このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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5. 最後のシェア飯
Childers AUGUST

今日は、金曜日。
恒例となったシェア飯の日も、今日が最後だ。 スノーピーズ畑の仕事は、いつもより少し早く終わった。畑から、キャラバンパークへ帰る途中、 スーパーの前でアヤカちゃんと共にバスを下り、最後のシェア飯「肉じゃが」のための 買い物をする。月曜にここを出る私は、買い物自体も今日が最後だ。

肉屋へ行くと、近所のおばちゃんに、「今日は暑かったでしょー!」と 話かけられ、「めっちゃ暑かったですわー。(very hot!)」と、しゃべる。 2ヵ月半も滞在していれば、すっかり街に溶け込んで、近所のおばちゃんともフレンドリーにしゃべれる関係の私。 というわけではなく、おばちゃんとは初対面であり、万国共通おばちゃんはフレンドリーなだけであり、英語力不足の私は、それ以上に会話も進まないのであった。 しかし、仕事帰りの汚い格好をした労働者に対して、ご近所さんのように気軽に話しかけてくれるこの街は、やはり素敵な田舎町だ。

肉屋を出て、スーパーで買い物をしていると、ヘレンの姿が見えた。 ヘレンは、チズが去って、しばらくしてからスノーピーズ畑に仲間入りした、可憐な感じの韓国人女性だ。 偶然にも、ユキコさんとヘレンは、ブリスベンで学校が一緒であったらしく、思わぬ再会を果たしていた。 「あなた達が、ここを出て行く前に、ビビンバをご馳走するわ」というヘレンの素晴らしい一声により、 明日の夕食は、ビビンバであり、ヘレンはその買い物をしていたのであった。

早々と買い物を終えた私たちは、そんなヘレンを、肉屋の前のイスに座って待つ。 最後だと言うことで、スーパーの前で写真を撮ったりしながら。

そしてヘレンの買い込んだ、大きな荷物を手分けして持ち、キャラバンパークへと歩いて帰る。 いつもスーパーで買い物をして、重い重いスーパーの袋を持って歩いたこの道も、今日が最後。 重い荷物をかかえて歩く姿に同情したのか、ラッキーな事に、2度ほど、見知らぬ人が車に乗せてくれた事があった、この道。 1度目は、チズと一緒に帰る途中に、赤ちゃんを連れた女の人が乗せてくれ、 2度目は、一人で帰る途中に、近くの車屋で働いているというおっさんが乗せてくれた。 しかし、今日はそんな事もなく、歩いてキャラバンパークに到着。

シャワーを浴び終え、タバコを吸っているとズッキーニ畑のみんなが帰って来た。 日曜に、ここを出るタカシは、今日がズッキーニの仕事の最終日。1ヵ月半に渡るズッキーニ漬けの日々を 終え、すがすがしい様子でタバコを吹かす。そこへ、コウイチが帰ってきた。 トマト工場での仕事を早く終えたコウイチは、キャラバンパークにある小さいプールで泳いでいたらしい。 「あほやー」とみんなで笑ったが、それほどに今日は暑い一日であった。

肉じゃがを作るのがめんどくさく、ダラダラしていたが、重い腰を上げ、明日のスノーピーズ最終日の 最後のランチを作るために動き出す。

最近キャラバンパークには日本人が結構入ってきた。1週間ほど前に、スノーピーズ畑にも 日本人男性が入ってきたが、4日で仕事を辞め、キャラバンパークを後にした。 他には、カップルかと思ったがカップルではないという、二人も入ってきて、 ズッキーニ畑で働いているが、男の人の方は、外人には愛想よく「ハロー」と挨拶するが、日本人に 対しては愛想が無いらしい。古株となった私たちは、そんなつもりは無くても傍から見れば、日本人だけで固まって 騒いでいる、近寄りにくい存在なのかもしれない。私が、バイロンベイのバッパーで見た、日本人軍団のように。 いや、あれほどに酷くはない。もっとフレンドリーな近寄り易い仲間たちだ。自画自賛。

今日は、最近ズッキーニ畑に入ってきたセイコちゃんも一緒に肉じゃがを作る事になった。 セイコちゃんは福岡出身で、長崎の大学へ行っていたらしく、それぞれの地元話をしながら 料理を作り、最後だからと何枚も写真を撮った。 料理上手なアキが「すいとん」も作ろうと言い、今日のメニューは肉じゃが、かぼちゃ、すいとん、と、品揃え豊富だ。

豊富な品揃え!
料理が出来上がり、タカシがラウンドのために購入したカスクワインがみんなに振舞われ、 みんなが揃う最後のシェア飯を、「おいしいおいしい」と相変わらず声を揃えて、貪り食う。 タカシは、いつものように特盛ご飯であり、コウイチも、かなりの量のご飯であるが、 なぜか二人は細く、羨ましい限りである。

金曜の、最後のシェア飯は、肉代のみで1人たったの25セント。安い!!

後片付けも終え、いつものように、明日の仕事予定の紙をチェックしに、今日で仕事を終えたタカシを除いたみんなで、レセプションへ向かう。 私は、明日で仕事を終えるので、これが最後のチェックだ。みんなで、レセプションへと続くこの夜の道を歩く事は、もう無いと 思うと、寂しい。チェックを終え、歯磨きを終え、「明日も仕事かー」と思いながら、芝生にあるタイヤに座り、南十字星を見ながら一人でふかす、寝る前の タバコも、これが最後。

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