バスは前から2番目の通路側の席で、前方がよく見える。暗い道、バスが急停車し、何かと思えば 牛が「もぉ〜」と言いながら、ノソノソと道を横切っておられる途中で、野生的で雄大な大陸の様子に驚きながら、バスは クイーンズランド州最後の休憩場所へ到着した。そこは軽い食事ができたり、みやげ物の売っているロードハウスで、 夕食をバッパーで済ませてきた私は、買うつもりもない、みやげ物をフラフラ見る。 |
Mt.Isaバッチ。4ドル50セント。 |
「これでクイーンズランド州も終わりか〜」と、クイーンズランドの様々な街を思い浮かべる。旅で立ち寄った、いくつもの街、チルダーズの街、 そしてさっきまでいた工場の光が綺麗なマウントアイザ。 感慨深くなったため、「何か記念を!そうだ、このバッチでも買おう!」と、「Mt.Isa」バッチを購入。 みやげにもらっても、決して嬉しくないような代物であるが、自分のために買ったのだから、いいではないか。 さっそくカバンにつける。ダサイって?いいではないか。旅人らしいではないか。
日付が変わろうかという頃、バスはいよいよ、トップエンドとも呼ばれるノーザンテリトリー州に入った。 クイーンズランド州とノーザンテリトリー州では30分の時差があるので、時計を30分戻す。 なんか、旅らしくなってきた。
夜中2時頃、テナントクリークで乗り換え。ここで降りる人も、乗って来る人もいるが、 ほとんどの人がこのまま乗り換える。こんな真夜中に、なんでそんなめんどくさいことすんねん!眠いわ!と思いながら、 外へ出て、乗り換える。内陸部に入ると、バスにもアボリジニーの人々の姿が目立つ。 ここまでは、隣の席に人がおらず、2席使って横になれて快適であったが、ここから隣に人が乗ってきたため、辛かった。 辛いまま、バスは走り続け、午前9時20分、アリススプリングスに到着。
長いバスの旅を終え、熟睡することもできずフラフラとバスを降りると、 様々なバッパーのピックアップバスが来ている。ピックアップバスの呼び込みをしていた日本人の人に、 「ここからは、どこのバッパーへ行くにも遠いから、ピックアップバスに乗らなあかんで」と教えてもらい、 しばらくこの辺りで休憩でもしようかと思っていた私は、慌ててアキが泊まったというバッパーのピックアップバスに乗った。