次の日、ダーウィンへ行くバスは午後3時出発。バッパーをチェックアウトした後も、バスの時間まではバッパーでくつろぐことにした。マサヨと、お互いの持っている旅情報を交換し、地球の歩き方に書き込んだ。マサヨは、メルボルンからオーストラリアに入り、 アデレードへ移動し、アデレードからアリスまでザ・ガンという電車で来て、今後は、私が今まで辿って来た マウントアイザ、ケアンズ、そしてブリスベンなどの方向へ下り、メルボルンへ戻るつもりらしい。 私は10月末ぐらいにはメルボルンに到着する予定なので、10月末に一緒にタスマニアへ行こうという話が盛り上がった。 最後までアホな話を繰り返し、笑って、 また10月末にタスマニアで会いましょうと言って、サヨナラ。 バッパーからバスターミナルへ行くバスに乗り込んだ。
バスターミナルのイスに腰掛けて、バスが来るのを待つ。3時前になり、前方に「Mt.Isa」と書かれたバスが来たが、 「私の行き先は、ダーウィンやし、このバスじゃないな」と、バスを乗り降りする人々を眺め、バスが行くのを見送った。 3時15分になっても、ダーウィン行きのバスが来ない。バスが遅れることは、よくあることだけど不審に思って チケットカウンターの人に聞いてみると、「バスは、もう行ったわよ」と言うことであった。 さっきの「Mt.Isa」と書かれたバスだったようだ。見送ってしまったわ!そういえばMt.Isaからここへ来る時に、テナントクリークで乗り換えたけど、 あそこでダーウィン行きに乗り換える仕組みになっているのか!もっと早く気付けばよかった。っていうか、 ややこしい表示を出すなよ!!
「えー!なんやそれ!!」 と、驚きと怒りを入り交えて言うと、カウンターの人は「夜9時のバスがあるから、それに乗れ」と言い、「また電話して予約しなあかんの?」 と聞くと、「しゃーないなー」という感じでパソコンを叩き、 「こいつ、ちゃんと書いといたらな分からんやろう」とでも思われたのか、バスチケットに「9:00pm depart」と書いて渡された。
大きい荷物を預かってもらい、「なんやそれ!!」と、独り言を連発しながら、とりあえず街へ行く。 バスに乗り遅れたショックを癒すために、タバコでも吸おうとベンチに座る。 タバコを作っていると、アボリジニの人が歩み寄って来て、「タバコくれ」みたいなことを言う。 早く立ち去って欲しいので、あっさりタバコを渡すと、立ち去らずに隣に座ってきた。何か言っているけど、聞き取れず、 「え?え??」と繰り返す。「Are you single?」と聞かれ、「ノー!!ノーー!!」と声を大にして嘘をつくと、 「I'm single」と言う、アボリジニのおっさん。「へぇー」と素で日本語で返すと、また何か言っているけど聞き取れない。 するとおっさんは「ジーザスクライスト!!」とかワケが分からないことを言い出した。「へ?」と、びびりながら返すと、「キスミー!」と、おっさんは 言い放った。あっけに取られ、固まり、「Eメールチェックしに行かなあかんし!」と、逃げた。 ウルルに対して誇りを持った発言をしているアボリジニの人の文章を読んで感動したが、街でたむろっている人々には 誇りがないのか?と失望。
アボリジニに絡まれることを恐れ、ネットカフェの前でタバコを吸う。ホッとして、やっと一服していると、 タウンズビルのバッパーで同じ部屋だった、姉さんという感じの人が通りかかる。話してみると、明日から エアーズロックツアーに行くらしい。懐中電灯が必需品だと伝え、別れる。メールをチェックし、トイレを探し求めて ウールワースへ行くと、トイレ使用料として50セント取られて、びっくり。 コールスのトイレは、2ドルと引き換えにトイレの鍵を渡され、鍵を返すときに2ドルを返してもらえるという仕組みだった。 オーストラリアの他の街では、こんなことはなかった。謎だ。
夕方6時頃から暗くなってきたので、バスのチケットカウンターのある屋内のイスに座ってハガキを書いたりしつつ、 夜9時のバスを待つ。外に出てタバコを吸っていると、アボリジニの子供たちの群れがギャーギャー騒いでいて怖かった。 無事9時のバスに乗り込み、やっとの思いでサヨナラだ、アリス!