このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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6. スノーピーズ最終日
Childers AUGUST

11日、土曜日。今日で、私のスノーピーズピッキングは終わる。
気がつけば、2ヵ月半の間の休みは、たった4日間。それ以外の毎日通った、Lynさんの農場。 そして今日も、いつものように6時45分にバスはキャラバンパークを出発し、Lynさんの農場へ向かう。 果てなく続くサトウキビ畑を両脇に、暴走するバスに乗るのも、最後。サトウキビ畑と、朝もや、空、道、それしか見えない、この朝の世界も、今日で見納め。

Lynさんの農場に着き、車の荷台に乗り込み、スノーピーズ畑へ向かい、仕事がはじまる。 最後かと思うと寂しい気持ちでいっぱいであったが、やはり「まだ10時40分かー!早くランチの時間になれー!」と何度も時計を見ながら ピッキングは続く。

疲れた労働者たちをバックに

そして、Lynさんの「Lunch!」の声で、ラストランチの時間がやって来た。 昨夜作った、トマトやチーズのはさまったサンドイッチを2枚貪り食うと、アヤカちゃんと写真の撮りあいをした。 他の労働者たちは、ランチを食べ終えると、寝転んだり、ぼけーっとしたり、トイレへ行ったりして、午前中の仕事の疲れを思い思いに癒している。

Lynさんの農場は、ラッキーな事に、ほとんどの畑の近くに簡易トイレが設置されているため、トイレに苦労することはない。 少しトイレが遠い場所にある場合は、近くのサトウキビ畑の茂みにもぐり込んで用を足したが、そういう事態に陥る事は少なかった。 しかし、ズッキーニ畑で働く人々は、トイレなどなく、トイレは全てサトウキビ畑だったそうだ。ブッシュ、万歳。

30分のランチタイムも終わり、3時45分までの午後の部がはじまる。 午前中と変わらず、時間の流れは遅いが、これで最後だという事を噛み締めながら、 ピッキングしてきた日々を思い出しながら、スノーピーズを採っていると、知らぬ間に 涙が頬を伝った・・・。というのは嘘で、口元には笑みが浮かぶ。

荷台に乗り込む労働者たち

3時45分。
Lynさんの、「Finish!」という声。
終わり。
私の、2ヵ月半に及ぶスノーピーズ生活が終了。
スノーピーズを入れるバケツを車に積み込み、労働者たちは荷台に乗り込み、 Lynさんの農場の玄関口へ向かう。

Lynさんに「一緒に写真を撮って下さい」と言い、アヤカちゃんにシャッターを押してもらう。 Lynさんは、「長い間、ありがとう。#”KX○☆?=〜!*・・・」と、いつもの優しい笑みを 湛えながら言ったが、「長い間、ありがとう」の後に続く言葉は、涙を堪えることに必死で 聞き逃してしまったわけではなく、ただ単に、私の英語力不足のため聞き取れなかっただけである。 とりあえず、「Thank you」と言っておいた。

キャラバンパークからの迎えのバスがきて、Lynさんの農場との別れが来た。 私は、これが最後で、きっとここで働くことも、Lynさんに会うことも、一生涯無いだろう。 ここへは入れ替わり立ち代り、私のような季節労働者たちが来ては去り、そしてLynさんは ずっとこの地で、トマトやスノーピーズの農場を営んでいくのだろう。 幾人もの、様々な国から来る労働者たち。その全てを、Lynさんは覚えていられるはずもないが、 私は、一生涯忘れない。誰に対しても、優しい微笑みを湛えるLynさんの下で働けた事を。 そして、農場の仕事の厳しさも。

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