伊良湖岬へ向かう志摩丸
渥美半島の先端に位置する伊良湖岬と、伊勢志摩の一大観光地であり、企業の保養所が建ち並ぶ一大リゾート地でもある鳥羽との間を一時間で結ぶフェリー。便数が少なく、夕方には終了してしまうのが難点ではあるが、何かと混雑しがちな大都市・名古屋を避けたルートとして、意外な人気を保っている。
伊良湖港ターミナルは、「道の駅クリスタルポルト」に併設されている。中に入ると、土産物屋やレストランが大きな面積を占めていて、切符売り場がどこにあるのかよく分からない。船に乗る人だけではなく、この道の駅が目的でこの場所を訪れている人もかなり多いようだ。
タイミング良く港に着いたために、切符を買うとそのまま乗船。陸地の混雑からはちょっと意外な感じがしたが、船の中はあまり混雑していなかった。やはり陸地だけで帰ってしまう人が多いのだろうか。それとも、上陸してから道の駅を利用している人が多いのだろうか。それはさておき。
フェリーから神島を望む
デッキから外を眺める。本州側には、日賀間島・篠島が小さく、遠くに見える。反対側に目を転じると、神島の島影が、こちらはかなり近くに大きく見える。この島は、三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台となった島で、鳥羽市に属している。残念ながらフェリーは就航しておらず、鳥羽港から旅客船で行くしか方法がない。このような島を見ていると、いつの間にかその島へ渡る方法をあれこれと考えている自分にふと気がついてしまう。船を見ると乗りたくなる習慣はもうどうしようもないが、これに加えてさらに、島を見ると渡りたくなる習慣までついてしまうと、一体私はどうなってしまうのだろうか。そのうちに、島でなくては暮らせない人間になってしまうのだろうか。それはさておき。
鳥羽港に近づくにつれて、島影が目につき始める。中には無人島もあれば、ホテルや保養所の建ち並ぶ島もある。本土と橋で結ばれている島もあれば、定期船が唯一の交通手段の島もある。互いに接近しているというのに、島によってこれほど表情が異なっているというのも興味深いものだ。
鳥羽港ターミナルは、海沿いの観光地のど真ん中に位置している。水族館や真珠島などもすぐ近くにある。そのせいか、すぐ目の前の国道は車の量がかなり多く、人通りも非常に多かった。GWの谷間の平日でこれだから、このあとのGWまっただ中は、一体どのような混雑ぶりだったのだろうか。考えるだけで恐ろしくなってきてしまう。きっとこのフェリーも、積み残しが続出するくらいの混雑ぶりだったのだろう、と思いたい。
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