このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

南房総「春爛漫」その3



列車の走行音で目を覚ます。ホテルは駅から
徒歩30秒。線路のすぐ脇にあった。館山駅に
入線するゆっくりとした走行音。その音で目を
覚ます贅沢。身支度を整え、下のコンビニへ
朝食を調達に。考えてみれば食べたい物を
食べたいだけ買ってきて食べられるのは好都合
かもしれない。8:08館山発125Mに乗車する
ため、駅へ向かう。こんなとき駅からすぐのホ
テルというのはなかなか便利だ。館山駅は「これ
が駅か?」と思うようなリゾートホテルかしゃれた
レストランのような駅舎。「南欧風」とでも
いうのだろうか。「南国館山」を意識したつくりな
のだろう。昨日の予報では雨となっていたが、
どんよりした雲が垂れ込めてはいるが幸い雨は
降っていない。


「雨が降り出すまでがんばって撮影してみるか」
ということで、予定通り「和田浦」の花畑へ行く
ことにする。125M普通列車はすでに入線して
いた。この列車は安房鴨川行きで、館山駅には
7分ほど停車する。かなりの数の学生が改札口
へ向かっていた。車内はガラガラ状態。昨日に
引き続き、のんびりした列車の旅は始まった。
定刻に発車。先ほどまでいたホテルの下を通り
徐々にスピードをあげていく。駅に止まるごとに
数人の客が降りていく。乗ってくる人はいない。
本日の目的地「和田浦」の一つ手前の「南三原」
ではとうとう車両に乗っているのは私一人に
なってしまった。こうなると「のんびり」は「少し
さみしい」に変わる・・・。ちなみに「南三原」は
「みなみはら」と読む。

車窓からは海が見えているが内房線の区間と
はいえ、海としては外房の外海に面しているの
で、内房の静かな波の海とはちがい、太平洋の
荒々しい海にかわっている。打ち寄せる波が
内房とはぜんぜん違う。相変わらず、雲は低く
垂れ込めており、いつ雨が降り出してもおかし
くない様子。「現場についたころに雨が降り出す
のかなぁ」 そんな不安が頭をよぎった。「それ
ならそれで仕方ないさ」 何もかもがいきあたり
ばったり。本当に今回の旅はそんな感じだ。
列車は徐々にスピードを落とし、和田浦駅に
到着。


ホームにかかる跨線橋の側面に鯨の絵が描か
れている。待合室にも資料が掲示してあったが、
ここ和田浦は捕鯨基地の町のようだ。鯨といえ
ば、小学生だったころよく給食に出たが、今と
なっては高級品。時代の流れとは不思議なもの
だ。鯨の肉は「臭み」があったが、決してきらい
ではなかった。「うまい」と思って食べていたが
最近はあまり食べる機会がなくなった。
和田浦駅は花が植えられており、すっかり春の
装いだった。「関東の駅百選」にも選ばれた
駅のようだ。駅のロータリーの先を右に曲がり、
花畑方向へ向かって歩きだす。
少し雨がぱらついてきた。「やっぱりきたか」と
思ったがさほど激しく降りだしたわけではない。
降ったかと思うとしばらくするとやんでいた。
和田浦の道はあちこちに花が植えられており、
町全体が花の栽培に熱心なのがわかる。左の
写真はキンセンカだと思う。

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