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北陸旅日記2005年夏

「土と緑と潮風と国鉄型の風景 その1」


           白馬の道の駅
「国鉄型ワンダーランド いざ北陸へ!」そんなRM誌を見ている
と「そういえば3年も北陸へは行っていないな」と思い出す。昨年
あたりから国鉄型や国鉄色にはまりだしている状態から単純に
北陸行きが決まった。聞くところによると北陸新幹線の工事も
着々と進んでいる様子。うかうかしているともうそんなワンダー
ランドも見ることができなくなってしまう。そこに今走っている列車
と風景はすべてターゲットだが、中でもボンネット型の「能登」は
第一の目標であった。上野を23:30過ぎに発車するこの列車を
撮影するとなると夏場であっても当然早朝の撮影となる。自分に
とって、特に北陸らしい風景と撮りたかったので5時30分ぐらいか。
そうなると近くに宿をとっても4時出発ということになってしまうし、
飛行機でも当然間に合わず、列車に乗ってもその列車が撮りたい
のだから無理だ。交通手段は簡単に結論が出た。自宅より全行程
車だ。その日仕事を終えると帰宅し身支度を整え、といっても車に
無造作に積んだだけだが、夜8時に出発した。

     日の出前の貨物列車


 立山連峰の稜線の低い方から日は昇る
中央自動車道から長野自動車道を経て、豊科でおりる。最近すっ
かり通い慣れた大町、白馬と通り、糸魚川へ抜ける。途中白馬の
道の駅に立ち寄り、休憩。夏休みのせいだろうか、かなりの数の
車がとまり、仮眠中のようだった。しかし、私はここで仮眠をとるわ
けにはいかず、先を急ぐ。小谷から先の道が険しいことはかなり
以前通ったことがあるので知っていた。多少の改良はあったようだ
が、道はやはり険しい部分が残っていた。無事糸魚川インターに
到着。ここより北陸自動車道に入る。仮眠予定地はもうすぐだ。
有磯海SAに到着。ここからだと撮影を予定している場所までもそ
んなに離れておらず、寝過ごすことがなければ撮り逃すことはな
い。ほぼ予定通りの深夜2時過ぎに到着した。シートを倒し、眠ろう
とするが、妙に興奮状態にあり眠ることができない。昼間はあんな
に眠かったのに不思議なものだ。音楽をゆっくり聴いてなんとなく
うとうとしているうち3時半を過ぎた。「まだ早いけど何があるかわか
らないから、ぼちぼち行くか。」 洗面所で顔を洗い、出発。滑川
ICでおりる。一般道を走る。さあ、着いた。私が日本で一番好きな
風景の中に到着だ。あたりはまだ暗いが空が白くなってくる。外は
少し寒いぐらいだ。予想通り立山連峰の稜線が浮かび上がる。
まだ暗かったが三脚を立て準備にかかる。すると程なくして踏切
がなる。貨物列車がやってきた。シャッタースピードを落として流し
てみる。また踏切がなる。今度は貨物ではない。「普通列車にして
は早すぎる」と思った瞬間583系のシルエットが浮かび上がる。
「北国」だ。まだ暗いため流し気味にしか撮れなかったがカメラに
おさめることができた。この列車は時間が早すぎるので無理だと
思っていたが、日の出前でも何とか撮ることができたのだった。
それにしても気持ちがよい。朝のひんやりした空気と稲の香。
夜行列車から見る、夜明け直前の風景の中に今まさにいる。

        急行「能登」
日が昇る。貨物列車が何本か通過したあと、まずは「日本海4号」
がやってくる。そして、「北陸」。最後に「能登」。これだけの列車が
わずか10分あまりの間に通過するのだ。「能登」が姿を見せたとき
何気なく反対方向を見ると普通列車が!かぶる!!はらはらしな
がらシャッターを切る。ぎりぎりだった。本当にぎりぎりだった。
ちょっと時間がずれるとモロにかぶってしまう撮影地だった。その
様子は トレインフォトギャラリー にてご覧いただきたい。

  3両編成の「おはようエクスプレス」がいく
とりあえず、第一の目的を果たし、場所を移動する。途中、道の駅
カモンパーク新湊に立ち寄り、休憩、朝食。昨日出発前に買って
おいた菓子パンをかじる。次は高岡駅近くの撮影地。狙いはかの
豪華列車、「トワイライトエクスプレス」。よく晴れた日で、日が昇る
につれ気温もじりじりと高くなってくる。車は陸橋の下にとめておけ
る。したがって車内が暑くなることもない。なかなか条件のよい
撮影地。ここで二上山をバックに数本撮影。
出発前の予定ではこのまま金沢方面に移動することにしていたが、
天気予報によると天気がよいのは今日だけ。少し考えたあげく、
方向的には効率が悪いのだが、小杉インターから、来た道を引き
返す。朝日インターでおり、市振方面へ向かう。ここは3年前に海
といっしょに撮れるところをさがしながらうろうろしたところ。道の駅
市振の関の近くに海をバックに俯瞰できる場所があると知り、今日
はそこへ向かう。せっかくならどんよりした海よりも青く輝く海にし
たい。そう思い天気のよい今日行く事にしたのだ。

道の駅の向こうに市振の集落。そしてその向こうに
       天険親不知をのぞむ。
道の駅に車をとめ、炎天下の中重い荷物を抱え歩く。あった。公園
のとなりに階段。ここを登ったところが撮影地だ。しかし、この階段が
急で狭く、大きな荷物をかかえて登るのは大変だった。今日は、
地域のボランティアの人たちだろうか。この斜面の草刈りに来ている
方々がいらっしゃった。この方達に聞いてみるとやはり皆さんよく
撮影に来られるとのこと。一番上で撮る人が多いとのことだった。
汗だくになりながら、一番上についた時先客がいることに気づく
若い人だ。列車で来たらしい。まもなく「北越」が通過。狙い通り海
は青かった。しかし、足場は狭く柵もないので注意しないとコンク
リートの斜面を転げ落ちる事になる。けっこう危険な場所だ。しかし
そこからの景色がまさに絶景。潮風が気持ちよい。もう一人の方は
11時過ぎに出発。倶利伽羅方面へ行くという。私はここでは昼すぎ
まで撮影。道の駅まで戻り、昼食を購入し、車内でぱくつく。また
北陸自動車道にのり、富山県、石川県を通り越し、福井県に入る。
実に効率が悪い。が、天気のよい今日を有効に使わなければなら
ない。ロングドライブのあと金津インターでおりる。ずっと昔、家族で
この地方の温泉をめぐったおりに来たことがあることを思い出す。

      ホテルの部屋からの眺め
次の目的地は細呂木駅。ここの跨線橋から「雷鳥」を撮ることにして
いた。かのRM誌の表紙の構図である。この跨線橋は窓はあるもの
の風が抜けずに暑い暑い。蒸し風呂状態であった。今日一番の灼
熱撮影地だ。走りぬける681系のサンダーバードを撮りながら露出
確認。1本目の「雷鳥」が通過。次は1時間後だ。セッティングはそ
のままにしておき、何となくブラブラする。そろそろ時間が来たので
早めに構図を確認。列車が来た。「予想より早いな」と思いながら
ファインダーをのぞくと「あれ?ちょっと違うぞ。」 近づいてくるその
列車はなんとボンネットだった! 「臨時」というヘッドマーク。
思わぬ収穫に思わずにんまり。その5分後に次の「雷鳥」が通過。
今日の撮影はここまでとする。さすがに徹夜のあとの強行スケジュ
-ルでかなりの疲れを感じた。高速を金沢西でおり、ホテルに向かう。
市内はいつもどおりの渋滞。ホテルは駅の前のランドマーク。「ホテ
ル日航金沢」。30階建ての高級ホテルを2泊奮発した。その21階の
部屋に案内される。残念ながら駅と反対側の部屋であったが、市内
が一望できる絶景だった。疲れているのになぜかぐっすり眠ることが
できず夜が更けていった。

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