このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
麗江からルーグー湖というと所にある女人国に行こうと考えた。しかし旅行社の勧めるプランでは3,000元もしていかにも高い。どうも私専用のガイドと車とその運転手が付くのでそうなるらしい。自分一人で行けばそんなに高いはずはないと考え旅行社を断り自分で行くことにして、朝早くバスに乗り込んだ。ルーグー湖までは一日で行けそうもないので、その手前の街の寧浪というところに行くことにした。そこまでも218kmの距離である。このバス道は殆ど山岳道路で、深い谷の崖っぷちを走るのである。そして舗装もされていない。下に流れている河は長江の上流である 金沙江 であった。 この河の高い崖道を走るのは本当に怖かった。遥か下の足元に濁った河がとうとうと流れていた。金沙江は雲南省の山奥であるのにすでに黄色に濁っている。黄河と同じような色である。途中に大きな街は殆どない。山の中腹に少数民族の小屋がポツリポツリと見えるだけである。バスの終点の寧浪は大勢の人が住んでいるはずであるが、何百年前に少数民族が移住したとしても、この道は通らなかったのではないかと想像するほど、山奥の急峻な斜面が続く。 この道を補修する為の工事が、到るところで行なわれていたのだが、工事をする人は道端に簡単なテント小屋を作り、そこに住み込みながら工事をしていた。日本の工事現場の飯場小屋と同じ様なものだが、ここのものは日本と違って、200mおき位にテントがあり、外に大きな中華鍋とかまどがあるだけだった。布団はあるらしいが、床などは無い様であった。多分地面の上直接ビニールなどを敷く位らしい。この高所では水にも不足するのではないかと思われる。機械や動力は殆ど見られず、材料は近くの岩を砕いて作っていた。岩を砕くのも手である。作業員を一箇所に集める為の乗り物もないらしい。それで受け持ち地区ごとに、テントと作業員を配置してあるらしい。そのテントといってもビニール一枚程度で強風が吹けば飛ばされそうである。まさに人海戦術とはこのことである。 工事の方法は、近くの岩を材料としているから、あちこちで岩を崩している。その岩が到るところで交通の邪魔をしている。途中で工事の安全標語みたいなものが書かれているのを見たが、石灰で『通路第一』と書かれていた所が一箇所だけあった。書かれていた字の記憶は、正確ではないかもしれないが、意味は自動車が通れる道を確保することが第一と言う意味であったと思う。中国の道路工事はどこでも同じであるが、あまり道路の利用者の都合は気にはしていない。ここには標語が書かれたいただけでも良いほうかもしれない。 そんな修理中の道を走る上に、金沙江の深い崖の上であるので、この道は本当に怖かった。自動車がカーブして、自分の席が崖側になって、足元に金沙江が見えると、思わず体が硬くなる。バスの重心を崖の側に寄せない為に、思わず体を反対側に傾けてしまった。 金沙江の断崖絶壁の悪路を、5時間以上かかって寧浪までやっと着いた。 |
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