このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

砂漠のビニール

  敦煌、安西、嘉峪関、酒泉をタクシーやバスで移動して、又敦煌にバスで戻ってきてが、その間の回りの風景は、殆どが 土漠地帯 である。場所によってはわずかに植物が生えている平らな土地である。乾燥地帯で水は一滴も見えない。一箇所だけ砂漠の中にあるダムが見えたが。
そこを舗装された道が一直線に走っている。道に沿って電柱がづっと続いていた。又道に併走して鉄道が走っていて、 長い長い列車 も見えた。

 一直線の道を走っていても、めったに街は見えない。どこまでも行っても砂、土、小石ばかりである。しかしたまに見える町の郊外には、ゴミが散乱しているのである。とくに目に付くのはビニールの切れ端で、風にそよいでゆらゆらしている、あるところでは砂漠の枯草に、沢山の切れ端が引っかかっていた。強風にも関わらず、切れ端は強固に低い小枝にからみつていて、容易に離すことは出来そうもなかった。

  町の中で出るゴミを砂漠の中に捨てるらしい。土地が平らであるのでその光景が遠くから見えるのである。又この地方のレンガ作りの家を壊した廃材が、山積みになっていたりする。この砂漠の町では塵を処理する方法が無いのかもしれない。

  もっと驚いたのは農家が耕している農地の中に、ヒラヒラするものが見えたことである。小麦の発芽時期に畑をビニールで覆うのであるが、どうやらそのビニールごと、畑にすき込んでしまうらしい。このビニールは今後次々と増えていくのであろうか。荒涼とした砂漠の風景よりも、なんだか心が寒くなるような光景であった。
中国でもプラスチックによる汚染は、白色汚染と言われて問題になっていた。

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