このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

トイレ革命

  陽朔の町は、隠れた観光の名所である。隠れたと言っても、西洋人はよく行くが、日本人にはそれほど有名ではない言うと所である。町の中心地には洋人街と言われる所があって、多くの西洋人が散策している。西洋人に取っては名の知れた観光地であるらしい。夜になって、食堂のテラスで飲んでいた中国人と話したところ、ここ陽朔は中国で一番英語のレベルの高いところだと言っていた。確かに農家のおばさん風のガイドも、皆英語を喋るようであった。その中国人は、若くて日本語がぺらぺらの、日本語教師であった。

  この町を散歩していると横断幕が目に付いた。陽朔の町の観光事業を成功させようと言ったスローガンが書かれていたが、そのなかにトイレ革命というのがあった。中国語で"厠所革命"と書かれていた。この意味するところは、汚いトイレを清潔なトイレに替えて、観光客が来るようにしようと言うことらしい。現在の中国では革命と言う文字を、こう言う所に使っても問題が無くなったのかもしれない。

  そもそも革命とは、血が流れる様な、社会的な大変革を言うのであったのではなっかのかと思う。少なくとも中国では、かって毛沢東が成功させた共産党政府の成立や、大混乱を巻き起こした文化大革命こそが本物の革命であった。しかし現在では、たかだか便所を清潔にするのに革命の文字を使っていた。こんな所で革命と言う言葉を使っていては、地下の毛沢東が見たら怒るのではないかと思うのだが。

  そんな屁理屈は兎も角として、トイレが清潔なのは旅行者にとって快適なことである。陽朔のレストランに入ると、どこでも水洗になっていた。確かにこれは革命に値することかもしれない。西洋人にとって有名とはいえ、片田舎の観光地のトイレが、清潔な水洗になっただけではなく、ドアがチャンと付いていることは一大変革であることに違いない。

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