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風使いの館 リレー小説過去ログ


第81話 師匠対弟子 暁の対決! 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月18日(日)09時06分01秒

「見つけましたよ、師匠!」
突然飛び込んできた青年が、カフェテラスでパフェを食っていたマスターアジアを捕まえて云った。
「うっ!うぐぐっ!」
あまりの事に驚いて、食い物を喉に詰めそうになるマスター。
「医者から、甘い物は控えるようにと云われているじゃないですか!さあ、その懐に隠した
甘い物をこちらに寄越して下さい!」
相当な剣幕で迫る青年。
「わ、わしの唯一の楽しみを取り上げようと云うのか?!このバカ弟子がぁ!!!」
自分の主張を盾に、弟子を恫喝するバカ師匠(笑)
「師匠のお体を気遣うのも弟子の仕事です!さぁ師匠!」
彼の言い分も尤もである。
「ええ〜い、五月蝿い!血も涙も無いのか、貴様は!どうして年寄の楽しみを奪う!」
都合の悪い時だけ年寄りに変身するバカ師匠(笑)
「これだけ云ってもお判りになっては戴けませんか・・・師匠!」
とうとう最終手段に打って出る気だな。
「貴様の様なバカ弟子に、わしの楽しみを奪われてたまるか!!一昨日来い、バカ弟子!!」
何処までも我を張るバカ師匠(笑)
「力づくで行くしかないか・・・」
実力行使を決めた弟子は、素早く身構えて戦闘態勢に入った。
「わしに適うと思っているとは・・・・つくづく御目出度い奴め!!来い、バカ弟子!!」
いけしゃあしゃあと言い放つバカ師匠(笑)
「行きますよ、師匠〜!!」
天空高く舞い上がる、弟子の青年。
「うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃ〜っ!!」
同じように飛ぶ、バカ師匠(笑)
拳を交えたと思った刹那、上空から聞こえてくる奇妙な台詞(笑)
「流派!東方不敗は!」「王者の風よ!!」「全新!」「系列!」「天破驚乱」
「見よ!東方は赤く燃えている!!!!!!!」
「師匠!!!!」「バカ弟子!!!!」
「やりよる様になったわい・・・・」
どうやら、あきらめたようだ。片膝を折り、項垂れるバカ師匠(笑)
「帰りましょう、師匠」
片膝を折っていた師匠に、優しく手をさし伸ばす弟子の青年。
「うむ・・・」
青年に肩をかりながら去っていくバカ師匠ことマスター。

「何だったの・・・あれ?」
呆気にとられ、自分たちが悪い夢でも観ていたかの様に、呆然とするクリス達一行。
「忘れましょう、今のは夢よ!幻よ!はははははっ」
笑い声にも、何処か動揺の見えるクリスであった。
                         <続く>


第82話 ゼロカスタム吠える! 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月18日(日)09時20分13秒

月面都士グラナダを目指して突き進むスペースコロニー
「トレーズ・・・行くぞ」
ヒイロの考えを察したトレーズがマザーバンガードの甲板にゼロカスタムを乗せて飛ぶ
ミノフスキードライブ搭載のマザーバンガードならばコロニーに追いつける筈である。
「このまま突入する」
コロニー内部にゼロカスタムで突入するヒイロ
「ゼロ・・・お前の力を見せてくれ」
ツインバスターライフルを分離させて両手に構えたゼロカスタムは回転しながら
バスターライフルを発射した。ヒイロは内部からコロニーを破壊する考えだ。
「す・・・スゲエぜ!ヒイロさん」
ジュドーが叫ぶ。
「ティターンズ・・・貴様等の思い通りにはさせん・・・うぉぉぉぉっ!」
ヒイロの雄叫びに呼応するかのようにフルパワーでコロニーを破壊して行くゼロカスタム。
「これで・・・終わりだ!」
核パルスエンジンが設置されたコロニー後部に向けて再び組み合わせたバスターライフルを
向けるヒイロ。グラナダはすぐ近く・・・失敗は許されない状況である。
「いけぇぇっ!」
トリガーを引き絞るヒイロ。グラナダ上空に大爆発が起きた。
「任務・・・完了・・・これより帰還する」
ヒイロから各機に宛てて通信が入った。

                         <続く>


第83話 胎動 投稿者: I・C(火裏功)ブルース  投稿日: 3月18日(日)22時42分14秒

「ガトー少佐 コロニーがグラナダに向けて加速しました」
オペレーターが冷静にガトーに報告をする
「くっ ティターンズめ」
拳を握り締め怒るガトー

「隊長ぉ コロニーがグラナダに向けて加速して行きます」
ジェガンのコクピットでテリーが焦りの表情を浮かべる
「くそぉ 間に合ってくれ」
祈るように呟くシロー

「こうなってはしかたあるまい 私のノイエジールを用意してくれ」
「しかしガトー少佐あれは対シャア用の切り札です ここでお使いになるのは敵に手の内をさらけだす
 ようなものです」
士官が必死に止めようとする
「今はそんな場合ではない あれを見ろ グラナダに住む数百万の民を救わん為に戦う我が同胞を
 あれだけは落とさせるわけにはいかんのだ」
前方を指差し熱弁を振るうガトーの熱意に押され士官が従う

「シローあれを」
「コ、コロニーが やったぁ アイナ これでグラナダは助かったぞぉ」
ヒイロの攻撃を受け砕け散ったコロニーを見てシローが歓喜の声を上げる

「ガトー少佐 申し訳ありません コロニーに気を取られてティターンズの艦隊を撃ち洩らしました」
ハサウェイがすまなそうにする
「いや、グラナダが助けられただけでよいではないか 奴等にはいずれこのツケは払わせるこの私がな」
ガトーが静かに決意を固める
「ガンダムタイプ3機接近」
ハサウェイの緊迫した声が通信機から流れる

「アムロさん」
ガトーのノイエジールを見つけたジュドーがアムロに話掛ける
「あれはガンダムか」
ハサウェイのクスイーを見たカミーユが驚く
「ロンドベルのアムロ・レイです ご協力感謝します」
ノイエジールに向けアムロが回線を開く
「おお 貴官の勇名は聞き及んでおります アナベル・ガトーであります」
「ガトーって言うとあのソロモンの悪夢かよ」
ガトーの名を聞きジュドーがびっくりする
「アムロ殿 シャアにお伝えください 貴様の首は私がもらうそれまで誰にも負けることは許さんと」
「はい 次に会う時は敵としてでしょうが それまでお元気で」



「ハマーン様 ガトー少佐らがコロニー落としを阻止した模様」
それから少したった茨の園では側近が情報を携えてハマーンの元に立つ
「ガトーめ よくやった」
デラーズが嬉しそうに呟く
「これでティターンズの死期が早まったな」
アリスが突き放すように言う
「そんなことより アリス例の計画は進んでおろうな」
「はい、ハマーン様 ただ、アルテイシア様はこの茨の園にお着きになったばかりですのでお疲れの様子
 そのため 明日一日はここで休息を取っていただき 明後日には」
アリスがハマーンの方を向き冷静に報告する
「ふ、ジャミトフ シャア今の内にせいぜいあがくがいい」
ハマーンが冷たい笑いを浮かべる


第84話 シュラク隊の帰艦、だが… 投稿者: ゆらりん@迎春生  投稿日: 3月18日(日)23時37分17秒

オリファーは半ば放心状態となりながらも、なんとかシュラク隊を指揮し
マーベット以外は全員無事帰還を果たしていた。

マーベットの駆るヘキサの爆発の後…、
「マーベット!応答してくれ!」
しかし、オリファーの叫びもむなしく返事はない。
「う、うわああああっ!」
叫びながら乱射したビームは、ヘキサを落としたMSの数機を貫いた。
そこでハッとなり、あたりを見回す。
「マーベットは?脱出してないのか?」
「分からないわ…」
ジュンコが答える。
だが、気がついたらシュラク隊の前方にはまだ2倍近い数のMSが待ちかまえていた。
「マーベットは、ま、まだ死んだときまったわけじゃない!脱出しているはずだ」
と、自らを奮い起こしたが、大破したヘキサの状況を確認することもできないままシュラク隊は乱戦に突入してしまった。

一時は乱戦になったものの、シュラク隊は持ち前のチームワークを生かして
無傷とまではいかないが、勝利していた。
敵機の全機撃破を確認するとすぐさま、
「…マーベットはっ?ヘキサは!?」
と周辺を見回す。
「全員の無事を確認しました。…マーベットを除いて、ですが」
落ち着いた様子でジュンコから通信が入る。
「ジュンコ。機体に破損のあるものは、先に帰還するんだ。
私は時間の許す限り、この宙域を探したい!」
「…了解しました。機体の小破したミリエラ、フラニーと共に私も帰艦します」

残りのシュラク隊とオリファーが周辺宙域の捜索を初めてから数時間後。
いつも沈着冷静なオリファーだが、かなり焦り始めていた。
「これだけ探しても見つからないとは!」
「確かにおかしいわね。ヘキサの破片さえ発見できないなんて…」
とヘレン。
結局、ヘキサの残骸さえも発見できないまま艦に戻らざるを得なくなった。
「マーベット…、どこへ行ってしまったんだ?」


第85話 レインとサラと 投稿者: I・C(紙坂一)ブルース  投稿日: 3月18日(日)23時59分31秒

「ふぅ」
フォウを待ちかねてレストランからクリスが出てくると
「あ、あの」
女性から声をかけられる
「はい」
「あ、あのぉ おさげで髪の赤い男みたいな女の子  じゃなかった おさげで甘いものに目がない老人と
 やたら声の大きな男 見ませんでした」
その女性とはドモンとマスターアジアを探しに来た レインその人であった
「なぁんか ひっかかるフレーズがあるわねぇ  まいっか その人たちならもう半時間程前ここに来てた
 わよ」
クリスがさらっと返す
「えええええええええ  どどこに行ったか知りませんか」
慌てふためきながらも行方を尋ねようとするレイン
「さぁ あたしも今さっきここから出たとこだし 見てないわ」
「もう まったくあの二人の放浪癖には困ったものね」

「もう、全然見つからないじゃない」
クリスと別れて二人を探していたがなかなか見つからず憤っていると 突然目の前を歩いている
女性が派手に転んでしまうのを目撃する
「ちょ ちょっと大丈夫ですか」
レインが駆け寄りその女性を起こしてあげると
「えーーん  あじがとうごじゃいまずぅ」
涙ぐみながら礼を述べる
「気にしなくても いいのよ   ってあらあなたどっかで会わなかった」
デジャブーを感じてレインが首をひねる
「え、 あのぉあたしぃ サラ・ザビアロフともうしますぅ あなたとはぁ
 お会いしたことないですよぉぉ でもなんか懐かしい感じがしますねぇ」
のほほーんとサラが微笑むとなぜかレインの顔がひきつる
「そ、そうよね あ、あたし探し物があるからじゃあ」
「あ、ありがとうございましたぁ」
もう一度礼を述べてサラが人ごみの中に消えていくと安堵の表情を浮かべるレイン
「なんか あの子とは悪運めいた因縁を感じる 初めて会うはずなのになんでだろう
 とにかく これで良かったのよね   さてドモンを探さなくっちゃ」


第86話 ファラの企み 投稿者: 昴 大牙@杉村稔久  投稿日: 3月19日(月)00時39分37秒

(1)
 時間は少し戻って・・・。
 撃墜されたマーベットは宇宙空間を漂っていた・・・。
 何とか間一髪脱出出来たものの爆風で吹っ飛ばされ、意識も失ってしまっ
た・・・。

(2)
 シロッコの命令で出撃していたファラは宙域を漂っている人影を発見した。
 パイロットスーツの感じから言って、敵兵であることは間違いない。
「ふふふ・・・シロッコ様にいい土産が出来たモノだ・・・。」
 妖しく微笑むファラ・・・。強化人間にでもしてこちらの戦力として使えば、敵
側も混乱するだろう・・・。
「ふはははははははははっ、楽しみになってきたねえ・・・」
 ファラは漂っていたマーベットを連れて、シロッコの下へ帰還していった。

(3)
 ファラは早速帰還すると自分の考えをシロッコに述べた・・・。
 すなわちマーベットを強化人間として育成し、こちらの戦力として使おうという
のである。
 シロッコは、その作戦の総責任者にファラを任命し、補佐としてクロノクルを
つけた。
 ファラにとって、クロノクルの存在はあまり歓迎すべき事ではなかったが、自
分の作戦が認められたことの方が嬉しかった・・・。

 こうしてマーベットは強化人間として育成されることになった・・・。

 もちろん、このことをオリファーやジュンコたちシュラク隊のメンバーは知る
由もなかった。


第87話 ソシエのひとりごと 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月19日(月)00時50分48秒

クリス達が呆気に取られていた丁度その時、ホンコンの外れに佇む少女がいた。
賢明な読者諸君ならお判りだろう。アウドムラ防衛戦以降、すっかり出番の無くなったソシエ・ハイムであった。

「クリスったら酷いよ・・・同じアウドムラのクルーなのにさ。自分だけさっさとアーガマに行っちゃうんだから。
アウドムラん中であたしだけ、出撃命令も出ないから機銃撃ってたらおかしな方向に傾くじゃない。
急いでカプルに乗り込んだら、カプルごと投げ出されちゃって・・・気が付いたらアウドムラは煙噴いて落ちてるし、あたしはこんなだし・・・泣きたい気分よ〜!!」

ソシエは、その場で一体何時間塞ぎこんだのだろうか・・・・。
そんな光景の一部始終ををずっと見ていた少女がいた。
「聞かせてもらったよ、元気出しなって!」
 見ず知らずのソシエの背中を軽く叩く少女。
「あなたは?」
 初対面だから、こう聞きか返すのも無理はない。
「あたし?あたしは、ネオスゥエーデン代表のガンダムファイター、アレンビー・ビアズリーって云うの。
仲良くしようね!」
 明るく、そして大仰に、さらに屈託の無い笑顔で握手まで求めてくるアレンビー。
 しかし・・・。
「ネオスゥエーデン代表の・・・がんだむふぁいたぁ〜?何、それ」
 ソシエにとっては、何もかもが未知の領域だったのである。
                               <続く>


第88話 陰謀のフロスト兄弟 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月19日(月)22時41分51秒

漆黒の宇宙空間を大型の惑星間航行用のブースターユニットを装着したMAが飛んでいた。
よく見るとMAの上にはガンダムタイプのMSが乗っている。
「兄さん・・・もうすぐ予定ポイントに到着するよ。」
「うむ・・・オルバよ御苦労だった。」
MA形態に変形したガンダムアシュタロンとガンダムヴァサーゴで有った。
当然、搭乗者はシャギュア・フロストとオルバ・フロストのフロスト兄弟である。
木星圏でシロッコの元で働いていた筈の2人が極秘で地球圏に帰還している・・・
だが、それはシロッコの命令による物なのであろうか?
「ティターンズはコロニー落としに失敗したみたいだよ・・・兄さん」
「ああ・・・我々としてもグラナダへのコロニー落下が現実の物となっていれば・・・
 計画に大幅な変更が必要となったやも知れぬ・・・此処は連中に礼を言うべきかな」
「で・・・次はどうするの?兄さん」
「予定ポイントでタウ・リン側の連絡員と合流の手筈だオルバよ」
「分かったよ・・・兄さん」
タウ・リンとはヌーベル・エウーゴの上層部でも特に過激派として知られる男である。
目的のためには手段を選ばぬ事から地球連邦はもちろん同じヌーベル・エウーゴ内でも
恐れられていると言われる男であるが、その正体は不明とされている・・・
木星帝国とヌーベル・エウーゴは手を組むと言う事なのだろうか? それとも・・・
そしてシャギュアが言う計画とは一体・・・
地球圏に住む全ての人間を恐怖に陥れる悪夢が秘かに始まろうとしていた。

                             <続く>


第89話 意気投合の2人 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月19日(月)23時07分23秒

「え〜〜!!知らないの?嘘でしょ?!」
 自信を持って、いや自らの誇りであるガンダムファイターの称号を、話し掛けた相手が
 知らなかった・・・アレンビーにとってそれはあまりに酷な出来事であった。
「だって・・・此処に来てあなたに会うまで全く知らなかったんだもの」
 本当に全然知らない・・・「だから教えて」と顔に書いてある様な無邪気な素振りのソシエ。
「う〜ん困ったな〜・・・・・あのね」
 そんな顔のソシエに目くじら立てる訳にも行かず、止む無く事の次第を説明しだすアレンビー。
 それから説明する事十数分・・・。

「へ〜それじゃ国家を代表してるんじゃない!すごいね〜。そんな人とお知り合いになれたなんて
いいことありそう・・・ふふふっ」
 真剣に感動するソシエ。彼女はこの手の話に弱い。
「そこまで云ってくれると・・・何だか照れるね」
 頭を掻きながら、顔を真っ赤にして少し下を向くアレンビー。
「照れることないじゃない!胸はって行きなさいよ!」
 アレンビーの話を聞いたら途端に元気になったソシエ。アレンビーとも打ち解けたようだ。
「何かいつの間にか、あたしが励まされてるね」
 顔を見合わせて吹き出し、笑いあう2人。
 
「済まんな、お嬢さん方・・・ドモンが来たら「おらん」と云ってくれんか?」
 突如マスターが介入して2人にそう云ったかと思えば、そそくさと地面に転がっている
 カプルの裏へ逃げ込んだ。
「一寸〜、師匠〜!」
 その行動に呆れるアレンビー。
「誰?」
 とソシエ。そりゃそうだ。彼女には知る由も無い。
「流派、東方不敗って必殺拳の師匠。東方不敗マスター・アジアって云うんだけど、変なおじさんでさ」
 心底呆れ返ってるっていうような素振りで説明するアレンビー。まぁ判らないでもない。
「名前からして変わってるわよ。「とーほーふはい」だなんて」
 と、ソシエ。知らないんだから当然のリアクションだ。
「これでも凄いんだよ〜。MSなんて素手で倒しちゃうんだから」
 と、明るく説明するアレンビー。一寸呆れモードではあるが・・・。
「え〜冗談でしょ。俄かには信じられないよ〜」
 胡散臭さ爆発、思いっきり眉唾物の今の話を、俄かには受け入れられないソシエ。
 書いてる私自信、信じられないんだから当然である。
「だろうね。あたしだって自分の目で見るまでは、とてもとても・・・」
 首を竦めてそう話すアレンビー。実際に観たって悪い夢だと思うのが関の山である。
 暫くすると
「おい、アレンビー」
 ドモン・カッシュ。東方不敗の愛弟子である。アレンビーとは旧知の仲なのであるが・・・。
「あ、ドモン探してたんだよ。何処行ってたの?レインとは会った?」
「師匠を知らないか?」
 人の話なんか聴いちゃいないドモン。勝手に自分の用件を切り出す。
 すると・・・。
「あ〜あのおじーさんなら・・・カプルの裏」
 さりげなくドモンに教えちゃうソシエ。
「云うなと云うておろうに〜」
 苦虫を潰した様な表情を見せながら、カプルの裏から現れるマスター。
「師匠!いい加減にしてください!」
「如何しても貴様を倒さんといかん様だな」
 致し方なしかと半ば諦めながら、再び合間見える覚悟を決めたマスター。
「仕方ないですね、今度こそ大人しくして戴きますよ、師匠!」
 ドモンも止む無く再び臨戦体勢に入る。
「戯けた事を!返り討ちにしてくれるわ!」
 2人の今後を賭けた、第2ラウンドのゴングが今高らかに鳴った。 
                                   <続く>


第90話 白蛇のベルトーチカ 投稿者: I・C(紙坂一)ブルース  投稿日: 3月19日(月)23時54分41秒

ここは月にある都市グラナダ 先の戦闘の後疲れた体を休める為にアムロがグラナダに降り立つ
女性を隣に従えて

「君とこうして一緒にいるのも久しぶりだな」
嬉しそうに話し掛けるアムロ
「ええ、でもまも・・・・じゃなかった アムロいいのあなただって仕事があるんでしょ」
ララァが首をかしげながら応じると
「事務仕事なんかはブライトにおまかせさ 俺がやったってどうしようもないしな
 それと、部隊の整備なんかはクワトロ大尉に任せておけばいいさ どうせ
 ああいうのが好きそうだしな」
アムロが言い放つ


「へっくしょん」
その頃 自分の執務室で部隊の再編やら補給などの仕事をしていたシャアことクワトロ大尉がくしゃみする
「風邪ですか大尉」
そばにいた士官が声をかける
「む、なんでもない そんなことより補給物資の手配を早くしろ」
不機嫌そうな表情で返す

「なんか荒れてるなぁクワトロ大尉」
とばっちりを食わないように離れたところにいるカミーユが言うと
「ああ、あれね いやララァが出かけたらしいんだけど そこにブライトさんからアムロがいないか
 って問い合わせがあったらしい」
同じくとばっちりを避けていたジョニーがカミーユの疑問に答える
「それでなんですか」
「ああ、なもんで まさかと思ってああやってイライラしてるってわけさ」
クワトロを指差しながらジョニーがにやにやと笑う
「でもアムロさんにはベルトーチカさんがいるでしょ」
カミーユが不審そうな顔をする
「ほら、女に関して言えばお前さんもあの人もアムロも人のことはいえんだろう」
からからと笑いながらカミーユに返す
「あの二人とはぜっったいに いっしょにしないでください」
カミーユがむくれる
「ま、何にしてもアレだな いづれなんか起きるぞ」

「それにしてもいいのかしらアムロあなたにはベルトーチカさんがいるのに」
ララァがちょっと悪いわという表情で話し掛けると
「君だってシャアがいるじゃないかでも こうして今俺といっしょにいる だろ」
意味ありげに微笑むアムロ
「そ、それもそうね・・・・・」
突然自分の腕を抱えるララァ
「どうしたんだい ララァ」
「何か 寒気がする 悪いことが起きないといいんだけど」
「風邪かい ほらもうちょっとこっちへきなよ」
ララァの肩を抱き自分の方に引き寄せるアムロ と突然

「お〜ほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほ
 私に隠れて浮気しようなんてセーラー服美少女戦士は許してもこのあたしが許さないわよ
 お〜ほっほっほっほっほっほ」
悪の魔道士チックな衣装に身を包んだベルトーチカの高笑いがビルの上から響く
「げっ ベ、ベル」
アムロの顔が一瞬にして凍りつく
「ロンドベル 紅一点 ベルトーチカ・イルマ(ちゅどーん)」
ベルトーチカが特撮ヒーローのようなポーズ取るとお約束のように後ろから爆発音が響く
「い、いや こ、これは ララァ」
アムロがララァの名を呼ぶとそこはNT同志の二人アムロの意を汲み取って一緒に逃げ出す
「待ちなさい」
慌ててビルの屋上から降りるベル

「くそ、ベルトーチカめ なんでここが」
必死に逃げるアムロとララァ
「ファイヤーボール」
ベルトーチカがどこで覚えたのか呪文を唱えると とばっちりをくらった一般市民の悲鳴が
グラナダの町に轟く

「しまった」
行き止まりに追い詰められ舌打ちするアムロとびびりまくってアムロに寄り添って小さく震えるララァ
「お〜ほっほっほっほっほっほっほっほっほ」
今度は小さな建物の上につの間にかよじ登ったベルの高笑いが聞こえる
「ここまでか いけっ ローゼスビット」
人の必殺技の名を叫びながら近くにあったバラを投げるアムロ
「あまいわねっ  フリーズアロー」
またも呪文を唱えてアムロに攻撃を放つベル
「フレアーアロー」
とするとどこからともかく飛んできた呪文により消滅する氷の矢
「誰」
3人の視線が飛んできた方向を向くとそこにはヒイロがデュオと立っていた

「・・・・・俺は一体何を」
半ば呆然とするヒイロ
「何やってんだよぉ ヒイロ」
ヒイロの突然の行動にびっくりするデュオ

「なんであの子が魔法を使えるのかしら」
首をひねるベル
「あ、しまった 逃げられたわ」
その隙にアムロとララァの姿が煙のごとく消えていたのに気づき悔しがるベル
「まぁまぁ ベルトーチカくん」
そこに颯爽と足から現れるブライト
「まぁいいわ ぜっったい 逃がさないから」
決意も新たに宣言するベル 果たしてアムロは無事逃げ切れるのだろうか


第91話 ガンダムファイト、レディ、ゴー! 投稿者: 昴 大牙@蒼堀さとし  投稿日: 3月20日(火)00時55分05秒

「師匠、今日こそオレはあなたを越える!出ろぉぉぉぉぉ、グワンダァァム!」
 ドモンがパチンと指を鳴らすとどこからともなくゴッドガンダムが地を割って
現れた・・・。哀れ、近辺の民家、店舗などは巻き添えを食らって倒壊してしま
う。なんちゅうはた迷惑なMFであろうか。

「甘いわ、ドモン!出ろぉぉぉぉぉ、マスターガンダーム!」
 弟子が弟子なら師匠も師匠である・・・。こうして2体のガンダムによってホン
コンの街は壊滅しそうになっていた・・・。その時、

「やめなさーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!」
 どっから現れたのやら、ノーベルガンダムまでいるではないか・・・。
「あんたたち、街をこんなにしちゃってぇぇぇぇぇ。このノーベルガンダムが
香港観光協会に変わってお仕置きよっ」

「・・・・・・・・・アレンピー、ショートカットやめておだんごにでもしたか?」
 ドモンがつっこむ・・・。
「う゛っ、言わなければ誰も気づかないのに〜・・・ってまーいいわ、2人とも
あたしが相手になってあげる!いっくわよー、ガンダムファイトぉぉぉぉ!」

「「「レディーーーーーーーーーゴーーーーーーーー!」」」

 こうして世にもはた迷惑な三つ巴の戦いの火蓋が切って落とされたのだ。


第92話 独立宣言 投稿者: I・C(火裏功)ブルース  投稿日: 3月20日(火)01時22分29秒

「スペースコロニー幾億の民 そして今尚我等が大儀の為戦う将兵達よ 
 我が 茨の園共和政府初代首相 アルテイシア・ソム・ダイクン閣下の言葉を聞け」
あらゆる回線をジャックしてデラーズの声が響き渡る

「茨の園共和政府首相 アルテイシア・ソム・ダイクンです ここに父ジオンの遺志を継ぎ
 スペースノイド数億の民 そしてスペースコロニーの解放を地球連邦政府に要求します」
短いが毅然とした態度で宣言する。

「アルテイシアをよくも担ぎ出してくれたな ハマーン」
シャアがスクリーンを見ながら怒りの表情を浮かべる


「いよいよだな」
ミンドラのブリッジでグレミーが緊張の面持ちで話しかける
「ええ」
ドロシーが楽しそうな表情で頷く

「ガトー少佐」
彼の副官が感慨深げにガトーの名を呼ぶ
「うむ、いよいよ我等が待ちに待った時がきた 我等の大義を堂々と掲げる時がな」

「我々はかつてのザビ家のような独裁ではなく 各スペースコロニーが独自の考えで
 自治を行い そして地球と同じだけの立場に立てるようにして頂きたいだけなのです
 そして我々がガンダム狩りを目的にしているのはかつての一年戦争よりガンダムというMSが
 地球連邦のコロニー弾圧の尖兵としての役割を持っているからにすぎません
 あのティターンズのやり方を見た良識ある方々ならおわかりでしょう
 自分達の意に沿わぬからといってグラナダの市民を人質にとり あまつさえコロニーを落そうとした
 あのような高圧的なやり方をそしてその象徴として使われているガンダムを狩るのが
 我々に託された使命なのです スペースコロニーに住む人々よ そして今まさに各地で戦う
 戦士達よ このような政治しか行えない連邦政府をのさばらせる為に戦うのが本当に正しいと
 お考えなのですか 戦士達よ 今こそ立ち上がる時なのです 私達と共に戦いましょう
 そして自由を我が手に そして私達と共にこの宇宙に真の平和を」
とそこでセイラが壇上を降りていくと入れ替わりにデラーズが壇上に姿を現す

「ムーンレイスならびに連合軍の諸君 君たちは知っているか 反地球連邦組織と称するエゥーゴの
 真の姿を ザビ家の遺児ミネバ・ザビを傀儡とし地球圏を我が物にせんとするシャアの野望を
 そしてティターンズならびに連邦軍将兵達よ 君たちは知っているのか
 かの南極条約を無視し核攻撃も可能なMSを建造するという連邦政府のその思い上がったやり方を
 現在隠蔽されていづこかに保管されているようだがそのようなMSがスペースコロニーに
 対しての恫喝に使われる以外使い道がないことは隠しようもない事実である。
 今地球圏でその命を燃やし戦い続ける君等が間違いに気づき我が軍に合流するとあらば
 快く迎えようではないか 正義と真実は我等と共にあるのだ
 もし我が政府に投降すると言うならばこのエギーズ・デラーズの名において罪は問わない事を
 約束しよう 来たれ若人よ 若き血を燃やしこの宇宙に独立の旗を掲げるのだ」


第93話 暗躍する影 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月20日(火)01時29分34秒

「ところで兄さん・・・」
「どうしたオルバよ?」
「地球圏に戻ってから引き込んだファラとか言う女とクロノクルとか言う男・・・
 信用出来るの・・・兄さん?」
「まぁ・・・まだシロッコに我々を信用させておく必要が有ったから木星帝国に
 引き込んだだけの連中だ・・・シロッコを裏切ろうがその時点の我々には・・・
 たいして関係の無い話だろう・・・それよりも時間だオルバよ」
アシュタロンとヴァサーゴに接近する所属不明の艦が有った・・・
その艦こそタウ・リンが乗艦するヌーベル・エウーゴの新造戦艦アウーラであった。

                             <続く>


第94話 東方不敗 ホンコンに消ゆ 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月20日(火)23時10分32秒

激突するマスター、ゴッド、ノーベルの3機体。其処へ、突如!

「鳳・翼・天・昇〜〜〜!!!!!!!!!」

何者かが放った未知の大技にぶっ飛ばされるマスター、ドモン、アレンビーの3機体。
その衝撃波はホンコンシティ全土を巻き込んで、その町並みの大多数を竜巻の悉く天高く吹き飛ばす。
「うぬっ何奴!」
 趣味の悪い3色に彩られたマスクを被った男・・・ネオ・ドイツ代表、シュバルツ・ブルーダーであった。 
「シュバルツ・ブルーダー!!いつの間にそんな技を?!」
 全くの未知の技に驚きを隠せないドモン。
「ゲルマン流忍術に不可能などないっ!!!それより貴様ら、こんな事をしている場合か!!
今すぐ衛星回線を入れてみろ!」
それは、デラーズが全世界に向けて全ての回線を使って大演説を打つシーンの生放送であった。 
「これがどうしたと云うんだ!!」
 ドモンには、話の趣旨が理解出来ないでいた。
「ストライク・ぶぉーぅる!!!」
 するとシュバルツの懐から飛び出た「硬式野球のボール」がドモンの顔面に向かってストレートに
突っ込んで来た。
「ぶわっ!!突然何をする!シュバルツ!!」
 間一髪避けたドモンは、返す刀でシュバルツを罵倒する。
「甘いぞ!しゅ・・いやドモン!」
 ドモンに向かってお得意の決め台詞をシュバルツが吐く。
「デラーズフリートの思想に多くの宇宙移民者、しかるにコロニー連合が賛同してしまったら、
今の貴様らの存在など、消し飛んでしまうのだぞ!!!!判っているのか!!!!」
「なにっー?!」
「そんなぁ・・・やっと国の代表として晴れ舞台に上がれると思っていたのに〜っ!!」
 呆然自失となったドモンとアレンビーの、アイデンティティーが崩壊していく。
 その2人とは別に、
「デラーズ奴やりおるわい。いや裏にいるのは女狐か・・・あの男に「あれ」を渡す日が近づいたな」
 と、一人影でほくそえむマスター。
「ドモン!ワシはちと急用を思い出した。な〜に案ずるでない。準備が整い次第貴様をこき使ってやるやも知れん。
その時まで精々精進しておくことだな!又会おうぞ!」
 そう云い残すとマスターは、マスターガンダムと共に去って行った。
「あ、マスター・アジア!待て何処へ行く!」
 ホンコンの空にドモンの声がいつまでも空しく響いていた。
                                <続く>


第95話 マドラス陥落 投稿者: I・C(火裏功)ブルース  投稿日: 3月21日(水)00時25分09秒

「グレミー様 ティファは先の戦闘での疲労とアウドムラ特攻の際に受けた精神的ダメージが思った以上に
 大きくしばらくは戦闘にだせる状態ではありません」
ミンドラの医療スタッフがグレミーの前に立つ
「くそ、これからと言う時に ティファの治療を急いでやるんだ」
苛立ちながらグレミ−が指示を出す
「グレミー様 カラバのアーガマは未だ香港にいるようです 再度仕掛けますか」
副官がグレミーに促がすが
「いや、やめておこう 今は連邦とティターンズを先に叩く」
「ここからですと インドにあるマドラス基地ですね」
地図を眺めながらドロシーが言う

「司令 2時の方向に艦影 デラーズフリートです」
マドラス基地のオペレーターが慌てて上官に報告する
「なんだと と、とにかく 全部隊に迎撃準備させろ」
大佐の階級を付けた男が狼狽しながらも部下に命令を出す

「今更迎撃命令を出したって遅いわ」
MDシステムを操りながらドロシーがほくそ笑むとドロシーに操られたビルゴ部隊が
ミンドラから次々と出撃していく

「103機甲中隊 敵MSの攻撃を受け全滅 さらに104中隊が交戦中ですが苦戦中です」
マドラス基地ではオペレーターからもたらされる凶報に司令官がいらついてた
「こちらのMS隊はどうした」
「はっ そちらも苦戦中のようです」
その報告に更に焦りをつのらせる

「ふん、ちょろちょろとうるさい 撃ち落せ」
グレミーが群がる戦闘機をうっとおしげに見た後 命を下す
「グレミー様 いかがでしょう既に我等の勝利は決まっております 降伏勧告を出されては」
とそこへ副官が話し掛ける
「いいだろう」
副官から差し出されたマイクを掴み外部に向かって堂々と宣告する
「私はデラーズフリート ミンドラ艦長グレミー・トトだ これ以上の抵抗は無意味だ
 我が軍に降伏するというのであれば命までは奪わん 即刻降伏せよ」

「司令 降伏しましょう」
部下たちが口々に降伏を受け入れるよう懇願する
「聞こえるかデラーズフリート 我々は貴様等がごとき連中には降伏せん」
見下すように返信する

すると間もなくミンドラの主砲が司令部を破壊すると後に残った兵は各々逃げ出すか投降して捕虜に
なるかしてここに連邦軍マドラス基地はデラーズフリートの手中に落ちたのである


第96話 悪魔の笑み 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月21日(水)12時06分55秒

「御苦労だったフロスト兄弟よ・・・で、手筈はどうか?」
アウーラのブリッジではタウ=リンがフロスト兄弟を出迎えた。
このタウ=リンという男。東洋系で有るという外観的に分かること以外、
年齢、経歴等全て不詳と言う謎の男であり・・・
ヌーベル・エウーゴ内に置いても特に過激派として知られる男であった。
「木星側からの増援は近いうちに到着予定ですし・・・
 旧ジオン系の過激派ゲリラとの打ち合わせも終わっています。抜かりは有りません。」
兄のシャギュアが答える。
「ヌーベル・エウーゴ実行部隊の方は・・・我々の真の計画を知っているのですか?」
弟のオルバが聞いた。
「当然・・・教えていない。
 地球連邦政府の解体と全ての政治犯の釈放、コロニー独立政権の樹立と・・・
 旧ジオン系の宇宙要塞ソロモン並びにア・バオア・クーの返還を求める為の決起
 今回の作戦は表向きには・・・そう言う事になっている」
意味ありげな笑みを浮かべてタウ=リンが答える。
「兄さん・・・宇宙要塞返還の話・・・聞いていないけど
 どういう事なのか知っているの・・・兄さん?」
オルバがシャギュアに問う。
「私も初耳だが・・・恐らくデラーズ・フリート又はネオ・ジオン辺りを
 味方に付ける為に追加された条件だろう・・・
 身柄を拘束されている政治犯にしてもジオン系の人間が多い訳だしな・・・オルバよ」
「その通りだ・・・流石だなシャギュア」
「恐縮です・・・で、計画の発動予定は?」
組んだ指を顎の下に置きながらタウ=リンが答える。
「ああ・・・もうすぐだ・・・そして計画の第一段階が成功した時に・・・
 その時にこそ、我々の真の計画が始まるのだ」
タウ=リンが口の端を歪めて笑みを浮かべた。
そして壁に埋め込まれたモニターが流すデラーズの演説に対して呟いた。
「フン・・・綺麗事を・・・イデオロギーで殺し合いを続けてきた男が何を今更。
 連邦のクソ虫共もジオンの連中もコロニーの愚民共も思い知るが良い・・・
 俺が真の「平等」の意味を教えてやる・・・死は誰にだって平等だと言う事をな」
タウ=リンの表情は正に悪魔のそれで有った。

                        <続く>


第97話 衝撃の真実 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月21日(水)23時20分11秒

ジュドー、ルー両名との再会を果たしたラーカイラムのクルーは、マザー・バンガードのクルーを
伴って、エウーゴの最高責任者ブレックス・フォーラ准将とグラナダにある彼の私邸にて歓談していた。
「よく来てくれたなみんな。 私はブレックス・フォーラだ。」
「准将もお元気そうで」
ブレックス准将に挨拶し握手を交わすシャア。
「いや、よる年波には勝てんよ・・・さて早速本題だが、我々エウーゴは地上軍とも言うべきカラバとの
協力関係を更に強化、主にデラーズ・フリートやティターンズに当たる事と成った。先程ホットラインで
カラバの出資者、ルオ・ウーミン氏の名代であるステファニー・ウーミン女史を通じて、然る方の了承と
協力も得た。例え相手がジオン・ズム・ダイクンの娘であるアルテイシア・ソム・ダイクンを組織の象徴
として立ててきたとしても結局はジオンの残党。公国の理想を捨て去る事は出来んよ。」
「今、関係者のほぼ全員が集まっています。此処で組織の説明をしておきたいのですが・・・
よろしいでしょうか?准将」
 ブレックス准将の話を継ぐ様に、友軍の背景についての説明を准将に進言するトレーズ。
「うむ、頼む」
「エウーゴは元々、旧ジオン兵や現在の連邦の方針を良しとしない連邦軍関係者を中心に組織され、
AEを中心とした宇宙産業系の企業が資金や運営面をサポートする反地球連邦政府組織だ。
最高責任者は准将、実行部隊の総責任者は事実上シャア・アズナブル・・・ここでは便宜上
クワトロ・バジーナ大尉となっている。カラバは同じ様な成り立ちで結成された組織で、
ルオ商会を中心とした地球の財界が資金援助している反地球連邦政府組織だ。
こちらの最高責任者は私、トレーズ・クシュリナーダ・・・」
「え〜!?」
 騒然となる一同。
「宇宙海賊じゃなかったんですか〜!?」
 ルーにしてみれば、あまりにハマッていたので、海賊と疑わなかった様だ。当然の反応である。
「これは私がとある方からお預かりした艦でね、本来の持ち主は別にいるのだ。今日はその方に
この船をお返しに上がったという訳だ」
 と、さらりと云ってのけるトレーズ。
「その持ち主って一体・・・」
 謎が謎を呼び、憶測が憶測を助長する。
 と、そこへ
「遅くなりました。セシリー・フェアチャイルドことベラ・ロナと申します」
「俺はシーブック・アノー。海賊時代はキンケドゥ・ナウを名乗ってたんだが、
今はトビアが継いでくれている」
 気品のある金髪を靡かせた女性と、ノーマルスーツをラフに着こなした青年が
一同の眼前に現れ、挨拶を交わした。 
「お2人にこの艦をお返ししようと思った理由は、デラーズの一件により私の本業の方が
忙しくなりそうだからね。お忍びの木星圏調査も終えた訳だから、これ以上お借りする理由もないという訳だ」
 と、事の次第を説明するトレーズ。
「じゃあ、俺たちも4号機をあんた達に返さないとな」
 すかさず、2人に対して4号機の返還を申し出るジュドー。
「それは構わない。当方にも予備のMSはある、4号機の方は君達にお任せする。存分に使ってくれ」
 快く運用の継続を促すシーブック。
 ジュドーが4号機の性能を十二分に引き出して運用している事を認識した上での判断である。
「そいつはありがてぇ!お言葉に甘えて使わせてもらうぜ」
 実は、この機体を心底気に入っていたジュドーにしてみれば、願ったり適ったりの決定であった。
「しかし・・・トレーズさんの本業って何ですか?」
 何気に本来の話題に戻すルー。先程から彼の正体が気になって仕方なかったのである。
「連邦軍の高官だが」
「え〜?!」
 意外な事実が次々と露呈し、半ば騒然となる一同。
「私は之からシャア、ゼクスを伴ってホンコンに降下し、とある人物を交えて今後のことについて協議を行う」
 と、トレーズが言うとすかさずシャアが
「カラバの戦力補強も検討しなければならんしな」
 と補足する。以前からの最重要課題であった。こういう状況になり、益々活躍が望まれる部隊だけに
事は急を要していた。
「あ、それだったら俺たちが降りるわ。ビーチャ達にも会いたいし」
「私もカラバへの転属を希望します」
 何気に、さも当然の様にジュドーとルーが志願する。
「決まりだな。ブライト艦長やヒイロ達はどうする?」
 ここで、皆の持ち場に対する最終確認をしておこうとするトレーズ。
                                <続く>


第98話 記憶喪失のマーベット 投稿者: ゆらりん@迎春生  投稿日: 3月21日(水)23時37分01秒

漂流していたところをファラに救助されたマーベット…。
この無限に広い宇宙の中で発見されたのは幸運と考えなければならないが、
相手が悪かった。
あの「ギロチン」で悪名高いファラだったのである。
マーベットは爆発と漂流のショックで記憶が欠けていたので、ヌーベルエゥーゴの情報流出はさけることができたが、それを利用されてしまうこととなった。
もちろん、ファラの副官のクロノクルは敵兵を利用してだますような事についていい顔をしなかった。

「マーベット、おまえを助けたのはだれだい?」
「はい。助けていただいたことには感謝しています…」
「そんな目に遭わせた奴らを倒したくないかい?」
「!?」
「ヌーベルエゥーゴの奴らだよ。ここにいれば多分やつらはまたくる。
助けた恩くらい返しておくれよ」
ベッドに半身を起こして座るマーベットはファラの一方的ないいように疑問を感じながらもうなずいた。


一方、残されたシュラク隊とオリファー…。
こんこん。
ジュンコが非番のオリファーの部屋をノックするが、
「少し一人にしてくれ」
と言って一人で考え込んでしまう。
ということを数日繰り返していた。
(やっぱり、オリファーにはマーベットがいないとだめなのかしら?
私では代わりになれない…?)
柄にもなく弱気になるジュンコをみて他のシュラク隊も心配をするが、
かといって口出しもできずにいた。


第99話 MS整備ハンガーにて 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月22日(木)09時18分49秒

「そうそう・・・X4は重力下戦仕様に設定変更だ!」
シーブックやセシリー達と共に地球から上がってきたメカニック担当の少年・・・
弱冠12歳にして天才メカニックマンと呼ばれるキッド・サラサミル通称キッドが
指示を出す・・・此処は停泊中のマザーバンガードのMSハンガーである。
「重力下仕様に変更後・・・一部の装備、仕様変更と・・・再塗装でもするかぁ?」
キッドの言葉に聞き返すのはキッドの仲間のメカマンのナインとロココ
「装備と塗装の変更って・・・どうするんです?」
「なんでまた再塗装なんかを?」
キッドが頭をかきながら答える
「だってさぁ・・・海賊仕様のまま地上に降ろすの変じゃんか」
「それもそうだな・・・じゃあ本来の姿に?」
キッドの考えを理解したナインが聞いた。
「そう言うこと!」
指を鳴らしながらキッドが元気良く答えた
「本来の姿・・・F−00(フォーミュラダブルオー)かぁ」
ロココが言った。
クロスボーンガンダムがサナリィ開発のF−97を仕様変更したもので有った様に
4号機はサナリィのフォーミュラプロジェクトのF−00・・・
F−97の高い格闘戦能力にAEのゼータ、ダブルゼータに負けないパワー、火力
そして可変能力と高い拡張性を盛り込むという計画の元で開発された機体で有った。
F−98,F−99に続くF−100には開発者の趣味によってF−00のコードが
与えられたのだった。
「それじゃ・・・その後でコッチの機体を海賊仕様に変更ですね?」
ナインが格納庫の奥でシートを被せられている機体を指してキッドに言った
「まっ・・・そう言うことになるだろうなぁ・・・とっとと仕上げるぞ!」
「へ〜い!」
キッドの言葉にナインとロココが同時に返事をした。
メカニックマンのお仕事も大変である・・・

                         <続く>


第100話 それぞれの選択 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月22日(木)23時06分55秒

その頃、ブレックス准将の私邸では、各部隊が今後の行動を策定していた。

「俺たちはあくまで連邦の正規軍だが、現状ではそうも云っていられん。超党派的な措置も取らねばならん」
「とりあえずエウーゴと歩調を合わせた方が良いって事かい、ブライト」
「そう云う事だ。何れにせよデラーズの勝手な言い分は見過ごす訳にはいかん。まずは以前から問題になって
いるシーマ艦隊の駆逐に向かう」
 ロンド・ベル隊は、ブライトとアムロの協議によりエウーゴと行動を共にする事にし、まずシーマ隊追撃に
照準を定めた。
「俺もZ>(プロンプト)を受領次第追いかけます」
 其処にカミーユも同行する。
「我々は非常時に備えてグラナダに残留する事にしよう」
 ラーディシュを旗艦とするエウーゴ艦隊はグラナダ残留を決めた。

「マザー・バンガードは本来海賊船ですが状況が状況です、当面エウーゴとの連携を密にしましょう。
我々は再び独自に木星方面の探索に向かいます」
「トビア1人じゃ気がかりだしな」
 海賊軍は、セシリー、シーブック両名が相談の上、木星方面の監視に向かう選択をした。
「判った。私の方は、ララァとジョニーをホンコンに同行させる」
 ネオ・ジオンの面々は揃って地上に降下する選択をした。
 
「俺は抜けさせて貰う」
「ど〜うしたんだ、ヒイロ?これからって時にぃ」
 離脱を仄めかすヒイロに真意を問うデュオ。
「GP−02の行方を追いトロワを探す。あれが今後のカギを握りそうだ」
 彼は彼なりに気になっていた様だった。
「ほ〜っ。で、カトルはどうすんだ?」
「僕は暫くロンド・ベルの皆さんとご一緒します」
「う〜んそうかぁ〜・・・誰もいなくなっちまったら困るだろうしなぁ・・・俺はマザー・バンガード
に残る事にするわ〜」
 又しても散開を選択したGチームの面々。
 デュオも離脱するつもりでいたが、今後の戦力を考えると逼迫するのが目に見えている海賊軍を
見捨てては置けない。一宿一飯の恩もあるという事である。居心地の良さもあった。 
「ロラン君と私は引き続き残ってラーカイラムのお手伝いをしよう」
 引き続きラー・カイラムへの協力を約束するムーンレイスの2人
「助かります。ハリーさん」
 改めて礼を述べるブライト。
「皆の持ち場が決まった様だな。では、諸君らの健闘を祈る」
 トレーズの言葉にて歓談の場は散会となった 
                              <続く>


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