このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

怪しげだけど親切な中国人

  夜になって 西安 の一番賑やかな所を歩いていると、30歳位の男性が、あなた日本人ですかと英語で話しかけてきた。私は日本人の○○さんを知っていて友達だと言った。英語を勉強したと言っていたが、英語はあまり上手くなかった。私も英語よりは中国語の方がましなので、中国語で話すことになった。日本が好きなので日本人と話しがしたいと言うことらしい。

  私も暇なので中国人とは話をしてみたいと思っていたのであるが、外国で知らない人に話しかけられているのだから、用心しなければとも考えた。第一、日本人の○○さんと言っても私には何の関係も無い人だし、やはり何かの目的が無ければ私に近づくはずはないのではと思った。しかし話して見ると悪い人とも見えないので、一緒に食事をしようと言うことになり、あまり高くない店に案内を頼んだ。

  食事をしながら話を聞いたところでは、結婚していて、仕事は会計事務所みたいなところに勤めていると言っていた。しかし不思議なのは突然食事に誘ったのに、奥さんにも連絡しないで、食事に付合ったことである。私の中国に関する常識では、妻がいる場合、夫は何の連絡も無しに、食事に帰らないなんて事は、極めて少ないのではと思うのである。私は、中国では連絡するのが常識と思っているから、電話しなくて良いのかと、聞いても問題無いと言っていた。
かなり遅く迄付合ってくれたが、夜の遅い時間になっても家に帰らなくてもよいらしいので、この人の家庭はどうなっているのだろうと、そのことも興味が湧いてきた。
本当は失業しているのだろうか。食事をご馳走してもらいたいから付合っているのかとも考えた。

  少し怪しげなところのある人であったが、かと言って、何かの要求をするわけでもなく、怪しげな儲け話を始めるでもなかった。そのうちインタネットの話しになり、日本語の出来るインタネットカフェは無いかと尋ねたところ、知っているというので、かなり遅くなったにも関わらず、師範学園の近くにある、分かり難い2階にあるインタネットカフェに案内してくれた。インタネットについて知っていることからも分かるように、インテリのようであった。その晩はかなり遅くなったので、その店でインタネットを使う事はなかったが、翌日もう一度その店に行ったところ、ちゃんと日本語のメールを送ることが出来た。

  外国で知らない人と親しく話すのは、用心しなければならないことであるが、用心ばかりしていてはふれあいは生まれない。疑問は残ったが親切な中国人であった。

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