このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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シドニーさらば-1-


5月21日にラウンドに出ると決めるまでには、いろいろな思いが頭を巡った。

今まで、「ラウンドがしたい」「シドニーを出たい」と思って働いてお金を貯めてきて、ホームページの バイトの契約の終わる頃にシドニーを出発できたらいいと思ってきた。 しかし貯金額は1500ドル程しかなく、どう考えてもこのお金で1周なんて無理だから、どこかで また仕事をしなければいけない。でも仕事はあるのか?そして根性無しの私に仕事が続くのか? 今、出発しなくてもいいのではないか?もう少しお金が貯まるまでシドニーで働き続けるべきではないのか? でも、シドニーは寒くなってきたのに冬服は持ってないし、友達は次々に帰国したりラウンドに出て寂しくなるし、 この凝縮されたシドニーの日本社会にこれ以上居続けるのは嫌だ。

ホームページのバイトの契約は5月18日で切れるが、私の前任の人と同様、契約する会社を書類上だけで 変えて、新たに3ヶ月契約を更新し、働いてくれないだろうかと言われていた。 また新しい人を探してイチから仕事を教える手間を省くためだろうけど、 自分のやっている仕事に自信を持てなかったので、前任の人と同じように新たに3ヶ月働いてくれと言われた事は嬉しかった。 でも、これからまた3ヶ月この生活を続けていたらラウンドする期間が3ヶ月になってしまう。 いや、お金に余裕のないままシドニーを出て、仕事を見つけることができずにお金が尽きて ラウンドができなくなるよりシドニーで働いていた方がいいのかもしれない。 ああ、でもあと3ヶ月シドニーでこの生活を続けるのは厳しいものがあるなー。寒いし。でもなー。 お金がないからな。他で仕事見つかるかなー。仕事が続くかなー。でもシドニーは嫌やなー。何しろ寒い。

考え方は巡り巡って、また同じ所に辿り着き、決断を鈍らせる。

遊歩道から見る海。

イースターホリデーの時に、私は以前からシェアハウスの住人ヨウコさんや レイカちゃんからいい場所だと聞いていた、ボンダイビーチからブロンテビーチへ続く海沿いの遊歩道を 歩こうと思い、一人ボンダイビーチへ向かった。

海沿いの遊歩道には犬の散歩をする人や ジョギングをする人、ただ散歩をする人がたくさんいた。海を見れば、見えるのはどこまでも 続く海と水平線。ブロンテビーチに到着する途中に小さなタマラマビーチというビーチがあり、 その近くの岩場で座って海を見た。

深夜特急という沢木耕太郎氏の書いた本の中で、 ユーラシア大陸の旅をする沢木耕太郎氏がユーラシア大陸の果てサグレスという町から大西洋を見た場面に 鳥肌を立てた事のある私は、海を見ると、行ったこともないサグレスの事を思い出す。 サグレスから見る水平線もまた、こういう感じなのかと思いながら。 でも私はまだ旅に出てさえいない。まだ出発していない旅への思い、旅への憧れ。 旅をしなければ。シドニーの日本、凝縮された日本社会に留まるためにここに来たわけではない。 楽しんでいない、今の自分。朝晩の冷え込み、秋の到来。もう5月は旅立つ時期だ。そう思った。 かなり、沢木耕太郎気分だ。寒さで思考回路がやられたのかもしれない。

ブロンテビーチに着いて小腹が減ったので、フィッシュアンドチップスを買って食べることにした。 ハト達にチップスをやっていると、いっぱいハトが寄って来たので、一人で笑った。少し寂しい光景でもある。

帰りのバスを待つ時の風の冷たさ。シドニーを去ろう。寒さを避けて北上しよう。 日本社会から脱出しよう。オーストラリアらしさを味わう生活をしよう。 そんな事を考えながらボロ屋敷へ帰った。

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