このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
中国の変化の一つに、食べ物屋の変化があろると思う。快餐と言われる店が増えてきた。いわゆるファーストフード店である。マクドナルドが中国に進出したのが、きっかけとなったのかもしれない。日本からもロッテリアなどが進出している。今では回転寿司がファーストフードの一つとして北京で店を開いていた。こう言った食べ物の店はとても便利なのである。何が便利なのかというと、文字通り速いと言う意味もあるが、それだけでなくて、一人でも気軽に食べられる点である。 中国では元々気軽に一人で食べられる中国料理が極めて少なかったのである。試しに北京名物の北京ダックを一人で食べに行ったとすると、とても不便である。 まず一人又は二人で食べるためのテーブルが無い。無くてもそんなことにかまわず大きな丸テーブルに一人だけ座っても良い。しかしその後に勧められる北京ダックは一羽分でとても一人では食べきれない。それなのに、冷菜は何にするかとか、スープはどれにするかと勧められる。 つまり中国の中国料理には、一人分と言う概念も無いし、そのシステムも無い。しかし中国に快餐形式の食べ物屋が全く無いわけでもない。中国の町の朝などに、露天で売っているねじり揚げパンや麺は、確かに一人分の注文が出来て、すばやく出てくる。まさに快餐には違いない。もっとましなところで、チャンとした店で拉面(ラーメン)などを食べさせる店も沢山ある。しかしそうした店は朝食用であることが多い。 一方少し気の利いた中国料理では、一人分と言う単位が無い。一皿は一人分ではない。 それがケンタッキーフラドチキンを真似たのか、中国風の味付けにした唐揚げを、ファーストフード店形式で売る店が沢山出来てきた。こう言った店は目立つところに開店しているが、目立たない大きなビルの中でも、新しい形式の店が開店していた。 それは大きな食堂と言った形なのであるが、その食堂の壁際に、づらっと各種の手軽な料理を出す店が屋台形式で並んでいる。餃子とか、麺とか、小籠包とかが買えるのである。その中から好みの物を買って、食堂の中央にある椅子に座って食べる。勿論一人分の食事が出来る。昼食には会社の社員も食べに来る。日本と同じように便利に食事が出来るのである。 私は中国を旅行していて、各地の美味い中国料理を食べようと考えたのであるが、いかんせん一人の旅行であるので、一人では高級料理店に入り難い。ある都市ではどこの店も、10人位の一団が丸テーブルを囲んでしまっていて一人ではとても入れる状態ではなかった。これが中国式レストランであって、中国料理は団体向け料理なのである。 それでもたまには一人で高級レストランに入ってみたくなることはある。その場合、冷菜やスープは勧められても断固として断り、目的の一皿の料理だけを注文する。一皿の量が多いから、それにビールを注文すればもう十分になるのである。 一皿といっても適当な料理を注文するのは難しい。元々中国料理は一皿で完結する料理が少ない。それならばもっといろいろな料理を注文すればいいではないかと言われるかもしれないが、そうなると料理を残すことになる。 沢山の料理を注文しないのは、食べ残すのがもったいないからである。食べきれないからである。ところが中国人はあまり残すことを気にしないようである。特に宴会では、大量に注文して大量に残す。日中の宴会の場合、多くの日本人が勿体無いと言うのを聞いた。私も同感である。高級なのはいいとしても、食べきれないのは無駄と思うのである。つまりは中国料理の形式はご馳走をする為の、おごる為の料理で、見栄を張る為の料理が基本とも思えるのである。割り勘で食事をするなんて中国では考えられない。 そんなわけで、旅行中は中国の高級料理はあまり食べることが出来ず、快餐店を見つけて食べるか、西洋料理店を見つけて食事をした。 |
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