ビールも飲んでますます笑いが止まらない私は、昨日キャラバンパークに入って来た日本人男性が部屋の前のイスに座っている所に通りかかった。 どんな人だろうかと懸念されている日本人男性は、しゃべってくれないスキンヘッド氏と同じ部屋のようだ。「こんにちわ!」と挨拶すると、「ハロー!」という答えが返ってきた・・・ などという事はなく、普通に「こんにちわ」と返ってきたので一安心だ。そして、 アキ、アヤカちゃん、マチャアキさん、私に加え、その日本人男性も一緒に夕食を食べる輪に加わった。昨日までの懸念とは裏腹に、新しく入ってきた日本人男性は、広島弁を操るフレンドリーなタカシという人であった。 広島弁をしゃべる人に初めて出会ったので、「〜じゃけん」とか聞くのが面白かった。 オーストラリアで出会う日本人は、方言を隠し標準語で話す人が多い(関西人を除く)が、 方言を隠さずしゃべる人に出会うと新鮮だ。シドニーの日本食レストランで一緒に働いていた、博多弁の人もとても 印象深いったい。
なぜ方言を隠すのか?!と関西弁を通す私は疑問に思っていたが、後に仲良くなった人の話によると 「関西弁はテレビとかで市民権を得ているけど、市民権を得ていない方言を話すと、通じないし、笑われるのよ!」 という事であった。確かに、私も関西弁ではあるが、「滋賀県」という場所は近畿地方でありながら 大阪の人には「え?滋賀県って北陸地方やろ?」などと馬鹿にされており、関西弁ではあるが、滋賀訛りがあるらしく、大阪の人には 「え?何その表現!滋賀弁?」と、からかわれる部分も多々あるため、その気持ちが分かる気がした。
そして7月の日々が過ぎて行く。
アキとマチャアキさんとタカシは、ハードな仕事だと言われるズッキーニの収穫をしている。 取るのが遅い人は容赦なく首になると言われているズッキーニだが、3人ともデキル人たちなので、問題ないようだ。凄い。 そして、ズッキーニはスノーピーズが時給制なのとは違って、出来高制らしい。取った分だけ、金になる。
ズッキーニとは、キュウリの大きい版みたいな外見だが、カボチャの仲間で、カボチャのように地面になっているので 始終腰をかがめて収穫しなければいけない。考えただけでも腰痛になりそうな仕事だ。そのズッキーニ畑で疲れた自称28歳(?)のマチャアキさんは、 皆でご飯を食べ終わって、コーヒーを飲みながらしゃべっている途中に「もう寝る時間だ」と言って、いつも早々と布団に入るため、 「なんであんなにすぐに寝るの?年寄りみたいだ!」という話になり、いつの間にか「おじいちゃん」と呼ばれるようになり、 「本名何やったっけ?!」と忘れてしまうぐらい、「おじいちゃん」という名前が定着していく事となる。
私が以前チズたちとパンプキンディナーをした時のカボチャは、大きいものだったので、まだまだ余っているが、 どうやって料理していいのかも分からず、持て余しており、このまま腐らせてしまうかもしれないと思っていた所、 アキが味噌を持っているというので、料理の上手いアキが「かぼちゃ味噌汁」を作ってくれる事になった。 固くて大きいカボチャを切る事に苦労しながら、私はただ見守りながら味噌汁が出来あがって、皆で食べた。 久しぶりに食べる味噌汁、久しぶりの美味しい食べ物に皆で、それしか言えへんのか!?というぐらい「おいし〜!おいし〜!」と 繰り返しながら食べた。
皆と打ち解けていくにつれ、仕事が終わってご飯を食べてしゃべる時間が、相変わらず嫌な仕事とは裏腹に、楽しいものになっていき、 みんなが来る前までは毎日見ていた「シンプソンズ」や「ビックブラザー」は、最近めっきり見ないようになった。 そして、皆としゃべるの時間が楽しいからと言って、未だに見た事がなく楽しみにしていた「タイタニック」がテレビ放映される 時間を「英語分からなそうやし、いいや」と簡単に諦めるほどであった。ディカプリオ、残念!