このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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旅日記・インドのはなし2


*カルカッタ*
 はじめての海外ではじめて歩いた街、カルカッタ。
そこは今まで日本しか知らなかった私にとって衝撃的なものばかりの場所だった。テレビで見る海外なら 知っていたが実際に自分で歩くのとはまた違う。2日目の午前中、自由時間があり、この街を 歩くことにした。午前9時半ごろからマーケットが開くと言うので行くことにした。 危ないので一人での行動は禁止された。私ははじめての海外でびびっていたので10人ぐらいの 団体に混じって行った。

 ホテルを出るとインド人が英語で話しかけてくる。事前に「話かけられたり、お金をくれと 言われても相手にしないように。一人にお金をあげてしまうと、他の人もくれ!くれ!と なるから絶対あげないように。」とガイドさんや先生が言っていたので、それを素直に受け、 無視した。この旅ではずっとその教えを守った。それが良いのか悪いのか分からないが・・・。

 マーケットへ向かって歩き出したが、歩道とか車道の区別が無いため、後ろから車やリキシャ (自転車の後ろの座席に客を乗せて走る乗り物)が容赦なく来るため、何度もひかれそうになった。 ビクビク、キョロキョロしながら歩く私に一人の少年が話しかけて来る。ボロボロの服を 着た少年だ。カルカッタには、インドにはそんな少年がいっぱいいた。はじめは無視していたが、 ずっとついて来るのでしゃべってみると、名前はマイクだかマイケルだと言う。 インドにもそんな名前があるのだろうか。「カルカッタははじめてなの?」と聞かれて 「うん」と答えると、カルカッタについて説明してくれたようだが、英語が聞きとれず、 分からなかった。私は、一緒に行っている人達からはぐれないように歩くのに必死だった。 他の人達にも、私について来た少年のようにインド人がついて来ている。少年ばかりでなく、 おっさんや、青年もいた。私達は頼んでもいないのにそのインド人達にガイドされてる ようだった。マーケットをどこをどう行くのか、インド人のおっさん同志で相談しているでは ないか。なんと親切なのか、おせっかいなのか。お金をせびられるのか?

 マーケットにはいろいろなものが並んでいた。前を通ると声がかかる。「おねえさん」 「ありがとう」と日本語が飛び交う。さすが観光地。日本語をよく知っている。 食べ物を売っている所を通った。生の肉が、血をしたたらせながら吊るして売っていた。 いろんな物があったが、ビクビクキョロキョロしていたため、ゆっくり見る余裕はなかった。 これを見た!という記憶がないが、とにかく凄かった。写真を撮る余裕さえも無かった。 はじめて見た外国の、インドの、カルカッタの街に、ただ圧倒されるばかりだった。

 少年は最後まで私にいろいろ説明しながらついて来た。英語はあまり 理解できなかったし何をしゃべったかもあまり覚えていないが、ひとつ忘れられない 事がある。歩いている時に、私の腕に少年の腕が触れた。すると少年は「Oh,sorry」と申し訳なさそうに言った。まるで 汚い自分の腕が触れてごめんなさい。と言っているかのような目だった。 私はなぜか悲しくなった。なぜそんな申し訳無い目をするのか、以前に観光客に 「汚い」とでも言われたのだろうか?私は「そんなんいいで。何言ってるんよ〜」と言いたかったが 英語でどう表現すればいいのか分からなかったので何も言えなかった。
ホテルに近づくにつれて、少年は家族の話をはじめた。少年には兄弟がいるという。 お姉さんか妹さんが死んだと言っていた。そして、ついに来た。やっぱり来た。 こんな感じの良い少年でもやはり目的はそれなのだ。「兄弟のミルク代がいるから5ルピーくれ」 と言ってきた。「ノーマネーノーマネーソーリー」と発音の悪い英語を何度も繰り返した。 少年の悲しそうな目。1ルピーが約3円。たったの15円あげればこの少年の生活は 潤うのかもしれない。でも私はついにお金をあげずにホテルの入り口に向かった。 他の人達もお金をくれと言われているようだった。

 ホテルに入って行こうとしたら近くにいた大人のインド人が何か言った。 もちろん何語かも分からない言葉だったので聞きとることはできなかったが、 「こんな豪華なホテルに泊まってるくせに、あんな貧しい子に一銭もあげないとは 何て日本人だ!」と言ってるように聞こえた。

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