ケーキ屋をあとにした私たちは、夜ごはんもシンチョンで食べようと、 何かいい店はないか探し歩くことにした。「地球の歩き方」の シンチョンの地図に焼肉屋が書いてあったので、それを探したが見つからない。うろうろしていたら、焼肉屋らしき店があり、外にあるメニューを見ていたら 店のおばちゃんが出てきて、韓国語でペラペラしゃべり出した。全く分からないが、 笑顔でしゃべるおばちゃん。「マシッソヨ」とおばちゃんが言ったので、 とにかくカルビが美味しいらしい。ご存知のように、私達食いしん坊2人組は、 ついさっきケーキを平らげたばかりである。今はお腹が空いてないので 「あとで来る」とおばちゃんに伝えたかったが、韓国語でどう言えばいいのか分からず 英語も通じず、とにかくヘラヘラと笑いながら私達はその場を去った。少し、怪しかったかも しれない。
お腹を空かすために、シンチョンの町をブラブラするが、足も疲れる。疲れ易い体力の無い私たちは 道端の椅子に座って、また通り行く人達を眺めながら時間を潰した。
夜の7時前になり、 少しお腹も空いたので、さっきの焼肉屋に行くとおばちゃんがすごい喜んでくれた。 相変わらずおばちゃんは、笑顔でペラペラとよくしゃべってくれるが、全く理解できない。 おばちゃんが私達に何か質問しているようだが理解できず困っていると、近くの席でご飯を食べて いるおっさんが、ご飯を持って、「コレいるか?」という身振りをしたので、「うん」と 首を振ると、おばちゃんがご飯を持って来てくれた。
おっさんが「Japanese?」と聞くので「Yes!」と言うと、おばちゃんに説明していた。 おばちゃんは、なるほど〜という顔をする。今まで気付かんかったのかよ! あまり日本人客の来ない店のようだ。でも外のメニューには日本語での説明も書いてたのに・・・。 おっさんは帰る時に「Japan」と言って、親指を立てて「Good!」というようなサインをして 帰っていった。気持ちの良いおっさんだ。
カルビ2人前を注文すると、おばちゃんと店員の男の人が付きっきりで焼いたり、皿に取り分けてくれた。 「焼き方も分からんと思われてるんかな?それともサービス?なんか悪いなー。」とナカちゃんと小声で言いながら、おいしく頂いた。 カルビ2人前を注文しただけなのに、キムチのほかにも味噌汁のようなものや、つけもの、ソーセージ、ポテト、サラダなども 出てきてお腹いっぱい。
いくらおいしい料理を出す店でも、店の雰囲気や店員の態度や他の客の雰囲気が悪かったら、おいしいと感じないだろう。 この店は、店の雰囲気、店員の態度、他のお客さんも良かったので、おいしいカルビがさらにおいしく感じた。 おせっかいすぎる優しさを持っている人達に会えた事が嬉しくて、おばちゃんと一緒に写真を撮ってもらい、店を出た。
帰りの電車の切符を買おうと窓口で並んでいると、横から割り込みして来た人がいた。「なんやねん!!」と 思っていると窓口の人が割り込んだ人に対して、「お前は割り込みしただろ、後ろの人の方が先だ」みたいな事を言った ため、先に買わせてもらえた。やさしい。韓国は、優しい。