このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

やっぱり三輪車は要注意

  娘と二人、故宮の見物を終えて裏門に出た。そこに三輪自転車の人力タクシーが待ち構えていたので、王府井に行くのにこの人力タクシーを利用しようと思った。そうしたら、その人力タクシーで鐘楼辺りを観光しないかと言う話しになった。話しているうちに胡同(路地道)や四合院(北京の古い民家のも建築様式)を見に行かないかと勧誘された。四合院の中は見てみたいと思っていたところなので、そこにも行ってみようと言うことになった。

  その値段の方もエスカレートするので、値切って200元と決まった。値切ったと言ってもその値段は決して安くしたわけではない。本物のタクシーで北京空港から市内までの値段が100元以下であるからして、人力タクシーの値段はむしろ高い値段であった。念の為二人一緒で200元なのか、本当に四合院が見物できるのか、最後の行き先である王府井まで行って200元なのか、何回も確かめた。確かに全部で200元であることを確認して二人で 人力タクシー に乗った。

  途中で適当な食堂に連れて行ってもらい、三人で食事をしてから、鐘楼を見物して、古い胡同に入った。次に四合院の見物ということになったが、実は本当に四合院が見られるのだろうかと心配はしていた。一介の人力タクシー運転手が格式高い四合院にコネがあるのだろうかと気になっていたが、心配は当たっていた。運転手が四合院をどうしても見てみたいかと聞くので、見たいと答えた。運転手には気安く見えせてくれる知り合いは無いらしかった。それでもそれらしい 四合院 に入って見物させてくれないかと聴いてみてくれたが、やはり見物させてくれる所は無かった。

  四合院はチョット覗いて見たのだが、今の四合院は大家族が住んでいた頃の風格は全く失われていて、数家族が雑居しているようであった。本来在るはずの優雅な中庭には、雑然とした建物が建て増しされていて、かっての空間は見る影も無くなっていた。人が一人通り抜ける程度の路地が、増設された小屋のような建物の間にあるだけだった。

  最後に王府井に送って貰うことになっていたので、王府井に向かった。そこまでの距離はかなり長かったので、運転手は少し疲れた様であった。そして後を振返り「疲れた」と言った。その時私はいやな経験を思い出したのである。それは同じ北京で四年前のことであるが、妻と二人で、人力タクシーで天壇まで行った時のことである。
やはり目的地に着く頃になって、運転手が後ろを振り返り「疲れた」と言った。そして到着したら、二人分だから値段は二倍だと言い出したのである。その時もわざわざ振返って「疲れた」と言った時に、何故か嫌な予感を感じたのである。

  この度も案の定嫌な予感が的中して、二人だから二倍の400元をくれとい言うのである。勿論このことを予想して、二人で200元であることは確認してあるのにである。全部で200元と言ったではないかと言うと、直ぐその理由を撤回して、今度は疲れたからだと言う。最後には、少しでも色を付けてくれと泣き落とし戦術に出てきたので、面倒臭くなり、10元を上乗せして決着をつけた。色を付けてくれなどと言う中国語は解らなかったが、確かにそのようなことを言っているのは解った。

  それまでに人力三輪タクシーは何回か利用したが、風に当たりながらのんびりと乗る人力三輪タクシーは気持ち良い。王府井や西単の辺りのそれは、地元のお爺さんが暇に任せて、気ままに稼いでいる感じの人力タクシーが多かった。今回の問題の運転手は、四年前の出稼ぎ風で油断のならない無い人相とは違っていて、地元の人らしい中年だったがやはり問題は起きた。金を沢山持っていそうな人から、取れるだけ取る。取れなくても元々と言った理屈があるのかもしれない。

  前回は20元の所を40元と言われて断固として払わなかったが、今回は10元だけは払った。人力タクシーに乗るのはオープンカーみたいで気持ちが良いのだが、やはり他人に汗を出させて運転させるのは、少なからず後ろめたい様な気持ちになったからかもしれない。

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください