このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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仕事-1-


 1月に入り、ボロ屋敷を生活基盤として暮らしていくことになった。貯金のやばさに気付いた年末から決めていたとおり、仕事探しにとりかかった。 日本語情報誌、日本語情報センターの掲示板にある求人を見たり、友達から情報を仕入れたり。とりあえず今は午前中、学校に通っているため、フルタイムでは働けないので ワーホリのバイトの大道、日本食レストラン(ジャパレス)のバイトを探していくことにした。友達に、どこの店は厳しいとか、どこの店は時給がいいとかいう情報をもらいながら探す。

とある居酒屋のバイトが、時給はまあまあだが、働ける時間が長い、稼げるということで、偵察がてら友達と飲みに行くことになった。寿司職人っぽい人とかいて、高級っぽくて、 私には無理だと思った。酔っ払いとかいたら大変そうだ。そして偵察することよりも飲むことに目的を変更した。友達と3人で飲みに行ったのだが、そのうちの一人の知り合いが近くの席で飲んでいて、「すき焼き食べ切れないから一緒に食べる?」というので合流した。 年上、初対面の人達に向かって酔った私はなれなれしく、タメ口でしゃべった、しゃべりまくった。途中から相手が怒り気味だということに気付いた。すごいやばかった。「うわー、どうしよう、やばい、やりすぎた」 そう思っても、どうにもならない。かなり飲んだ私は、一人で店を出て、外から友達に電話して「なんか怒ってはったなーごめんなー。すごい悪いことしたし私もう帰るわ。一人で帰るわ」と言って切った。 友達は慌てていた。でも酔っぱらいの私はおかまいなしだ。一人でバスに乗り、情けなくて泣いた。あほや。電車に乗り、CITYまで行き、朝7時頃までネットカフェで過ごした。 酔った自分の行動は、本当に理解できない。もう、お酒はやめようと思った。次の日、友達に電話をして謝った。皆優しかった。大人らしく行動しようと思った。

友達の情報を頼りに、様々なジャパレスをこっそり偵察に行ったり、面接を受けたけど断ったり、そういうことを繰り返す日々が続く。 時給がそこそこでも、働く時間が少ないところでは生活していけない。学校の休み時間にバイトが無いー!と話してると、友達の友達が「私のやってるところ、けっこういいよー。私もう辞めるから 多分募集すると思うから電話してあげよっか?」という話になり、トントン拍子にバイトが決まった。場所はキングスクロス。年末のバッパー生活を過ごした、あの街だ。 我が家からは電車を乗り継いで行くと1時間近くかかってしまうが、学校もCITYにあるし、学校帰りに行くから問題なしだ。

そして1月22日から、私はジャパレスで働きはじめた。開店は5時半。今日は3時半からバイトに入っている。3時半から入る場合は、野菜などを切る仕込みをしなければいけない。 おかみさんやバイトの人に教えてもらいながら、玉ねぎを切ったり、にんじんを切ったりしようとした。しかし、料理をしたことのない私が包丁を持つ姿は、とても危険だ。 何もかもが、うまくいかない。皮むき機の使い方も、おぼつかない。だいこんおろしの摺り方も、おかしい。すごい劣等生だ。でも、まだ始めたばかり。慣れたら上手になるさ、そう自分に言い聞かせた。

開店前に賄いを戴ける。メニューも自分で選べて、おいしくて、最高だ。そして開店。ウエイトレス初体験で、緊張だ。この店は、日本人の客よりもオージーの客が大勢来るらしい。 しかも場所はキングスクロス。様々なお客さんが来る。ゲイのカップルの多さには度肝を抜かれた。オーダーを取りに行く際の英語などをバイトの人に教えてもらったが、オーダーを取りに行くのは勇気がいる。 はじめは、先輩の姿を見るだけでオーダーを取りに行くことから逃げた。しかし、そうも言っていられない。おどおどオーダーを取りに行く。すんなり、これとこれって言われる時はいいのだが、質問されると冷や汗をかく。 何を聞いているのか理解できないんだから、答えられるはずもない。え?え?そして他のバイトの人に助けを求める。

土日など混む日は、めまぐるしい忙しさだ。ウエイトレスって、結構大変だ。テキパキ要領よく動かなければいけない。仕事もまだ覚えていない、要領も悪い私は足手まといとなった。 電話でオーダーが入ることがあるのだが、絶対に逃げることにした。ただでさえ聞き取れないのに、電話で聞き取れるはずがない。 不運に電話の一番近くにいて、どうしても取らなければいけない状況に陥った時、一応取るが、何を言ってるか分からないので「Just moment,please」それだけ言って、「すみませーん、おかみさーん電話です」と 助けを呼ぶ。逃げる。最低なバイトだ。

バイト先のあるキンクロの駅。

忙しい時は、めまぐるしく時間がすぐに過ぎるけど、暇な時は辛い。扇風機しかないので、暑い。そして私の仕事場での人見知りは、すごい。しゃべらない。 そんな私に気をつかって、おかみさんがしゃべってくる。私は日本にいる時から親とはほとんど口をきかず、電話がかかってきても「うるさい!」と言って切っているという話をした。 反抗期の少年のようなレベルだ。「やっぱり思ってることは言わないと伝わらないよ。例え親子同志でもきつく言ってしまうこともあるけど、やっぱりあなたの事を心配してるとか好きってことを 時々は言わないとね。電話をすぐ切るのは駄目だよ。素直にならなきゃー。少しずつでいいから、先は長いんだから。」と、おかみさんは言った。すごい納得した。 なんか、いい心を持ってる人だと尊敬した。だから、そうしようと素直に思えた。親からの電話に、普通に対応していくことにした。

そういうわけで、おかみさんは尊敬すべき人だし、バイトの人達もいい人達だったけど、問題は私だ。仕事が覚えられない。仕事が遅い。にんじん切れない。英語が聞き取れない。 馴染まない。自分の仕事のできなさに、やる気もなくなる。

ボロ屋敷で、バイトの話をしていたら、ジーザス!のハワードが「どうしてキンクロなんかで働いてるんだ!遠いじゃないか!危ないじゃないか! しかも、なんだその時給の低さは!そんなところは辞めろ!chatswood(ボロ屋敷の近く)にもジャパレスはいっぱいあるじゃないか!ジャパレスは脱税してるから時給が低いんだよ! ジャパレスなんか辞めろ!他にもいろいろバイトはあるじゃないか!」と激怒した。フィリピン女性、マリアも「キンクロは危ないわよ!もっと近くで働きなさい!」と言った。 だが私は「英語もできひんし、バイト先の人いい人やし、続けることにするわ」と返した。「ジーザス!」

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