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北陸旅日記2005年夏

「土と緑と潮風と国鉄型の風景 その3」


陸橋上から撮影。こんな色の普通も通る。
朝、天気予報をチェックすると、今日も昨日と同じような
天気だという。曇り時々雨。さて、どうするか。あまり移動
に時間をかけるよりも1箇所で何本も撮った方が効率
がよいか。というわけで、金沢からあまり離れていない
昨日の夕方に訪れた美川インター近くのポイントへ再度
向かう。もしも雨が降ってきても陸橋の下にカメラをセット
すれば濡れることがない。まさにうってつけの場所だ。
それに午前中に国鉄色の「雷鳥」が何本か通る。
チェックアウトすると一般道を使い、現地へと向かう。
橋の下に車をとめ、アングルを変えながらやってくる列車
を撮る。昨日はもう暗くなりかけていたので、陸橋の上
へは行かなかったが、歩いて上まで行くとなかなかよい
風景が広がっている。広々した感じが、いかにも北陸
らしい。青空は広がらないものの薄日がさしてきた。
この分なら雨の心配はなさそうだ。結局ここには昼まで
いた。

   呉羽トンネルから出てきた列車
        
美川インターへ向かう。ここから北陸道に入り、次の目的
地は富山市街地だ。途中PAでそばを食べ、少しゆっくり
する。新しくできた富山西インターで北陸道を降りると
呉羽山に向かう。有名撮影地である、呉羽トンネル付近
に向かう。近くまで来ると、ここが以前家族旅行で訪れた
地であることに気づく。その頃はまったく撮り鉄をしていな
かったので、来るまで気づかないところが情けない。
地図を見ながら撮影ポイントへ向かうが、突然大粒の雨
が降ったり、やんだりという天気になってきた。ポイントへ
到着。しかし、住宅街で車をとめる場所がない。やっと
探し出したが、ポイントそのものも民家のすぐ裏という感じ
である。線路にもかなり寄らなければならない。天気も
天気だし、このポイントでの撮影は止めた。少し線路から
離れたところから数枚のカットを撮る。

       時折大粒の雨が降る
           
そして富山市街を抜け、最初の日の早朝に行ったポイント
へ再度向かう。もう天気がかなり悪くなっており、雨が
降っている時間の方が長くなってきた。田んぼが見渡せる
場所に車をとめ、踏切がなると外へ出るというパターンで
来る列車を撮った。しかし、かなり暗くなっていてなかなか
思うように撮る事ができない。撮る事はできないのだが、
やはりこの風景を見ていると落ち着くことができる。
最初の各駅停車での旅の時、旧型客車から見たこの風景
とどこが変わったのだろう。どこも変わっていないといえば
変わっていない気もするが、変わったといえば変わったの
かもしれない。そんなことを考えながら列車を待つ。特に
お目当ての列車があったわけでもなく、時刻表ももはや
見てはいない。

   以前にも来た「魚津駅前のうまい水」
実は最後のお目当てがあった。しかし、それは天気がよ
ければ撮影できるシーンであって、こんな天気では絶望
的だ。帰り道、ちょっと足を伸ばして北陸本線から信越本
線へ向かい、新潟県の米山あたりで夕日が美しい時間帯
に通る「トワイライトエクスプレス」を海をバックに撮りたかっ
たのだ。この天気ではまず不可能だ。それだったらわざ
わざ遠くまで行かなくてもこのあたりで時間まで撮影する
のが賢い選択か。しかし、もうひとつ目的があったのだ。
持参したペットボトルに以前に名水めぐりで訪れた「魚津
駅前のうまい水」を汲んで帰ること。今回は車で来たので
それも目的としていた。というわけで、とりあえず魚津へ
向かう。以前と変わらず冷たい水がこんこんと湧き出てい
る。

      419系普通列車が通過する
時計を見るともう「トワイライトエクスプレス」がまもなく富山
に到着する時間になっている。1つ心に浮かんだ。「どうせ
きれいに撮れなくても、帰り道だし・・・あそこへ行って
みよう。」 そう私は決め、北陸自動車道、魚津ICへ急い
だ。そして、先日と同じく朝日ICでおりる。市振の山の上の
ポイントへ到着。カメラと三脚を手に取り、急いで上がる。
セットし終わりしばらくすると「トワイライトエクスプレス」が
やってきた。晴れていればまだまだ日の高い時間帯だが、
どんよりと雲っていることが幸いした。うっすらとオレンジ色
に雲が染まる中を「トワイライトエクスプレス」は通過して
いった。撮るものだけでなく、乗っている人たちもきれいな
夕日が日本海に沈むのをこの列車の中から見ることを期待
していたに違いない。お互い残念だったが、仕方がない。
しばらく海を眺めて山を降りる。親不知ICより北陸道に乗
る。帰りは上信越自動車道から長野自動車道経由で行く。
飛行機で帰ると一気に現実に引き戻され、列車で帰ると
気づいた時には現実に引き戻されているのだが、車だと
自分で運転しながら少しずつ現実に引き戻されていくのを
感じた。北陸のこの風景はいつまで残ってくれるのだろう
か。変わってしまう前にもう一度できれば来たいものだ。

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