このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

陽朔の町

  陽朔の町には四泊もすることになってしまった。中国始めてのゴールデンウィークと重なり、桂林に泊ることが出来なくなってしまった為である。しかし陽朔の町は何日も滞在しても良いくらい、とても居心地の良い町である。この居心地の良さは、町全体が旅行者向けに出来ていることが理由と思える。旅行者向けに出来ていると言うことは、観光地化していることでもあるが、その観光地化が、中国的ではなくて、西洋的になっているのである。


  一番目に付くのは道に椅子を並べたレストランや、テラス付きのレストランが沢山あることである。これがとても便利なのである。このレストランの特徴は、一人だけでも心置きなく食事が出来ること、一人分単位の食事が出来ること、椅子に座って一人で本などを読んでいても問題無いこと、喫茶店での様に、コーヒー一杯でお喋りが出来ること、ステーキやスパゲッティ、簡単なものではトーストなどの西洋式料理が食べられること、食事をしないでアルコール類だけを飲んでもいいこと、それに清潔なトイレが付いていること、などなどである。

  中国ではこの条件に当てはまる店を捜すのはそう簡単ではない。この条件とは日本では決して特別なことではないが、中国ではこれらの条件に当てはまる店は少ない。まして広西省の田舎の町では殆ど無いと言っていいだろう。しかしここ陽朔は何故か古くから西洋人に人気のある町らしく、西洋人の観光客が多かった。それで西洋式レストランが多いのかもしれない。その西洋式レストランが多い通りは、洋人街と言う名前が付いていた。日本人の観光客も多かったがここに泊まる人は少ない様であった。のんびりと泊まって過ごす客は、西洋人のバックパッカーや小さい子供連れが多かった。テラスで本を読んでいる一人旅の西洋人も居た。この場合何故か西洋人なのである。中国人や日本人で一人本を読んでいる人はいなかった。

  そんなわけでここのレストランで昼間からビールを飲んで、雨の洋人街を通るバックパッカーを眺めていたり、建物の裏ににょきにょきと聳えている奇峰を見たりしていた。夜になると、食事後もまた同じような 道端のテラスでビールを飲む 。ビールのお蔭で、会話がスムースになる。同じテーブルに座ったのは中国人、スエーデン人それに別の日本人もいたかもしれない。もっともこの若い中国人は日本語教師とかで、日本語がぺらぺらであった。

  ここ陽朔には最近流行のインタネットカフェが有って便利である。一緒に旅行している私の娘は、ここから、お父さんは昼間から飲んだくれている、と家に報告したらしい。

  ここが快適な観光地で有る理由の一つは、ホテル代が安いことである。それだけにバックパッカーも多いのである。朝起きて、安いホテルのロビーに出て行ったら、若い半ズボン姿の女性のパックパッカーが、コンクリートの上にゴロンと転がっていたのには驚いた。部屋が一杯で泊まれなかったらしい。

   勿論陽朔の最大の良さは、周辺の景色である。この 垂直に聳える奇峰 を毎日眺めていると、精神に何らかの影響を与えるのではないかと思えてくる。

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください