高松港にて ブルーライン
小豆島と四国・高松を結ぶ航路は3系統ある。いずれも同じ桟橋から出航しており、値段も変わらない。また、それぞれの到着する場所も車で20分程度しか離れていないので、高松から小豆島に渡るときには一番早く出航する船に乗ればよく、行き先を選ぶ必要はない。それはさておき。
出船・入り船すれ違う高松港にて
高松港は、宇高フェリーも発着しており、ひっきりなしにフェリーが出入りしている。入り船、出船がすれ違い、時にはびっくりするような至近距離で行き違うこともある。瀬戸大橋がかかっているとはとても思えない。やはり橋に負けないだけの何かを持っているのだろう。フェリーファンとしては、この賑わいを見ていると嬉しくなってくる。いつまでもこの光景が続いて欲しいものだ。それはさておき。
出航後しばらくは、宇野行きフェリーが前と後ろに見えている。前方彼方からは、宇野からのフェリーがやってくるのが見える。時間によってはジャンボフェリーや、鬼ヶ島へ向かうフェリーも見ることが出来る。私がデッキに立って見渡してみたときには、全部で5隻のフェリーが見えた。こんなに多くのフェリーが行き交っているのは、日本広しといえどもここだけではないだろうか。あまりの過密ぶりに、衝突の心配をしたくなってしまうくらいだ。
草壁は、小豆島の東部に位置するので、四国本土に沿って進む。意外と近い距離に四国が見える。左手には、遠くに小豆島が、近くには名前も分からない数々の島が見える。瀬戸内海の典型的な風景だ。一つ一つの島は、無人島か有人島かはもちろんのこと、名前も分からない。それでもびっくりするくらいにきれいな砂浜を持っていたりする島もあり、「渡ってみたい!」という気持ちがわき上がってくるのを抑えきれなくなる。フェリーを見ると乗りたくなるという癖がついてしまったが、これがさらにひどくなると、「島を見ると渡りたくなる」ということになってしまうのではないだろうか。そうなると、船のチャーターや何やで大変だろうな……。それはさておき。
やがて船は四国から離れ、小豆島が近づいてくる。四国と小豆島をじっくりと眺めながらの旅が出来るという点では、高松発着の3航路の中ではこの航路が最も「味」のある旅が期待できるのではないだろうか。是非とも他の航路にも乗ってみて、「味比べ」をしてみたいものだ。
草壁に船首を向ける。右手には「二十四の瞳」の「岬の分教所」が小さく見える。その湾の奥に、草壁の街並みが見える。街に向かって、フェリーはゆっくりと進んでいく。私にとって二度目の小豆島は、こうして始まったのだった……。
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