このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
「懐かしき昭和の香」 大井川鐵道(1)
前々から大井川鉄道には行きたいと思っていた。そんなに遠いわけ ではなく行こうと思えば日帰りでも可能なところなのだが、なかなか 出かけることができなかった。SLも運行されるとあって息子にも声を かけてみる。最初は一緒に行くことになっていたが、そろそろ予約を とろうかと思っている矢先に「やっぱり行かない」と。最初の予定では 一日目はSL乗り鉄の旅。2日目はSL撮り鉄の旅、と計画していたが、 ひとりなら今回は乗るよりも撮るか、と思い直し、JRの「レール&レン タカー」を購入する。インターネットで撮影地等の情報を調べていくうち 「J○B愛知」が「SL重連ツアー」なるものを企画していることを知る。 12月25日、26日の2日間にわたり、名古屋からのツアーが組まれて いるようだ。今回はのんびりとSLや列車を撮ろうと考えていたのだが 「重連」となるとたくさんのマニアが繰り出し、「のんびり」というわけに はいかないのではないか。かつて桜の時期に真岡鉄道でのSLの撮 影時のようなごった返した、ある意味殺伐とした雰囲気になってしま うのではないか・・・。そんな不安が頭をよぎった。「重連」といっても どの列車がそのツアーのものになるのかすらまったくわからず、失礼 とは思ったが、大井川鉄道のHPを管理されている方にメールで問い 合わせてみた。ありがたくもお返事をいただいたが、その人にも今回 の重連の運行スケジュールはわからないという。どうやら、マニアで ごった返し、沿線の住民の方にも迷惑をかけているので、公開して いないようだ。「これはますますまずいなぁ」。 というわけで、当初の予定よりも早い新幹線に乗るべく、朝家を出る。 6:23東京発の「こだま」にも乗れたのだが、あまり早く着き過ぎても レンタカーの営業時間もある。結局その後の6:56発にて静岡を目 指す。思えば東海道新幹線への乗車も久しぶりである。朝早いせい か車内はガラガラ状態。途中から乗ってくる客もいるにはいるが、 結局静岡まで空席の目立つ状態であった。まずは今回の「のんびり」 ムードはそのまま続く。 | |
静岡駅にてレンタカーの手続きのあと、今日の最初の撮影地である 「第一橋梁」を目指す。ここは道の駅が近くにあるということで、そこ へ車をとめておけば安心して撮影することができるのと、今日がまった くの初めての私にとってとりあえず、一番有名な撮影地で撮影すると いう理由でここを選んだわけだ。ただ、不安は「重連」のために道の 駅の駐車場がいっぱいになってしまっているのでは・・・ということだ った。ただでさえ、日曜日の今日は温泉のために混むだろう。もしか して車を置くことすらできなかったら。そう考えるとなるべく早く着いて おきたかった。バイパスとなる国道1号線を降りるといよいよ大井川 鉄道の線路が見えてきた。しばらく走ると市街地を抜け、山間の田舎 の雰囲気になってくる。静岡を出発して1時間半ほどで目的地の第一 橋梁がある「道の駅」に到着。「ああ、やっぱり結構混んでるなぁ。車 とめられるかなぁ」と駐車場に入っていくと、川に一番近い、撮影には 一番好都合な場所はガラガラだ。「あれ?予想外だけど、ラッキー!」 ということで、早速車をおり、撮影の準備にかかる。「まあまだ時間が 早いからな。とりあえず早く来てよかった。」と思った。 川原にある小道を歩き、どのアングルにするかいろいろと見てまわる。 その間にも普通列車が通過するが、SLでなくても十分に絵になる列 車ばかりだ。同じく撮影に来ていた方に聞き、「重連」の通過時間など を知る。定期の101列車、102列車がそうなるのかとも思ったが、 昨日の様子からするとまったく別の列車だそうだ。ということは2本の SL列車が通過するということ。「ラッキー!!」 場所も確保できたし あとは通過を待つのみとなった。通過時間が近づいてくると徐々に人 も増えてはきたが、殺伐とした雰囲気はまったくなく、まだ撮ろうと思え ば何十人でも撮ることができる余裕があった。となりで撮影していた 人の話によると昨日の方がもっと人が多かったとのこと。それでもそん なに多かったわけではなく、いつもの日曜日と変わらない様子だ。 どうやら今回の重連ツアーは愛知出発ということであまり認知されて いなかったようだ。私も別にあてにしていたわけではないので、これ また「ラッキー!!!」という感じだ。この場所でSLや他の普通列車を 撮影後、さらに奥へ移動する。 | |
といってもこのあとの撮影地はあまり考えてはいなかったのだが、帰り のSLを俯瞰で撮りたいと思っていた。大井川鉄道は行きはSLが正面 で走ってくるが、帰りはバック運転になることが普通のようなので、山の 上から大井川の雄大な景色とともに撮りたかったのだ。整備された道路 を走っていくと左手に大井川と川に沿う大井川鉄道が見え隠れする。 下泉まで来てふと左を見ると、先ほどの101列車が停車している! するつもりはなかったのだが、後追いをしてきてしまったようだ。この駅 を過ぎると道路は大井川鉄道を陸橋で越え、さらに下泉橋を渡り、大井 川の対岸へ出、国道と合流する。国道へ出ると、なぜか少し道幅が広く なっているところがあり、すぐさまそこへ車をとめ、カメラを持ち出し、対岸 をやってくるSLを撮影。近くでは待ち構えて写真やビデオを撮っている 人もいた。全然予定していなかったのだが、なかなか雄大な景色の中 をいくSLを撮影することができてしまった。「ラッキー!!!!」 今日 何回目のラッキーだろうか。 | |
この先に俯瞰できる場所があることはインターネットで調べてあった。 田野口の駅が近づくころ、道を左に折れ、山の上へと続く小道を登る。 山の上まで車で行き、それ以上車では入れないような道を徒歩で 登って行くと、茶畑の中に視界の開ける場所があった。雄大な景色だ。 先ほどまでここで撮影していたのだろうと思われる方が、去って行った あとはひとりになった。斜面に広がる茶畑と大井川の雄大な風景を眺め ながら、買ってあったペットボトルのお茶を飲む。今山を登ってきたばか りなので、少々暑い。そんなとき、実際には寒風なのだろうが、肌にあ たる風が心地よい。ここでも普通列車を撮ったりしてすごしていたが、 まもなく帰りの重連の近づく時間となると、もう一人やってきた。その方 は私のことを何回も大井川鉄道に通っているマニアだと思ったそうだが、 「初めて」だと知ると、「普通は初めての人はここへは来ないでしょう。」 と申された。そうかここは隠れた穴場だったのだ。(笑) 重連は「プッシュ&プル」でやってきた。 | |
次の102列車を同じ構図で撮っても面白くないので、下へ降りることに した。今度は今足元に見える橋、「中徳橋」の上から撮ろうと決めた。 車で降りて行き、橋のたもとに車をとめると、橋の上に向かい歩きだす。 橋の上はかなり風も強く、また日が出たりかげったりする。光線状態から いって、機関車と客車が西日に光る様子を撮影したかったので、もしも 曇ってしまうと何もならない。やきもきしたがどうやら通過時には日が 当たっていてくれた。左の写真はその前の普通列車。光る位置を見つ けるのが難しい。 | |
このあとはもう日もだいぶ傾いてしまっていて、まもなく日没という感じ だったので明日のロケハンに費やす。さらに奥へ向かい、第二橋梁へ 行ってみる。なかなかよい感じだが、新しくできたらしい道路の橋げた がどうやっても1本だけ入ってしまう。橋じたいは隠れるのでよけいに 妙な感じだ。列車の編成じたいはきれいに納まりそうだし障害物も ないのだが。列車は来る時間ではなかったので、日が暮れる前にひき 返すことにする。さて、明日はどうするか。 | |
地名駅を過ぎたところで、右に折れ、山をひとつ越えて抜里駅へ行って みる。先ほどの第一橋梁からは近いのだが、川の反対側に位置し、道路 じたいは交通量が少ない。そのせいか、田舎の風情が色濃く残っている 感じがした。この駅舎がまたいい。古びた感じでどことなく哀愁を感じさせ るものだった。ここに車を置き、少し第一橋梁側へ向かい線路に沿って 歩いてみる。農作業をしている人に挨拶し、少し話をする。農道が行き 止まりになる築堤がなかなかよい感じだった。「明日のSLはここで撮る か。」 あえて有名な第二橋梁は避け、ここを撮影場所に選んだ。 | |
夜の抜里駅を少し撮影後、日もとっぷりと暮れたので今日の宿泊地へ 向かう。今日の宿泊地は浜松のホテル。何もそんなところまで行く必要 はないのだが、あえてそこに決めた。それは「うなぎ」が食べたかったか らだ。うなぎは私の大好物。結局浜松までは1時間以上かかって到着 したが、またこれが駅からかなり離れた場所にある。したがって部屋に 荷物を置いてからはまた徒歩15分ほどかけてうなぎのおいしい店に 出かけた私である。ちょっとぜいたくをし、「特上うな重」を注文する。 夜の浜松市街はイルミネーションがなかなかきれいだった。 |
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