このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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4. ラッキー
Childers AUGUST

あとわずかで、スノーピーズを収穫する日々が終わろうとしていようが、やはり仕事は同じように辛いものである事に変わりはなく、 今日も度々腕時計を見ながら、「まだ11時か・・・」とため息をつきながら、ひたすらスノーピーズを採ってはバケツへ入れる繰り返しだ。 今日も、やっと3時45分になり、仕事が終わった。キャラバンパークからの迎えの車は、仕事終了後すぐに来ることもあれば、随分待たされる事もあり、 今日は、どうやら待つ事になりそうだ。 仕事でヘトヘトのクタクタのボロボロになった私達は、立って待つことなどできるはずもない。すっかり赤土色に染まった服に身を包んだ労働者達は、 Lynさんの家の前に広がる、赤土の地面に、臆する事なく腰を下ろし、ある者は寝転がり、バスを待つ。

バスを運転するのは、 訛りの強いオージーイングリッシュを話す、オージーだぜ!という感じのおっさんか、いつも緑色の帽子を被った、人のよさそうなおっさんか、 キャラバンパークのオーナー、バリーか、という感じで、日によって違う。私達、スノーピーズは、それほど人数が多くないため、全員バスの座席に座る事ができるが、 ズッキーニは、人が多いため、座れない人も出るらしい。ズッキーニは特に辛い仕事なのに、帰りのバスで座れない事になったら、それはもう悲惨で、泣きたくなりそうだ。

帰りにスーパーに寄りたい人は、運転するおっさんに「スーパーで下ろして!」と言えば、少し回り道して、スーパーで下ろしてくれる。 緑色の帽子のおっさんは、言い易い雰囲気を醸し出しているが、他のおっさんは多少怖そうなので、小心者の私としては言いにくい。 でも、大抵誰かが「スーパーで下ろして!」と言ってくれるので、それに便乗して下りる私である。そして、今日も「誰か言ってくれへんかなー」と思っていたが、 結局誰も言わず、すんなりキャラバンパークへ到着してしまった。

しかし、キャラバンパークへ戻ると、マイカーを所持するタカシがスーパーへ行くらしく、アキとアヤカちゃんと私も一緒に乗せて行ってもらう事になった。 ラッキーである。ユキコさんとコウイチは、まだ仕事から帰っていなかった。

スーパーへ行くと、ズッキーニ畑でタカシやアキと一緒に働いている、韓国人のホーさんという人に出会った。ホーさんは、サツキちゃんと 同じくフェデラルホテルに泊まっているらしい。「そういえば、フェデラルホテルには体重計があるから測りにおいでよ!とサツキちゃんが言ってたなー」と 思い出し、みんなでスーパーの向かいにあるフェデラルホテルへ行く事になった。 サツキちゃんに案内してもらい、体重を測った所、シドニーにいた頃と変わっていなかった。ピッキングダイエットは失敗に終わったようだ。 アキとアヤカちゃんも、減ったり増えたりしていて、3人でギャーギャーピーチクパーチク言いながら体重測定は終わったのである。

フェデラルホテル内部を案内してもらっていると、夕食の時間になったらしく、ホーさんが夕食をご馳走してくれると言い出した。 私とアヤカちゃんは、ホーさんとは初対面なのに、いいのか!?と思いながらも、遠慮していても仕方がないので、喜んでご馳走になる事にした。 しかも、今夜のメニューはカレーライス!しかも、肉付き!ラッキーである。「おいしい、おいしい」と言いながら、カレーを頂いた。 その上、ホーさんお手製のキムチも頂いた。

サツキちゃんは、明後日ここを出るらしいが、私と旅する方向が同じなので、きっとまたどこかで出会えるだろう。 そしてホーさんには、幾度となくお礼を言い、フェデラルホテルを後にする私達であった。 タカシの車に乗り、「ユキコさんとコウイチは、私達がどこへ行ってるか不思議がっているやろうな」と、皆で話ながら キャラバンパークへ帰ると、「てっきりバンダバーグへでも行ってるのかと思ったよ」と2人は言った。 そんな2人には、フェデラルホテルで肉付きカレーライスをご馳走になった事を、きちんと自慢しておいた。

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