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2015年3月8日(土) 秘境めぐり飯田線の旅(1)


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[3月8日]

朝4時30分起床。
昨日、あれだけ充実した旅をしたばかりですが、今日も密度の濃い旅が待っています。
寝起きにシャワーを浴び、重めのコンビニ弁当をしっかりと平らげます。
今日も長い乗車の旅となるので、きちんと食事を摂って体力をつけるのは基本ですね。
支度ができたところで、ホテルを出発します。





朝5時半の豊橋駅。
雨はほとんど降っておらず、天気予報でも晴れの予報。
今日は山奥へ行く予定なので、このまま雨が降らなければ良いのですが・・・。
念のため、コンビニで折りたたみ傘を購入しておきます。





ちなみに、「豊橋には路面電車もあるので、乗ると良いよ〜」と知人に薦められていました。





JR豊橋駅前直ぐに、その路面電車の出発ホームと思しき建造物がありました。
乗ってみたいのはやまやまですが、今日は別の大仕事があるので、またの機会にします。
「全国各地、路面電車の旅」というコンセプトの旅も面白そうですね。

とにかく改札へ行き、3日目となる青春18きっぷにスタンプを押してもらいます。





あ、インクが乾く前にクリアファイルに入れてしまった・・・。

結果、押してもらったスタンプが少しにじんでしまいました。
うぅ・・・こんなところで初歩的なミスをしてしまいました。
今日は湿度が高いから、しっかり乾かしておくべきだった。
おかげで、「豊橋駅」の「豊」の部分が、よく見えなくなってしまいました。

ただ、月日の部分が綺麗に残ってくれたのは幸いでした。
これで前回の使用から日が経っていて、かつ月日が解読困難になってしまった場合、釈明するのが大変になってしまいますからね。
自動改札使用不可の青春18きっぷ、意外なところに罠が潜んでいるので、御用心。





本日、最初に乗車するのは、秘境めぐり路線と名高い「飯田線」の始発電車。
・・・まぁ、「最初に」と書きましたが、今日のほとんどはこの路線に乗るんですけどね。
以下、飯田線を知らない人の為に、簡単な説明。

飯田線は、ここ愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅間を結ぶ路線で、主に天竜川と並行しながら、山奥の秘境とも言える場所を走る路線です。
大きな特徴としては、いわゆる「秘境駅」がいくつも存在するということと、とにかく駅が多いということ。
路線の総延長は195.7kmと中程度にも関わらず、駅数がなんと94もあります。
平均駅間距離はわずか2.1km程度。大体2・3分走ったらもう次の駅です。

また、山奥を走る関係で単線区間が長く、結果として快速や特急の運転がかなり少なく、基本は各駅停車に乗る必要があり、その場合は全線走破するのに約7時間かかります。
さらに、飯田線の途中駅から他の鉄道への接続は無いので、一度乗ったら途中で引き返すか、7時間かかる路線を全て走破するか、しかありません。

このように、完乗を目指す者からすると厄介な路線には違いありませんが、それを上回るほどの「秘境駅」の存在から、鉄道ファンから愛されている路線です。
そんな路線に、完乗の旅4日目で挑むことが出来るのも、ある意味ラッキーですね。

ちなみに、飯田線には難読駅がいくつも存在します。
恒例の難読駅名クイズを出題しておきます。
出馬(いずんま)、水窪(みさくぼ)、大嵐(おおぞれ)、
鶯巣(うぐす)、温田(ぬくた)、駄科(だしな)、
鼎(かなえ)、沢渡(さわんど
この辺りをおさえておけば、友達との飯田線トークで知ったかぶりができること請け合いですね。
本当はあと一つ屈指の難読駅があるのですが、それは後ほど登場します。

長くなりましたが、それはさておき・・・





早朝のホームにやってきた飯田線の車両。
この列車は天竜峡駅まで行きますが、今日は秘境駅で途中下車をします。
どの駅に下車するのかは、この後をお楽しみに。





6時ちょうど、列車は豊橋駅を出発します。
外はまだ暗いので、車窓からの景色を撮ろうとしても、車内の明かりが写ってしまっていますね。





次第に空が明るくなってきました。
昨夜の雨が嘘のように、今日は朝から快晴です。





このあたりはまだ、のどかな田園風景。
山の方は霧がかっているのが、気がかりではあります。
雨が降らないといいけど・・・。





朝日が差し込んできている車内の様子。
私の他には、10人程が乗車しています。
中には、私と同じく秘境駅目当てで乗っているであろう人もいます。
どこで降りるつもりなのだろう・・・?





豊橋を出て15駅目の大海駅。
この辺りは、まだまだ民家が多いですね。
それでも遠くに山を望む、良い景色が広がる地帯です。





長篠城駅の駅舎。
言うまでも無く、城をイメージした建物です。
こういう、面白いデザインの駅というのも、良いものですね。





列車はだんだんと山の中へと進んでいきます。
時折、朝もやがかかっている所を通り、景色の変化を楽しませてくれます。





天竜川から分かれてきた大干瀬川。
山と川のコントラストって、基本だけど絵になりますよね。





民家がだんだんと少なくなり、いよいよ山奥度が上がってきました。





中部天竜駅に到着。
飯田線全体の展開から見ると、ここまでで大体3分の1終了くらいです。
次の3分の1(天竜峡駅まで)は、いよいよ飯田線の本領を発揮する秘境ゾーンです。





中部天竜駅を出て直ぐに見えてくる、佐久間水力発電所。
日本の水力発電所の中では、第3位の発電量を誇る発電所とのことです。





車窓から見える、発電所の一部。
天竜川の流域には多数のダムがあり、その活用法の一つでもあります。
今日は、天竜川の色々な姿を見られそうです。





発電所やダムのさらに上流へ行くと、線路と並行して流れる天竜川が見えてきます。





山間の街中を流れる川。
素晴らしい景色ですね。

その後、列車は水窪駅を出た後に長いトンネルを通過し、いよいよ秘境度MAX地帯に入ります。




大嵐駅周辺。
ちなみに、大嵐駅は静岡県ですが、写真中央に見えている橋の向こうは愛知県です。





そしていよいよ、秘境駅のなかでも知名度の高い「小和田駅」に到着します。
・・・しかし、小和田駅については訳あって後ほど紹介します。





小和田駅の次の駅、「中井侍(なかいさむらい)駅」。
駅前の断崖絶壁には茶畑があり、その直ぐ下は天竜川が穏やかに流れています。
う〜む、いつか是非、この駅でも下車してみたいものですな。

その後、この地域の中心駅である平岡駅に到着。





ここはなぁ 宿泊と食事と温泉入浴が出来るんだに

・・・お、おう。(困惑)
この3つだけでいいなら、都会のビジネスホテルでも出来るような気もしますけどね。





山奥にありながらも、それなりに民家の多い町です。
でも、他の地域からここへ来るのは、やっぱり大変なんだろうなぁ。

飯田線はその後も人里を離れ、更に山奥へ進みます。


ちなみに、ここに来るまでの間、車内で車掌さんが一人ずつに乗車券の点検をしていました。
当然ながら、私の所にも来たので、18きっぷを確認してもらいます。

車掌「終点(天竜峡駅)まで乗りますか?」
私「いえ、途中で降ります。」
車掌「どこで降りますか?」
「為栗です。」
車掌「あっ(察し)、お気をつけて。」

こんな感じの会話がありました。
まぁ、どう見ても生活路線として乗っている人間には見えませんからね。





川にかかる、非常に簡素なつり橋。
うお〜、あんなの本当に渡れるのか??





列車は、それこそ人の気配が全く無い山奥に到達し、私が降りる予定の駅も近くなってきました。

そして豊橋を出てから経過すること2時間40分、目的の為栗駅に到着しました。





為栗(してぐり)も、相当な難読駅ですよね。
でも、ちゃんと一発で漢字変換できます。





為栗駅で私一人を降ろし、去っていく列車。
次にこの駅に来る電車は、68分後に反対方向の豊橋方面行きが来る予定です。
それまでの間、たっぷりとこの秘境駅を堪能しようと思います。

ちなみにこの駅、周囲には民家が2軒だけ存在します。
そのうちの1軒は駅の直ぐそば、写真の電車の直ぐ上に見える民家がそうです。
もう1軒は、後で登場します。





「駅」と言っても、建物らしきものはこの小屋しかありません。
小屋の中には、ベンチと掃除用具ロッカー、壁に時刻表が貼ってあるくらいです。
掃除用具ロッカーは、開けようとしても鍵がかかって開きませんでした。
窓には、「警察官立寄所」とありますが、こんな山奥に警官はどうやってくるのだろう?

そういえば、当駅を紹介した他のサイトを見てみると、駅には情報交換用のノートがあるとのこと。
一応、探しては見ましたが、この日(2015年3月8日)は、それらしい物は全く見当たりませんでした。
誰かが持ち去ったり、捨ててしまったりしたのだろうか・・・?





為栗駅全景。
ホームというよりは、細長い板が伸びているだけのようなイメージですね。





駅から天竜川上流方向を見た風景。
天竜の流れは穏やかで、辺りには山鳥が時どきさえずる声だけが聞こえます。





天竜川下流方面。
川の上にかかっているのは、為栗駅名物の吊り橋「天竜橋」です。
もちろん、このあと渡ります。
飯田線の数ある秘境駅の中でも、まずここを選んだのも、この吊り橋を渡ってみたいから、というのが大きな理由です。
なお、左側のトンネルは、今列車に乗って出てきた所です。





駅から遊歩道に降りる部分はスロープになっており、点字ブロックもあります。
バリアフリーなのは良い事だけど、視覚障害のある人が一人でこんな山奥に来てしまったら、相当危険なような気がする。





駅を一通り眺めたので、吊り橋を渡ることにします。





橋はバイクくらいなら渡れますが、車が渡れるほどの幅はありません。
電車以外で、駅と外界を繋ぐ唯一の手段ですね。





吊り橋の上から、上流方面を望む。
遠くに見える橋は、このあと天竜峡方面へ向かう際に列車で通過します。





下流方面。
この先、少し下ったところが「信濃恋し」と言われる場所です。





橋の上から駅方面を眺めます。
天竜川と吊り橋と駅。
為栗駅の特徴を端的に述べるのなら、これに尽きます。





橋を渡りきった付近にあった、警告の看板。
ここは先ほどの佐久間発電所からだいぶ上流ですが、それでもここからまだ上流にはダムがいくつもあるとのこと。
その下流にあたるこの付近も、水量調整の影響を受ける地域とのことです。





さらにここから山道を歩き、辺りを散策します。





山道から垣間見える、天竜川。
思えば遠くに来たもんだ。





途中、燃料の為と思われる薪を保管してある場面に遭遇。
近くには民家が1軒だけあります。
昔この辺りには集落があったそうですが、ダムの建設によりこの一帯は水没。
水没を免れた2軒の民家だけを残して、山奥の秘境が出来上がったという訳です。





古い立て看板。

この「信濃恋し遊歩道」の下を流れる天竜川は
下流にあるダムの運転により、川の水位が変動しますので
                      ください。


いや、この妙な「間」はなんだよ。妙に怖いな。(反転しても何も出ません)
まぁ多分、「充分に注意してください」とかなんだろうけど。
しかも、「ください。」だけ明らかに後から書き足したような感じだし。





看板の直ぐ近くにある、観光協会による名所紹介。





「信濃恋し物語」の説明。(画像クリックで拡大)
いかにもありがちな昔話ではありますね。
娘を奉公させに行く予定だったのに、「渦が起きて船が進めなかったから、行けませんでした。奉公させられません」という言い訳で納得させられたんでしょうかね?

ちなみに、看板の「”小石”投げれば、恋叶う。」というのは、「恋し」と掛けているんでしょうね、多分。





この辺り一帯の分かり易い地図。
改めてみると、この案内板の直ぐ裏から川へ降りられたのか。
全然気付かないで通り過ぎてしまった・・・。
次(があるか分からないけど)に来る時は、きちんと「信濃恋し」を見るとしよう。





案内板の近くにある、秘境らしからぬ雰囲気の飲食店。残念ながら準備中。





冬季休業中 3月1日開店

・・・今日は既に3月8日なのだけれど、見るからに今シーズンはまだ開いてなさそう。





秘境には似つかわしくない自動販売機。
もちろん、ちゃんと稼動しています。
この店の前の道路は綺麗に舗装されており、車でならそこそこ手軽に来れそうです。
(まぁ、それでもかなりの山奥ではありますが)





店の裏手から少し見えた、「信濃恋し」の天竜川。
もっと間近で体験しておけばよかったなぁ。





なお、近くにキャンプ場もあるとのこと。
列車の時間まではまだ余裕があるので、せっかくだから行ってみます。





こちらは天竜川にそそぐ「和知野川」。
天竜川よりも流れが速く、川の流れる音が常に聞こえてきます。
水深も浅く、川の色合いも薄いので、川底まで容易に見渡せます。





川辺の様子。
天竜川とはまた違った、良い川の様子を眺めることが出来ます。





キャンプ場に到達。
この辺は割りと最近整備されたらしく(それでも20年前とかですが)、清潔感のあるキャンプ施設でした。





道の反対側には、ログハウスまであります。
アウトドア好きの人には、たまらない場所でしょうね。





見たところ、ログハウスは4つ。
一番左は天龍(てんりゅう)、一番右は山百合(やまゆり)か。





熊伏(くまぶし)、
・・・そ、棕櫚? 読めない・・・。   ←ちなみに正解は(しゅろ





近くには、きちんと整備されたトイレもありました。
・・・ただ、トイレ直ぐ近くのマンホールは蓋が開いており、水がボコボコ音を立てていました。
・・・見なかったことにしよう。





キャンプ場からは、川辺へ降りられるようになっていました。





せっかくなので、和知野川を間近で眺めました。





川の本当に一歩手前まで近寄ったところ。
まさか、JR完乗の旅をやっていて、こんな近くで川を眺めることになるとは思わなんだ。





キャンプ場の前の広場全景。
私はアウトドアはあまり好きではないけど、こういうところでゆっくりと時間を過ごすというのは、心地よいだろうなぁ。

さて、駅をだいぶ離れて遠出してきましたが、列車の時間が近づいてきたので、今来た道を足早に引き返します。





もちろん、もう一度「天龍橋」を渡ります。





改めて見る、天竜橋。





上流方面を改めて俯瞰してみます。
人生で初めて訪れた「秘境」と呼べる駅からの光景、多分ずっと忘れないだろうなぁ。





吊り橋を渡り終え、駅へ向かう川沿いの遊歩道。
次は別の季節に、別の表情を見せる為栗駅に来たいなぁ。





ほどなくして到着した、豊橋方面へ戻る電車。
駅からは、私ともう一人の2名が乗り込みます。





ここはなぁ 宿泊と食事と温泉入浴が出来るんだに

もう、ええっちゅうねん。
ちなみに、ここはあと1回通ることになりますが、3回目は流石にスルーします。





再び眺める、中井侍駅からの景色。
良い景色は、何回見ても飽きることがないなぁ。

そして電車は、ついにあの有名な秘境駅に停車するのでありました・・・。


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