このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


スオーナダフェリー
(竹田津〜徳山)

 「スオーナダ」とは「周防灘」のこと。同じ言葉であっても、漢字で書くのとカタカナで書くのとでは、ずいぶんと受ける印象というものが変わってくるものだ。もし日本語が仮名漢字混じり文ではなく、仮名表記のみであったならば、今の日本語とはまったく違った言葉になっていたかもしれない。それはさておき。
 竹田津港は、周防灘に面した国東半島の北部・国見町に位置する。姫島へのフェリーが発着する街の中心地、伊美からは車で10分もかからない。わざわざ離れて港を設けなくても、同じ所から運航したほうが乗り換えも便利だと思うのは私だけだろうか。それとも一緒にできない理由でもあるのだろうか。それはさておき。
 竹田津港には、土産物屋と食堂があるだけで、あとは店もない。フェリー発着時間以外は閑散としている。岸壁では、多くの釣り人が釣り糸を垂れている。のんびりとした空気があたりを支配している。
 フェリーの時間が近づくにつれて、何台ものトラックが走ってきた。大分・宮崎方面から広島方面に向かう場合、この航路がショートカットの役割を果たしているようだ。橋や高速道路の発達でフェリーは今後苦しい立場に立たされていくかもしれないが、こういったトラックの利用が見込める航路は、今後も生き残っていくことが出来るだろう。私としてもこういった光景を見ることは嬉しくもあり、心強くも感じる。
 船内ではやはり、トラックドライバーの姿が目立った。トラックに支えられた航路は強いとはいえ、乗客の大半がドライバーでは航路の先行きは少々不安になってきてしまう。一般旅客とトラックドライバーの両方の支持があってこそ、本当に強い航路になれるのでは、とも考える。どうも考えることが次々と変わってきてしまう。それはさておき。
 徳山までは約2時間。外を見ても真っ暗で何も見えないのでひたすら眠る。少々寝返りを打っても人とぶつかることはない。乗船早々に飲んだ缶ビールの酔いも手伝って、けっこうぐっすりと眠ることが出来た。
 徳山に上陸する。2日ぶりの本州だ。これから2日をかけて大阪まで帰ることになる。さて、どこへ向かって走ろうか……。



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