧別までほとんど直線だったような気がする。上湧別町はその名のとおり上湧別に役場があるが街の規模は中湧別のほうが大きそうで、バスターミナルもあり、かつての中湧別駅が保存されていた。さらに直前道路を走って湧別も小規模ながらきれいなターミナルがあった。トイレも清潔で、鉄道がなくなった後のほうが整備されている気がするのは複雑な心境である。
   
「商店発祥の地」の碑(湧別)湧別はそのまま直線道路を進めばオホーツク海にぶつかる位置にある、いわばどんづまりの街だが、かなりの商店もあって寂しさは少ない。とはいえ前日と違って天候があまり思わしくないのでちょっと暗い感じに見えてしまうのも事実である。遠軽からひたすら走ってきた直線道路の果てまで行けば海が見えるかと思ったが見た目より遠く、なかなか行き着けない。ようやく行き着いたところで道路は曲がっていて、港などもあって案外海の近くには行きにくいようである。港には氷の痕跡もたくさんあって、一時期流氷が到達していたことをうかがわせるが、遠くに見える海には全く流氷の姿はなかった。紋別方面行きのバスまで30分程度なのであまり長居する余裕がなくなり、街中の「商店発祥の地」という碑を興味深く眺めながらバスターミナルに戻る。
    
コムケ湖紋別行きのバスは十人ちょっと乗っていてまずまずの賑わい。ちょっと海に近いところを通った後はひたすら畑や牧場の中を走る。もちろん雪に覆われているがさすがに雄大な景色である。途中「キャンプ場入口」というバス停のあたりは昔来た記憶があり、コムケ湖という湖が近いはずである。林の向こうに広大な雪原が見えるのがそれだろう。その後もバスは、できることなら途中下車して眺めたいような広々とした景色の中を走る。この時間はなぜか次のバスが十数分後に来るダイヤになっていたので、ちょっとした集落のある「小向学校前」だったかで衝動的に下車(笑)。とはいえ景色を見てしまうと十数分ではあまり足を向ける場所もなく、郵便局で用事を足したりしながら次のバスを待つ。
流氷科学センター前の公園と海岸次のバスでは紋別空港を右手に見たりしながら、市街地の近づいてきた元紋別の少し先で下車する。市街地よりも海に接近しやすいと判断したからで、実際そこにはオホーツクタワーや流氷科学センターなどの施設が点在し、科学センターには道の駅も併設されていた。幸い天気も回復してきている。積もった雪はそこそこ深いが寒さはあまり感じない。むしろ海沿いまで歩くのに汗ばみそうである。道の駅のあるあたりの海岸沿いには公園もあったが、海は...どこまでも青黒い(笑)。昨日の網走・斜里方面とは異なり、ここには全く流氷の姿もなかった。私の素人考えでは北のほうが氷がありそうかなと思ったが、そう単純ではないようだ。科学センターの上階の展望室から見ても同じだった。ともあれここではオホーツク海の眺めを堪能することにし、海沿いの公園でしばし過ごす。
    
もと中湧別駅近くのモニュメントこの後の予定は流氷の有無如何でどうするかを決めるつもりだったが、これ以上北上しても流氷にはお目にかかれそうもなく、いったん逆行することに決める。先ほどのバスが市街地で折り返してくるのでそれに乗り、かつての鉄道のジャンクションだった中湧別に降りてみることにする。中湧別のバスターミナルは、町の公共窓口なども入った真新しいビルにあった。その横には先ほども見かけた旧・中湧別駅舎が保存されており、そちらへ足を向ける。こんなにホームが短かったかな、と思うが確かな記憶はない。「鉄道資料館」の看板が出ていたが残念ながら施錠されていた。ホームの行き先表示などはそのままで、鉄道在りし日をしのんでみるものの、周囲があまりにも変わってしまったため、かえってドラマのセットのようにも見えてしまう。この駅舎の横には「日帰り入浴施設」が建設中で、いずれ立ち寄る機会があるかもしれない。かつての鉄道用地と思われる場所には「U」の字をかたどったモニュメントが出来ていた。
    
12時半頃のバスで遠軽へ戻ることにする。途中から乗ってきた年配の女性客が「運転免許とっとけば良かった」「バスがこんなに不便になるとは思ってなかった」というような会話をしており、車を運転できない自分も身につまされる。中湧別から遠軽は1時間に1,2本のバスがあるのだが、かつては鉄道もあり、それ以外にバス便もあったわけで、おそらくそのバスも減らされたのであろう。私が将来もっと年を取ってから北海道を訪れたときに、もうバスで旅をすることが難しくなっているような状況になっていたとしたら... それ以上にこのような人たちの生活路線はどうなるのか... という思いをめぐらせるうちに遠軽へ着いた。
    
氷結した網走湖遠軽からは前日とコースが重複するが、以前から間近に眺めたいと思っていた網走湖へ向かうことにし、特急で女満別に下車する。女満別は空港があるので知名度はあるが、女満別駅では空港利用者らしい人は下車しなかったようだ。ちょっと街歩きをしてから、駅を挟んで市街地と反対側にある網走湖を目指す。途中で雪の中へ思い切り靴を突っ込んでしまい、足が盛大に濡れてしまった。網走湖はさほど有名ではないもののかなりの広がりがあって壮観である。ほとんど結氷しており、湖面上を途中まで歩いてみることが出来た。天気は完全に回復し、雪面での反射がまぶしい。
    
ラーメンきっさ「駅馬車」の味噌ラーメン1時間後の普通列車で午後4時過ぎに網走へ戻り、またまた前日と同じ釧網線へと進む。やはりオホーツク海を近くに眺め、しかも流氷が見られる車窓というのは何度見ても飽きない。ただし北浜あたりでみた感じでは前日より氷塊が小さくなったようである。さすがに暖かい日が続いたためだろうか。この日は昨日通過してしまった止別(やむべつ)駅で下車する。ここも北浜駅と同様に、駅舎を利用した飲食店が出来ていて、ここは「ラーメンきっさ 駅馬車」であった。味噌ラーメンを頼むと野菜がたっぷり入っていて上々。北浜でもそうだったが、店には人がいるのに列車で来たと思われる人は皆無に近い模様。    
釧路の夜景
この日は釧網線の最終列車を乗りとおしていっきに釧路まで進み、以前泊まったことのあるホテルに投宿。このホテルは仕事場の共済の関係で比較的安く泊まれる割に設備が良いので気に入っている。15階の部屋からは釧路の夜景も見渡せた。

(続く)
 
    
【0〜1日目】      【2日目】     【3〜4日目】

 

   トップページへ                                     小さな旅日記目次へ

 

    

     

   

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください