このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

南房総「春爛漫」その4


そのまま線路に沿いながら道を
歩いていくと30分ほどで観光の
花摘みの農園が集まるところに
到着。「花園」という文字通り花が
いっぱいの地域だ。ほとんどの畑
がビニールハウスで覆われている
が一つだけ線路際に花畑が広がる
ところがあった。ここで撮影の許可
をいただき準備にとりかかる。こちら
でもとてもご親切に「どこで撮っても
いいですよ」と言ってくださった。本当
にありがたいことだ。雲行きが気に
なるところだったが、なんとか天気は
もったようだ。

この区間は普通列車のみ運行の
区間。列車の本数もさほど多くはない
が、列車が通らないときにはさまざま
な花を見ながらすごすことができる。
晴れていればもっときれいだっただ
ろうが、雨が降ってこないだけでも
よしとしなければ。結局午前中いっぱ
いをこちらですごした。雨が降ってくる
前に退散しようと思い、所有者のご夫婦
に挨拶をすると、摘んだばかりのポピー
のつぼみを10数本「これもっていきな
さいよ」と渡された。撮影場所まで提供
していただいた上に、こんなものまで
いただいてしまうとは・・・。
心苦しいと思いながらもありがたくいた
だく。左の写真は作業の手を止めて
花を持っていただいたこちらの奥様。
房総の穏やかな気候の中で暮らす
心温かい人々の情に触れた気がした。
花畑を後に、和田浦駅へ向かう。雨が
降り出す前に帰途につくことにした。
しかしながらどうせなら、房総半島を
1周して帰ろうと思い、153M普通列車
で安房鴨川へ向かう。鴨川駅で駅弁
を購入。考えてみれば駅弁なるものを
食べるのは実に久しぶりだ。

12:46発「ビューわかしお14号」に乗車。
あまりうまそうだったので、発車前に
すべて平らげてしまう。そのあとで、
「せめて写真に撮っておくべきだった
か・・・」と最後の失敗。
東京に近づくにつれ、雨が強く降り出す。
車内は、行きの「ビューさざなみ」よりもさ
らにガラガラ状態。最後までゆったりした気
分で旅を終えることができた。

家に持ち帰ったポピーは次の日から次々
と花を開いた。我が家に南房総の一足
早い春を持ち帰ったような気がした。


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