このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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3. ラウンド計画
Childers AUGUST

いつものようにスノーピーズの仕事を終えてヘトヘトになり、キャラバンパークへ帰って来て1番にする事は、 部屋の前で靴と靴下を脱ぐことだ。赤土色に恐ろしく汚れた、臭そうな2点は部屋の前に転がる。 そして裸足でペタペタと進んで行く先は、シャワールーム。結構な数のシャワールームがある便利なキャラバンパークだが、 最近、スノーピーズ畑も、ズッキーニ畑も、トマト畑も、仕事を終える時間が同じなのか、 労働者数が増えたのか、シャワールームは、いつだって順番待ちだ。

シャワールームの前で立ちながら待つ気力もなく、部屋の前に広がる芝生まで戻る。 寝転んで、太陽の眩しさに手をかざし、目に飛び込んで来るものは、雲の姿ひとつ見えない 澄んだ青色をした空。ズッキーニ畑の仕事を終えたアキも、「シャワー混んでるねー!」と言って 芝生に寝転がりに来た。青すぎる空を見て「吸いこまれそう!」とアキが言った。

空しか見えない中、疲れた体、汚れた服、芝生の感触、すべてを忘れ、すべての精神が空の青さ だけに注がれ、そして本当に吸いこまれていくようだ。ここが、どこであるかも忘れ、 あるのは目の前にある空だけ。人の足音、我に返り、シャワールームに目を遣る。 シャワールームがあいた!アキと先を争い、一目散にシャワールームへ。

スーパーの前で
こんな当たり前のように繰り返される、キャラバンパークでの生活も、当たり前のように見える 大空や、広がる平原、緑や、牛も、チルダーズのスーパーで「ta!」とレジのお姉さんに言われる日々も、 シリソリーズという安い店で、12個入りのクッキーが$2.95という安さで買える日々も、時々でっかいスニッカーズが$1で買える日々も、 スノーピーズ収穫の仕事も、みんなと過ごす時間も、あとわずかで 終わりを迎えようとしている。

タカシは、お母さんがエアーズロックに旅行に来るらしく、 それに合わせて、出発地点でありゴール地点であるパースまで旅を進めていくため、12日の日曜日に、ここを出る。アヤカちゃんは、迫ってきたワーホリの期限に間に合うように、 シドニーまで旅を進めていくため、14日の火曜日に、ここを出る。私は、シドニーからケアンズまでの3ヶ月間限定のバスチケットの有効期限が近づく事と、9月4日から6日まで、ブルームで見れるという(年によって違います) 「月の階段」に間に合うように旅を進めて行きたい事から、13日の月曜日に、ここを出る事に決めた。

そういうわけで、もうすぐ3日連続で、ここを離れる人がいるのだ。宿泊料は1週間ごとに払うため、キリのいい所で出ようとすると、偶然にも3日連続になった出発の日。 あとしばらくはここで働くという、アキとユキコさんとコウイチも、出ていく私達も、寂しさに浸る暇もなく、お互いに持っている旅情報の交換をしはじめた。

ほぼラウンドを終え、あとはシドニーまでの、私がわずかにラウンドしてきた道を、旅するだけのアキは、「マウント・アイザ」と「テナントクリーク」という場所の情報を詳しく書いてくれた。 「マウントアイザ」では、ケンさんというお爺さんの「ブルーレイクツアー」、「テナントクリーク」では、ギャリ男(本名・ギャリー)による、「デビルスマーブルスツアー」という、 ワーホリの人々の間では有名なツアーがあるらしく、その情報を詳しく書いてくれた。楽しそうなので、絶対に行こうと思った。また、エアーズロックツアーのパンフレットももらった。各地のバッパー情報ももらった。

同じく、あとはシドニーまでの旅路を残すのみのアヤカちゃんからは、私の次の目的地であるケアンズのお勧めバッパー情報や、エアーズロックツアー、憧れのインディアンパシフィック号、タスマニアや、各地のバッパー情報などをもらった。 エアーズロックツアーは一番安いやつで行くと、外で寝るはめになるという話なので、アキの言うツアーで行こうと思った。

パースから、ナラボーを越え、反時計回りにここまで旅をしてきたタカシからは、各地の情報をもらったが、 中でも一押しは、パースの南東にある「エスペランス」という街であるらしく、「ラッキーベイ」というビーチは世界一と言ってもいいぐらい綺麗だという話だ。 そして、とにかく西オーストラリアの海は、最高らしい。シドニーから、ここまでわずかにラウンドをして私が見てきた海とは比べ物にならないらしい。 ほんまかよ!?とも思うけど、そういう気持ちで行ってみたいと思った。

まだ、ほとんどラウンドをしていない私とコウイチとユキコさんは、みんなの情報に聞き入り、「地球の歩き方」にメモし、もうすぐ現実になる旅に備えた。

みんなとここで出会うまでは、「もう、オーストラリアの旅はいい。海も見飽きた。このままアジアへ行こうかな。」と考えていた私であるが、 みんなから、楽しそうな旅の話の端々を聞く日々の中で、忘れかけていた「オーストラリア1周してやる!」という気持ちを思い出し、 みんなが見て来たものを、私も自分の目で見て、旅していきたいという気持ちが芽生えたのであった。

しかし、この前もらった2週間分の給料で、銀行残高が4000ドルを越えると思い、ニヤついていたものの、実は 予想よりも給料が少なく、残高は3800ドルに留まり、この残高でシドニーまで1周の旅ができるかは不安を残すばかりである。 まあ、最後の1週間分の給料も入るし、あと少しは残高が増えるだろうけど・・・。これだけ残高があるにも関わらず、不安を 拭えないのは、なぜだろう。

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