このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


むつ湾フェリー
(蟹田〜脇ノ沢)

 津軽半島中程にある蟹田と、下北半島の南西端付近にある脇ノ沢を結ぶフェリー。東北地方では数少ない航路であり、津軽と下北を結ぶ最短ルートでもあるが、利用したことのある人は意外と少ないらしい。11月中頃から3月までは運休する季節航路でもある。
 蟹田港は、私がテントを張っていた海水浴場のすぐ横にあり、船はここで夜を過ごすことになっている。そのため私は、蟹田に到着したその日から、ずっと自分がいずれ乗り込むことになる船を眺め続けることになったのであった。それはさておき。
 良く晴れ渡ったある秋の朝、2泊した蟹田から下北に渡るべく出発の準備を整える。テントサイトからバイクで30秒走れば船に着ける。余裕を持ってパッキングを完了し、歩いて数十秒の切符売り場で早々に切符を買い求めると、あとは乗船直前まで船を見ながらのんびりと過ごすことが出来た。これもあまりない経験だ。
 満車ではなかったが、それでも車両甲板がある程度埋まる位には車を積み込んで出航。出航すると、船は一路下北半島へ向けて進んでいく。北には北海道の大地が横たわっているはずなのだが、さすがに陸地の姿を見ることは出来ない。南を見ると、青森市や夏泊半島と思われる陸地の影が見える。東には下北の大きな姿が、西にはそれよりも小さい津軽の姿が見える。そして北から南へ、或いは南から北へ向かって走っていくフェリーが小さく見える。青函フェリーだろうか。かなり遠く離れているので、その動きは非常にゆっくりとしている。
 1時間で脇ノ沢に到着。みちのくひとり旅の最後の目的地、下北半島へはこうしてあっさりと到着してしまった。青森経由でバイクで走れば、4時間近くはかかるだろうに……。このとき、私の旅は折返しを終えたばかりであったが、まさか北海道を半日足らずで駆け抜けることになろうとは、思いもしていなかった私変衆長なのでした……。
 それにしても、出航時、入港時の船内放送の前に必ず「いい日旅立ち」がかかっていたのはなぜ?



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