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風使いの館 リレー小説過去ログ


第101話 密談 投稿者: I・C(火裏功)ブルース  投稿日: 3月24日(土)01時01分33秒

「グレミー様 ロームフェラー財団のデルマイユ公がお越しです」
連邦軍マドラス基地を占領したグレミーがミンドラの執務室で後始末をしていた所に部下が入ってくる
「デルマイユ公が  よし丁重にお迎えせよ」
その報告を聞いてグレミーの手が止まる

「デルマイユ公 自分はデラーズフリート ミンドラ艦長グレミー・トトであります」
入室してきたデルマイユ公に向け丁寧に挨拶するグレミー
「わたしが デルマイユだ 日頃は孫が世話になってすまんね」
デルマイユ公がそう述べると手を差し出す
「いえ、ドロシー嬢は今や我が艦には非常になくてはならない存在であります」
そしてその手を握り返しグレミーが答える
「そうかね そう言ってくれるとありがたいねぇ」

「ところで今日はどのような用件で我が艦にお出でになられたのですが」
社交辞令が済みグレミーが本題に入ろうとする
「いや、大した事ではないよ少佐 少し近くを通ったので孫の顔を見に来ただけだよ」
依然として祖父としての顔を崩さず応じる
「そうでありますか」
「そうそう 少佐 君たちはこれからどうするのかね もし欧州に来るなら私に言ってくれれば
 君たちの為に一つ基地を用意しようではないか」
事もなげに言い放つデルマイユ公
「用意」
怪訝な顔で問い返すグレミー
「なに、欧州にある連邦軍の基地にはほとんど我がロームフェラー財団の息がかかっておる
 補給の心配はいらんだろ」

「なるほど、ご好意感謝致します デルマイユ公」
デルマイユ公に対して頭を下げるグレミー
「ではこれで失礼するよ グレミー少佐」
立ち上がり部屋を出て行くデルマイユ公を黙って見送るグレミー するとデルマユ公の側に孫のドロシー
が近寄る


「おじいさま お久しぶりですわ」
ちょこんと頭を下げ挨拶するドロシー
「うむ、久しいのぉ そうだ、どうやらトレーズが動きだしたみたいだ 今まで何処におったのかは
 わからんがとにかく既に議会工作に入ったらしい 気をつけろ」
他には聞けないような小さな声で話掛けるデルマイユ公
「ええ、わかりましたわ」
しかしそう答えたドロシーの口の端がかすかに動き笑みを表情見せた事がわかったものは誰もいなかった



そしてその頃 月のアナハイムでは別の会談が行われていた
「ようこそお出でくださいましたな アリス少佐」
アナハイムエレクトロニクスの重役室ではアリスとオサリバンが向かい合って椅子に掛けていた
「早速だが これを建造してもらおうか」
アリスがそう言って差し出したのはMSの設計図であった
「こ、これは・・・・・」
差し出された設計図を見てオサリバンの表情が凍りつく
「貴様等が極秘裏に建造したシャアのMSの改修型というわけだ」
冷酷な表情でオサリバンに話すアリス
「確かにサザビーに似ておりますが  しかし一体どうやって設計図があなた方の所に」
額にかかる汗を拭いながらオサリバンが応じる
「我々の情報網を侮ってもらっては困る 何も貴様だけが協力者とは思わんことだ」
「し、しかし このようなMSを建造するとなると時間がかかりますな」
動揺しながらも設計図を見ながら思案の表情を浮かべるオサリバン
「あまり 待てんな 来るべく最終決戦には間に合わせねばならん  大急ぎで建造してもらおう」
依然として感情を感じさせない程冷たい口調でオサリバンに迫るアリス
「し、しかし」
「もし、遅れればどうなるかは言わずともわかっているだろうなぁ」
「そ、それでは脅迫ではありませんか」
狼狽しながら抗議するオサリバン
「脅迫   ふっ 貴様等が他の軍に兵器を渡し 影から操ろうとしてるのは知っている
 だがそれを黙認するかわり 我々の要求は最優先で叶えてくれと 取引を持ちかけてるだけではないか」
「と、取引ですと」
アリスの言葉に驚愕のおおお表情を浮かべるオサリバン
「そうだ」
「はっ、かしこまりました」
苦渋の表情を浮かべ設計図をしまう

「それともう一つ 貴様のつてでこのディスクをエゥーゴにいるジュドー少年に渡るように手配してくれ」
そう言うと懐から一枚のディスクを取り出しオサリバンに手渡す
「は、ですが 何故」
「さぁな ハマーン様からの指示だという以外私も知らされておらんからな それにあまり詮索せんことだ
 長生きしたいのならな」
アリスがそう言うとさっさと重役室を出て行きそしてオサリバンが不審そうな表情を浮かべたまま
取り残されていた。


第102話 シロッコの陰謀 投稿者: 昴 大牙@蒼堀さとし  投稿日: 3月24日(土)02時00分40秒

 ファラによって強化人間としての訓練を施されたマーベット・・・。
 短期間のうちに戦闘シュミレーションでファラとなかなかいい勝負が出来る
までに成長していた・・・。

「なんですって・・・あの新型にマーベットを?」
「そうだ・・・タイタニアの性能はお前も知っていよう・・・ただ今のままでは果た
してどの程度の負担をパイロットにかける機体になるのか分からないのだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そこでマーベットをテストパイロットにして、タイタニアをヌーベルエゥーゴ戦
に投入する・・・」
「なっ!!!」
「ヌーベルエゥーゴを殲滅させればそれでよし、もし、機体の性能に体が追い
つかずに壊れてしまったとしても所詮もともと向こうの人間だ、こちらにとって
は痛手でもなんでもない・・・」
「・・・・・・・・・・なるほど」

 こんな会話がファラとシロッコの間で交わされているとは当のマーベットは
知る由もなかった・・・
 こうしてマーベットは新型MSタイタニアのテストパイロットとして、実戦にも
出ていくようになっていた・・・

 オリファーやシュラク隊の面々との再会はすぐそこまで迫っていた・・・。


第103話 マドラスの陰謀 投稿者:アナベルガト-命@水木しげる 投稿日: 3月24日(土)03時05分10秒

そのころデラーズフリート本部茨の園ではマドラス陥落の報が届いていた・・・
 ガトー「閣下!!ついにマドラスが落ちました・・・これであのプロジェクトも完成しますな・・・その暁には・・・他の勢力など蹴散らすのはやすきこと・・・・」
デラーズ「ふ、ガトーよ、声が大きい・・・例のプロジェクトはハマーンどもに知られるわけにはいかん・・・あれが、我々の勝利を導く物だからな・・・ハマーンとて何を考えているかわからぬこちらとしても切り札をもっておかねばな・・・・ふふふふふ」
兵士「閣下!!デルマイユ公から入電です・・・つなぎますか?」
「よかろう・・・」
数秒後モニターに映し出されるデルマイユ公・・・ミノフスキー粒子のせいか画像は若干不鮮明だが彼の鋭い眼光に衰えはなかった・・・
 「お久しぶりです閣下・・・例のプロジェクト・・・どうなりましたかな?・・・」
「ふ、貴公がマドラス基地のあの情報を流してくれねば、このプロジェクトは後3月は遅れたであろう・・礼をいう」
 「閣下・・・礼よりも成果を見せてもらいたいものですなあ・・・もう、生産ラインは完成したのでしょう・・・」
 「良かろう・・・ガトー!!モニターを切り替えろ・・・」
「ハ!!」
 常に宇宙が移されているはずの4番モニターがどうやらMS工場の様子を写し出した・・・そこにはなんと!!
 GP02A・・いや、正確に言えばその改修版らしきMSがハンガーにかかっていた・・・
 デラーズ
 「GP02R・・・核弾頭を連射可能にし、対MS戦も考慮してハンドビームガンを装備・・・
試作機の欠点をすべて克服した新型MSだ・・・貴公のMDシステムを組み込む事により無人にて編成を組、対放射能用の生命維持装置ならびにコーティングを排除する事により量産に成功・・・
そう、このMSが量産の暁には我が軍の絶対的な優位が決まる・・・」
 デルマイユ
 「ふふふ閣下・・・私の手柄を忘れてもらっては困ります・・・マドラス基地に眠る大量の核弾頭の存在をリークしたのは私なのですから・・・のちのち、そちらのほうへお送りしましょう・・・」
 「デルマイユ・・・くれぐれも秘密裏におこなえ・・・駐屯中のグレミーに見つかると後々厄介だ・・・」
 「ご心配なく閣下・・・すでにすべて運び出しました・・・もう2・3日後にはつくでしょう。ふふふ・・・報酬の件・・・忘れないでいただきたい・・・それでは失礼する・・・」
 デルマイユがそういうと通信は終わった・・と同時にモニターはもとの宇宙を映し出している。
ガトー「閣下・・・デルマイユ・・・奴はいつまでもこちらの手のひらで躍っている男ではありません・・・いつか注意したほうが・・・」
 「ガトー・・・心配するなすくなくとも、奴はこちらの切り札はGP02Rだと思い込んでいる
あの新造MAのことまではしらん・・・あくまでも02Rは作戦のサブ・・・メインはあのMAだ」
 「そうですな・・閣下この新造MAブリューナクでわれらの勝利は確実となりましょう。」
・・・ブリューナク・・・ノイエジールの実戦データをもとにデラーズフリート開発部が開発したMA・・・外観はノイエジールを踏襲してるが、全く別物といっていいほどの高性能をもつMA
・・・対要塞戦用を想定されて作られており、コロニーレーザー級の重粒子加速ビーム砲・・・全周囲ミサイル、対艦用陽電子加速砲、メガビームソード等を搭載しているが、特筆すべきは対MS用新システムMDファンネルであり、射出すると自己データに基づきオールレンジ攻撃を仕掛ける
これにより、NT並の攻撃ができるのである。
 ガトー「閣下・・・第二次、星の屑作戦ももう目前ですな・・・次こそは、愚かなる愚民どもに鉄槌を!!」
 「ガトーよ・・・ついに、我々の勝利がちかずいて来たのだ・・・くくくくく・・・」
第二次星の屑作戦・・・この作戦はデラーズフリート内でもごく限られた物しか知らない・・・
そしてブリューナクは刻一刻と完成に近づいているのだった・・・


第104話 木星帰りの男 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月24日(土)06時44分05秒

「シャア大佐」
 白い髭が印象的なジオンの軍服を着た紳士がシャアを呼び止めた。

「シャリア・ブル大尉か。アクシズの方は変わりないか?」
 シャリア・ブル大尉。一年戦争で「木星帰りの男」として恐れられていた彼は、ジオン残党軍が
分裂した時シャアの側についた。ニュータイプ研究所と少しでも関係のあった人間は殆ど、シャアサイド
に流れたと云っても良かった。ある人物を除いては、の話である。

「ミネバ様の話し相手という名目で、エルピー・プルを御付に加えました。同年代の話し相手は必要かと
思い、シン少佐との協議の上で決定致しました」
 ミネバの近況を知り、安堵の表情を浮かべるシャア。シン少佐に預けてはきたものの、ミネバの事と
なると心配で堪らなかった。それは、親が子を見るような心境に近かった。

「それは任せる。周りに同年代の者を置く事も必要だと感じていたところだ。ところで木星圏の動きは
どうなっている?」
 仇敵シロッコがいる木星圏はシャアにとっては一番注視している勢力である以上に、ミネバの事を
考えれば追っ手の対応策も懸案事項であった。
「ジュピトリスを旗艦とした本隊と思わしき一団がアステロイドを通過、現在は火星圏近辺迄迫っている
模様」
「こちらの想定より早いな・・・デラーズに木星の連中か・・・今後どちらに対策の比重を置くかだな」
 グラナダの騒動により、ティターンズに対しての世論の風当たりはきつくなるだろう。弱体化も否めない。
今一番注視すべき組織は、当面この2つという事になる。

「それと1隻の戦艦が木星圏に向かって航行して行きました」
「所属は掴めたか?」
「ムーンレイスと思われます」
「ムーンレイスか・・・・そちらの監視は任せる。私はこれからエウーゴの責任者代理としてホンコンへ
赴き、他の組織の首脳達と今後の対策を練るつもりだ。その後預けていた例の少女を迎えにインドへ向かう」
 報告を受けた刹那、不審に思えたシャアだったが、当面の問題を解決する方が先決と、シャリア・ブル大尉
に今後の自身の動きについて伝えるシャア。
「判りました。お気をつけて」
 シャアに対し、敬礼するシャリア・ブル大尉。
「うむ、また情報を頼む。こちらも追って連絡する」
 そう云って大尉の肩を叩くと、振り向きもせずホンコンに向かうザンジバルに急いだ。
                             <続く>


第105話 ムーンクライシス−序章− 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月24日(土)20時40分04秒

「月にいる邪魔な軍勢はグラナダに残ったエウーゴの一部艦隊のみか・・・」
アウーラの作戦司令室でタウ=リンが呟いた。
「木星からの特殊部隊到着しました。予定通りのポジションに付いています。」
「旧ジオン系ゲリラ部隊への物資・・・届いた模様です。こちらも予定通りの位置にいます。」
「マフティーの部隊も予定ポイントに到着しています。」
「潜入部隊も計画通りに予定ポジションに付いています。準備は万全です。」
「デラーズ・フリート側からも作戦を邪魔する意志無しとの連絡が有りました。」
最後の報告に
「この計画の真の目的を知った後・・・奴等はどう思うのかな? フフフ・・・」
と意味深な笑みを見せるタウ=リン
「万全を期す為には・・・あの連中にもグラナダを離れてもらうとするか・・・
 偽装ティターンズ艦隊の手筈はどうだ?」
タウ=リンが司令室の部下に問う
「はっ!準備出来ております。」
MDシステム搭載ティターンズ仕様のバーザムを搭載した艦をタウ=リンは
秘密裏に用意していたのである。
「よし・・・エウーゴと協力関係にあるアナハイムの船・・・
 ラビアン・ローズに仕掛けろ。距離的に考えてグラナダの艦隊が救助に向かうはずだ」
数時間後・・・グラナダを離れるラーディッシュ
「予定通りエウーゴの艦がグラナダを離れました。」
部下の報告を受けたタウ=リンはニヤリと笑いながら言い放った。
「さぁ・・・ショータイムの始まりだ・・・この世界で最後のショータイムのな・・・」

                           <続く>


第106話 香港無用? 投稿者: I・C(紙坂一)ブルース  投稿日: 3月24日(土)22時30分06秒

「あれぇ・・・さっきも ここを通った気がするわねぇ」
サラが首を捻りながら地図を広げる
「えーっと ここがこうなってぇ こうなるからぁ・・・えーーーーん全然わかんないですぅ」
突然泣きだすサラを通りががりの人が避けて歩く

「あれぇどうしたんですかお姉さん」
しばらくしてサラの背後から声を掛けられる
「あのぉ あたし迷っちゃって」
と言って地図を指し出すサラ
「えーっと これは あれぇ 何処の地図だろうこれ」
サラから差し出された地図を見て男が考える

「・・・・これ ホンコンの地図じゃないですよ」
男が困惑の表情を浮かべながら地図をサラに返す
「え、えぇぇ  違うんですかぁ」
あたふたしたサラを見て男がまた話し掛ける
「よかったら近くの本屋まで一緒に香港の地図を買いに行きませんか」
「あありがとうございますぅ・・・ あの・・・」
男の手を握り締めはしゃぐがふと 男の顔を見つけて問い掛けるような視線を向ける
「あ、僕はイーノ・アッバーブ イーノと呼んでください」
「イーノさんですか あたしサラ・ザビアロフです よろしくお願いしますイーノさん」
ちょこんと頭を下げるサラ
「いや、なんかお姉さんを見てるとほっとけなくて」
頭を掻きながらイーモが笑顔で応じる

「にしても なんで香港に」
イーノが問う
「えっとぉ 観光ですぅ」
「観光ですか でも、今戦争中だから危ないですよ」
「んー でもぉ せっかく来たんだしぃ」
のほほーんと応じるサラ


「げっ、あれは」
まだ香港に居たレインがドモンと歩いていた所 サラがイーノと話しているのを見かける
「どうした レイン」
「え、ええ な、なんでもないわ」
動揺まるだしの口調で言うレイン
「あ、レインさーーーーーーーん」
レインの姿を見つけサラが大きな声で呼びかける
「・・・」
その呼びかけを無視してドモンを引っ張って逃げようとするレイン
「お、おい レインどうしたんだよ」
急にひっぱられ驚くドモン

「レインさーーーーーーん  行っちゃうんですかぁ」
サラが泣き叫ぶ様を見てイーノがおろおろとする
「おいレイン呼んでるぞ」
「レインさーーーーーん」
尚もレインの名を呼ぶサラ

「あぁ もうしょうがないわねぇ」
諦めたように呟くレイン


第107話 失踪 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月24日(土)23時56分02秒

 ザンジバルがグラナダを離れて数時間が経過した頃、ブリッジにエマージェンシーが鳴った。
「待て!発進許可は下りていない!搭乗者は誰か?!」
 事前許可の下りていない機体が発進し、急を要する通信班の声が飛ぶ。
「ZZ発進しました!」
「何!誰が乗っている!」
 発進許可の下りていない機体のパイロットを問い質す副長のドレン。
「ZZにはジュドー・アーシタとルー・ルカが搭乗している模様」
 オペレータの返答に、一瞬声を失うクルー。
「2人共聴こえるか!何故無許可で発進した!」
 2人に事の真意を問い質すクワトロ。
「すいません、クワトロ大尉。リィナがデラーズの手に掛かって・・・」
 通信機越しのルー・ルカの声は悲痛であった。
「捕まってんだよ!今は何も聴かないで行かせてくれ!!頼むよ大尉!じゃあ送信終わり!」
 妹の事となると見境が無くなるジュドー。既に誰に向かって話をしているのかすら認識していない。
しかも彼が今回の経緯の裏に絡んだ恩人の名を知っていたら・・・彼の心境は複雑である。
「ZZを積載していたのか?」
 シャアはZZという機体名が、突拍子もなく出た事に疑問を持った。
「大気圏突入前の奇襲に備えて2機に分離して積み込んであったのですが・・・」
 ZZ搬入の経緯をシャアに説明するドレン副長。
「リィナと云うのはジュドーの妹だったな・・・ジュドー達の足取りは掴めるか!」
 一瞬背後に自身の妹、アルテイシア・ソム・ダイクンの影を感じたクワトロは、今回の事件の因縁
を恨めしく思いながらも他人事とは思えず、ある決心を胸に抱く。
「そのまま真っ直ぐ茨の園のルートです」
「何を吹き込まれた・・・ジュドー・・・ジョニー、ララァホンコン行きは中止だ!
我々も彼らの後を追う。ゼクス特佐いるか?」
 自身の因縁にジュドー兄妹が巻き込まれた形である。其処には恐らくハマーンも介在しているの
だろう。この因縁だけは自身の手で断ち切らなければならない過去に起こした
「自分自身の過ち」なのである。
「はい、シャア大佐」
 クワトロ(シャア)に呼ばれて現れたゼクスは、今後の指示を待つ。
「貴様は私の代わりにホンコンに赴き、ある方と会ってくれ」
「私が追跡任務の方を任されても構いませんが・・・」
 シャアの代理という事は彼にとって予想外の事であった。シャアはこれからホンコンで要人に会う
という大任がある。まさかそれを差し置いて失踪した2人を追うとは思っていなかったのである。
「貴様には地上で会って貰いたい方がいるのだ。だからトレーズ様も貴様にホンコンへの同行
を言い渡されたのだ」
 彼が何故ホンコン降下メンバーに不可欠なのかを説明するシャア。
「・・・判りました。お気をつけて、大尉」
 どうも釈然としないゼクス。自分に会わせたい人物・・・まさか・・・。
「うむ。それからインドに寄ってとある少女を迎えてやってくれ。頼んだぞ」
 そうゼクスに言い渡すと軽く敬礼をし、ジョニー、ララァを伴ってブリッジを退出するシャア。
「ジョニー、ララァ追跡に出るぞ!」
 この追跡劇がシャアにとって「苦い体験」になることを彼はまだ知らなかった。
                                     <続く>


第108話 トロワズレポート−前編− 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月26日(月)23時28分16秒

トリントン基地から強奪したGP−02Aを手みやげにトロワはヌーベルエウーゴに
偽名を使って潜入していた。タウ=リンの計画を調査するためである。
カタカタカタ・・・キーボードをたたく音が響く。
此処はアウーラ艦内のトロワに与えられた私室である。

月面都市群は発電基地からのマイクロウェーブによる電力供給を酸素プラントの
可動を含めた全ての活動の源としている。各都市ごとの緊急発電施設だけでは
大電力を必要とする酸素プラントの可動は2日が限度であろう。
そこで月面各地の発電所のマイクロウェーブ送受信施設を破壊した上で月面最大の
発電基地であり全都士に送電が可能なシッガルト発電基地を制圧すれば月面都士で
生活する2億2千万人を地球連邦政府に対する人質とする事が出来る。
月にはAE等の重要施設が有る事も考えれば月面人(ルナリオアン)を見捨てる
選択は、いくら地球至上主義が目立つ今の連邦であっても取れない筈であろう。
なおかつ月面人は生活基盤たる確固たる大地を持つ上にムーンレイスの様な一見
特別扱いされた自治区を持つために人質とした場合もコロニー居住者からの反感も
人心の誘導に失敗さえしなければ大きい物ではないだろう。
つまり月面各地のマイクロウェーブ施設の破壊とシッガルト基地の制圧をもって
連邦政府に対し要求を呑ませるというのが計画の表向きの姿となっている。
しかし、タウ=リンの真の計画はこの先にこそ有る。

此処までを一気に入力したトロワは一旦手を止めた。
「これを書き上げた後・・・どうやって知らせるかが問題だが・・・」
しばしアウーラから脱出し仲間達と合流する手筈を考えたトロワであったが
「今回も命がけの任務になりそうだな・・・フッ
 データさえ届けることが出来れば・・・最悪、奴等が何とかしてくれるか」
覚悟を決めてデータの入力作業に戻った。
                      <続く>


第109話 サイド7宙域会戦(前編) 投稿者: I・C(火裏功)ブルース  投稿日: 3月27日(火)00時11分12秒

「シーマさま 前方より敵艦 ロンドベルのラーカイラムです」
リリーマルレーン2の艦橋にシーマの副官コッセルの声が響く
「ほう、真打の登場ってことかい」
シーマが不敵に微笑むと
「総員 戦闘配置 あたしのビギナ・ゼラを急いで用意しな」
シーマが全艦に向け叫ぶ

「じゃあな 行ってくるよ ブライト」
ラーカイラム艦橋のディスプレイにアムロの姿が映る
「あぁ 気をつけてな」
シートに座ったままのブライトがアムロの身を案じる

「レズン隊 出撃しました」
一方ムサカの艦橋ではナナイがオペレーターからの報告を聞いていた
「ご苦労、 場合によってはアレを出さねばならん 用意させろ」
ナナイがそう言った瞬間 幕僚たちの間に戦慄が走る
「ですが ギュネイはまだ調整がすんでおりませんが」
「かまわん 相手はガンダムだ」
「はっ」

「くっ やるね 流石はガンダムってわけかい だが所詮あたしの相手をするのにゃあ 10年早いんだよ」
ロランが乗るターンエーと戦いながらレズンが一人コクピットで激昂する
「な、なんだ このパイロットは」
そのレズンの気合に圧されるロラン

「ふふっ よりどりみどりさね」
近寄るネモをものともせずひたすら突っ込んで行くシーマ
「あまいんだよっ」
肉薄しようとしてきた敵を一蹴し叫ぶ
「それにしてもこいつら月から来たはずなのに ガトーはどうして見逃したんだい」
ガトーとデラーズの計画を知らぬシーマがガトーに邪魔されず出てきたロンドベルを見て不審がる

「ハリー大尉ここは任せます オレはあの赤いMSの方に行きます」
ハリーに部隊の指揮を任せ アムロがシーマの元に向かう
「了解した」

「ん、なんだい ガンダムかい やっと手ごたえある相手と戦えそうだねぇ」
アムロのPGを見てシーマの目つきが鋭くなる
「もらった」
その一瞬の隙をつきアムロがビームを放つがすんでのところでかわされてしまう
「はんっ あたしがそんな攻撃で落ちるかい」
避けざまビームを放ちアムロに攻撃するシーマ
「やるな だがっ」
PGを操り 攻撃を続けるが ことごとく避けられてしまう
「ええぃ じれったいねぇ 落ちな」
自分の攻撃をかわされ続けたシーマが焦れる


第110話 最後の賭け 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月27日(火)01時33分25秒

丁度その頃グリプス2には、極秘裏に宇宙へ出たジャミトフがいた。
「グリプス2の改装はどうか?」
 ティターンズ最後の切り札である「グリプス2 コロニーレーザー」の改装は
ジャミトフにとっての最重要事項であった。
「ほぼ、終了しておりますが・・・いかが致しましたか?」
 元ジャブロー基地の防衛士官であったアントニオ・カラスはティターンズ編入以後
ここグリプス2の総司令官の任に就いていた。
「バスクの作戦が失敗に終わった時の「保険」だったのだがな、このグリプス2は」
 これの抑止力を政治的に使って、状況を有利に運びたい腹積もりであったが、バスクの
作戦が失敗に終わった為、否が応にも使って見せねばならない局面にまでティターンズは
追い込まれていたのである。
「なるべくなら、使わずに済ませたいものですな」
 この局面に於いてはコロニーレーザーに縋るしかないティターンズ。もはや剣が峰である
現状では、意地と名誉とプライドに賭けても、他に選択の余地は残されていなかった。
「使わないに越した事はないのだが・・・試射が必要な局面もあるな」
 含みのある言い回しのジャミトフ。この辺に彼のプライドが垣間見えた。
「成る程、仰る通りで・・・」
 ジャミトフ自ら状況を視察しに来るという事は、そう云う事である。アントニオもその辺
は熟知していた。
「いよいよという場面では使用する局面もあろう。その時は頼むぞ」
「了解致しました。ところでジャミトフ様」
「何だ」
「ルナツー宙域にてデラーズ艦隊の侵攻が活発になっておりますが・・・」
 ルナツー宙域では、丁度シーマ隊とロンドベル隊が接触、交戦中であった。その情報は逐一報告
され彼らの手元に届いていた。
「何だ・・・それは暗に試射を要求している様な口ぶりだなフフフ・・・よかろう。
このコロニーレーザーの威力がどれ程の物かやって見せろ」
 初めからこの台詞をアントニオに吐かすつもりでいたジャミトフは、してやったりの表情を浮かべた。
「しかし、射線上には連邦所属のロンド・ベル艦隊がございますが」
 そんな事は承知の上でジャミトフに確認してみるアントニオ。
「愚問だな。奴らは既に「エウーゴ」だ。ティターンズ以外の連邦軍は構わん、捨て置け」
 コロニーレーザー発射に対して「彼らなりの」大儀名分が揃った瞬間であった。
「は、ではコロニーレーザーの試射準備に入ります」
 そそくさと発射準備の指揮をとるアントニオ。
「確実に仕留めろよ」
 最後の最後に本音を漏らすジャミトフ。
 火の入った密閉型コロニーの内部では、大きな光の塊が臨界状態に達していた。
                                     <続く> 


第111話 トロワズレポート−後編− 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月27日(火)19時07分12秒

過去に旧ジオンでハインライン計画なる作戦が立案された。
20年以上前に月の資源探索チームによって偶然発見された巨大なクレバス。
これを利用して月震を発生させて月の連邦軍基地にダメージを与えると言う計画である。
しかし月の地核は地球と比較して余りにも固く衝撃に脆い構造であったために廃案となった
下手をすると月そのものを破壊しかねない危険な作戦だったからである。

タウ=リンはこの計画を実行するつもりなのである。
月面最大の発電基地シッガルト基地の地下には大量の核燃料が保管されており
シッガルト基地を爆発させれば地下の冷却化が進み大部分が硬化している月の地核は
連波作用によりの破砕運動を始まる危険性が極めて高い。
つまり、90%以上の確率で月そのものが破壊される訳だ。
そうなった場合、重力変動により地球並びに全てのコロニーが壊滅的な被害を
受ける事となるのは容易に予測出来るだろう。
タウ=リンと彼に従う一部の人間は全ての人類を滅ぼすつもりなのだ。
彼が何故このような狂気の作戦を実行に移そうとしているのかは不明であるが
誰も世界の破滅など望んでいない筈である。
俺はこのレポートを直接渡すことが出来ないかも知れないが・・・
これを目にした心ある者よ・・・何としてもこの狂気の作戦を阻止して欲しい。

                        トロワ・バートン

トロワがデータの入力を終えるのと時を同じくして作戦開始を知らせる放送が
アウーラの艦内に流れた。MSパイロットとして潜入したトロワにも月の発電所
襲撃の任務が与えられている。この作戦中にヌーベルエウーゴの部隊より離脱して
連邦、ジオン、エウーゴ・・・何処でも構わない、この計画を阻止し得る組織に
レポートを届けることが今のトロワに課せられた最大にして唯一の任務である。
「さて・・・行くか・・・」
基地の守備隊にもヌーベルエウーゴの機体にも攻撃されるであろう危険な戦場に
今、トロワは向かおうとしていた。

                         <続く>


第112話 偵察部隊派遣 投稿者: ゆらりん@迎春生  投稿日: 3月27日(火)21時51分42秒

「ファラ少佐。偵察部隊を派遣しようと思う」
シロッコはファラをブリッジに呼び出して告げた。
「偵察…でありますか?」
「そうだ。最近地球の状況が変化しているのは知っているな?その一部が木星へ近づいているという情報もある。その偵察部隊を君に率いて欲しい。」
(この男、何を考えている?この私に偵察など…。私たちを疑っているのか?
…しかし、タイタニアのテストにも丁度いい…)
「了解しました。早速部隊の編成と準備にあたります」
ファラは敬礼をするとすぐに身を翻し、ブリッジから去っていった。

副官のクロノクル、マーベットを含めた偵察部隊は主にファラがデラーズフリートから連れてきたメンバーで編成されていた。人数こそ少ないものの強化人間が含まれていたりと精鋭ぞろいである。
(ちっ、ファラ少佐は本当にあの女を使うつもりなのか?)
マーベットのことをよく思っていないクロノクルはファラ機をはさんで向こうに飛ぶタイタニアを見ながらつぶやく。
そのころマーベットも考えていた。
(私が漂流していた原因は敵のひとつ…ヌーベルエゥーゴだと、ファラ様は言う…。でも、私の居るべきところはここでは無いような気もする。)

マーベットの迷いをよそに、偵察部隊は暗闇の宇宙をすべるように走り去っていった…。


第113話 サイド7宙域会戦(後編) 投稿者: I・C(紙坂一)ブルース  投稿日: 3月27日(火)22時17分08秒

「ナナイ様 どうやらシーマ中佐が苦戦されているようです」
士官がモニターを見ながら報告する
「そろそろだな ギュネイのヤクトをだせ」
「はっ」

「落ちなよっ」
乱戦の中ターンエーと離れたレズンのギラドーガ改がロンドベルのMSを次々と屠っていく
「ロンドベルだなんだって言ったって こうも弱くっちゃ話にもなんないねぇ」
レズンが舌なめずりしながら愛機を操る前にカミーユが現れる
「これ以上好きにはやらせない」
Zプロンプトのコクピットでカミーユが叫ぶ
「Zガンダムかい でもあたしの敵じゃあないんだよ」
マシンガンを乱射しZに迫るがかわされる
「なにっ あたしの攻撃をよけた」
「貴様のような奴がいるから」
Zのコクピットにカミーユの声が響き渡る
「なっ シールドが」
Zの火力の前にギラドーガのシールドが一瞬にして破壊される
「やってくれたね だけどね あたしはこれぐらいじゃ落ち無いよ」
そう言いざまZの懐に入りヒートホークでライフルを真っ二つにする

「いいかげんにしなよっ」
幾度目かの銃撃でエネルギーの切れたライフルを捨てサーベルを構えるシーマ
「しまった こっちもか」
ライフルを撃とうとしてエネルギーが切れたことに気づいたアムロに焦りの表情が生まれる
「このぉ 落ちなってんだよ」
ビギナ・ゼラがPGに向かって来る
「まだだっ」
攻撃を受け止めながらアムロが叫ぶ
「なかなかやるねぇ あんた相当名の通った奴なんだろうねぇ」
お互いの差し出したサーベルの閃きの中でシーマの声がお肌の触れ合い回線から聞こえる
「さぁな」
「あんた見た事ある顔だね たしか連邦の白い悪魔だね」
「そんな名前で呼ばれてたとはな」
アムロが苦笑する

「なるほど アムロ・レイかい なら相手に取って不足ないねぇ」
シーマの顔が引き締まる
「ん、 新手か」
その時プレッシャーを感じたアムロがシーマの後方を確認する
「ふははは  死ねガンダム」
強化手術を施されたギュネイがコクピットで叫ぶ
「なんだい あたしの邪魔をするんじゃないよ」
PG共々ファンネルの攻撃に晒されたシーマが怒る

「くそっ エネルギーがもたない」
シーマとの戦闘で消耗したエネルギーの残量を見たアムロの額に冷や汗が浮かぶ

その時ムサカ艦橋に居たナナイが頭を抱える
「どうしましたナナイ様」
「この感じなんだ」
「ナナイ様 ルナ2付近より高エネルギー反応 コロニーレーザーだと思われます」
そのオペレーターの報告に艦橋全体に衝撃が走る
「くっ 全艦とMS隊を天頂方面に退避させろっ 急げ」
頭を抑えながらナナイの鋭い指示が飛ぶ

「なにっ コロニーレーザーだと ジャミトフめ何を考えてやがる」
ラーカイラムのブリッジでも凶報が届けられ戦慄が走る
「みんなをコロニーレーザーの射線から外れるように言え」
ブライトの表情が歪む

「な、なんだい コロニーレーザーだと 連邦め」
コロニーレーザーの光が辺りを包んだ少し後 シーマがコクピットで憤る

「これがティターンズのやり方か」
アムロもコクピットで苦い表情になる

「か、艦隊約60%が今ので失われました」
オペレーターが青い顔をしながらナナイに報告する
「ここまでか・・・・ シーマ中佐聞こえますか 我が艦隊の6割が今のコロニーレーザーで失われました
 これ以上この宙域に留まるのは危険です 一旦サイド6方面に退き再起を図りましょう」
スクリーンの前に立ちシーマに上申するナナイ
「くっ 口惜しいねぇ 撤退する ところでナナイあたしのリリーマルレーンはどうした」
「はい、直撃は免れたものの艦の一部が損傷を受けております」
「くっ、 アムロ・レイ 今日は勝負は預けるよ だが次はこうはいかないから覚えておくんだねぇ」


第114話 大気圏突入 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月28日(水)23時18分25秒

 その頃ザンジバルはホンコンに降下する軌道上に乗っていた。
 大気圏への突入準備も粗方整った直後、ブリッジに衝撃が走った。
「敵襲!ティターンズと思われます。敵総数、約20!」
 オペレータの声が艦内に響き渡った。
 このタイミングでの敵襲は、この時代珍しい事ではなかったが、問題はその数と相手である。
 20機もの大部隊、しかも相手が、先程グラナダで手痛い大敗を喫して敗走していったティターンズである。
 その舌を巻くほどの立て直し早さに、ザンジバルのクルー達は驚きを隠せないでいた。

「先程のMS発進をキャッチされたのか・・・出せるMSは!」
 状況を分析しながら、現存する手持ちMSの確認に入るトレーズ。
 しかし、先程シャア達が茨の園へ向かった為に、その戦力は激減していた。
「殆ど出払いましたからね・・・特佐のトールギス3と空きになっているZのみです」
 現存戦力の窮状に困惑の表情で応対するオペレータ。
 ザンジバルに現存する手持ちMSは、ゼクス特佐の愛機トールギス3と、カミーユがプロンプトに乗り換えた為、
大気圏での奇襲攻撃に備えてザンジバル下部に係留しておいた予備戦力のZガンダム、これが残るのみであった。
「私が出る!」
 一人身体を張ってこの状況を打破せんとするゼクス。
「判った、では私がZで援護する。それなら運が良ければ二人して降下出来る」
 トールギス3には大気圏突入に必要不可欠なバリュートシステム(耐熱繊維とエア放出によって機体を包み込み、
大気圏の摩擦熱から機体を保護するシステム)を背負ってはいない。此処での出撃は死をも意味していた。
 しかしZで援護を仕掛ければ、上手くトールギス3と接触さえ出来れば共にホンコンに降下出来るとトレーズ
は考えたのであった。
「しかし、貴様には重要な役目が・・・」
 しかしそれは上手く行けばの話である。100%生き残れる保障はない。ゼクスはその事を気にかけていた。
「それは君だって同じだ。それにトールギス3に大気圏突破性能は無いしな。ここで君を無事然る方に
引き合わせられなければ、シャアに合わせる顔がない。」
 トレーズ自身は、彼を「然る方」に引き合わせるのが一番の役割であると思っていた。
 彼を無事に送り届ける事は、シャアと交わした「約束」でもあった。
「判った、恩に着る・・・」
 マスクの下でゼクスは沈痛の面持ちを崩すことはなかった。
「ザンジバルは我々に構わず降下、真っ直ぐホンコンに向かってくれ。我々も追いついてみせる」
 無二の友人に向けた顔から一変、指揮官のそれになるトレーズ。
「判りました。御武運を」
 労いの気持ちを込めて、2人を戦場へと送り出すドレン副長。
「諸君!ホンコンで又逢おう」
 晴れやかな表情を残して、ゼクスと共にMSデッキに去っていくトレーズ。
 2人だけの戦いが今始まろうとしていた。
                                  <続く>


第115話 デラーズ逮捕 投稿者: I・C(紙坂一)ブルース  投稿日: 3月28日(水)23時28分41秒

「ハマーン様 連合軍のMSがこちらへ向かっているようです」
キャラがセイラの補佐をして執務室にいるハマーンの元に飛び込んでくる。
「ふっ 早くもあのディスクも効果が現れたということか では、私が迎えに参ろう
 キャラ 私のキュベレイを用意させろ」
「ハマーン様どうやらこちらに向かっているのはジュドーだけではないようなのです」
そのキャラの言葉に眉をひそめるハマーン
「どういうことだ」
「はっ どうやら赤い彗星が後ろからついて来ている模様です」
「くっ、奴が来ただと まだあのMSは完成していないというのに」
口惜しそうに呟くハマーン

「キャラ ついて来い ルペ ピピニーデン両部隊と共に迎撃する」
指示を出しながら乗艦に向かおうとするハマーン
「ハマーン様 報告は聞きました 我々にも出撃許可を」
セイラの護衛として部屋の外に控えていたラルが許可を求める
「それには及ばん 貴官にはアルテイシア様の護衛の任を与えている よいな側を離れるな」
「はっ」
「イリア ランス ニー」
ハマーンが名を呼ぶと同じく控えていた3人が姿を現す
「先だってラカンからガトーが任務を放棄しいずこともなく消えたという報告があった
 ガトーの影には必ずデラーズがいる 奴の艦隊司令の任を解き監視せよ
 怪しい動きを見せたら構わん 即刻処刑しても構わん」
「はっ」
頷いて即座に側を離れる3人

「何の真似だ貴公等」
それから数分後自分の執務室でデラーズの頭にイリアの銃がつきつけられる
「何の真似 ふっ 自分の胸に聞いてみるんだな」
「な、貴様等 何を うわっ」
用事を終え戻ってきた秘書官がその様子を見た瞬間 ランスの銃で撃たれる
「貴官の任を解き しばらく静養してもらう」
「なにっ」
「貴官が何を考えてるかはわからんが いや、今更聞いても仕方ないな」
「ハマーン様の勅命により デラーズ中将を謀反の容疑で逮捕する 連行しろ」
ニーがその場にいる将兵に聞こえるように宣告する
「いいか、ガトーに伝えろ 下手に動くと貴様の敬愛する上官の命はないとな」


第116話 灼熱の大気圏 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月30日(金)23時13分40秒

カクリコン・カクーラ大尉率いるガブスレイ部隊が、ザンジバルに接近しつつあった。
「今回の作戦について説明する。敵艦ザンジバルの降下ポイントはホンコンである事は明白である
ホンコンではエウーゴ、カラバの主要メンバーが集結しつつあるという情報も入手済みである。
我々の任務は敵艦及び搭載MSの撃破が目的であるが、縦しんば此処で撃ち漏らしたとしても、
各機バリュートにてホンコンに降下、議会場を占拠、各首脳を拘束し敵陣営に圧力をかけられれば成功である。
我々は先の作戦での失敗により後の無い立場である。その事を十分肝に銘じて戦って貰いたい。
諸君らの健闘を祈る。以上だ」
 ガブスレイに乗り込み、今回の作戦の概要を部下に説明するカクリコン。
 2隻のアレキサンドリアから発進した18機のMS部隊は、Zとトールギス3に向かって突出していく。

「来たな」
「一気にそしてエレガントに行こうではないか」
 接近する敵部隊を前に軽く身構えながらも、その表情にはある種の余裕のようなものが
漂うゼクスとトレーズ。 
 戦闘は2人の技量が多勢を圧する展開を見せた。
「敵はたったの2機だ!何をしている!・・・うわぁっー・・・アメリアーッ」
 無念にも、2人を撃ち果たせず大気圏に散って行くカクリコンのガブスレイ。
「カクリコン!!!貴様らーっ!」
 大気圏に散ったカクリコンを見て、怒り猛るジェリド。しかし・・・
「手応えの無い奴らだ・・・これがティターンズか・・・笑わせる。トレーズ、MSは貴様に任せた
私は戦艦2隻を落とす!」
 圧倒的な技量の差を露呈するMS戦に嫌気が差したのか、さっさと戦艦に
そのターゲットを変えるゼクス。
 暫くしてメガキャノンの強大な閃光が2隻のアレキサンドリアを直撃する。
「了解した。さて、君達・・・戦いはもっと優雅に・・・エレガントに行ってくれ給え」
 ロングビームライフルの先を光らせてビームナギナタとし、それ1本を武器に戦場を縦横無尽に
駆け回るトレーズのZ。太刀打ちできる者など誰もいよう筈がなかった。
 成す術なく、次々と大気圏に散って行くガブスレイの一団。

「そろそろ限界高度だ・・・ゼクス、こちらに飛び乗れ!」
 高速変形を完了し、トールギス3を受け入れる準備を整えるトレーズのZ。
「そうさせて貰う」
 Zの上に乗ったトールギス3は、メガキャノンを置き姿勢を低くして大気圏突入に備える。
 その背後では、2隻のアレキサンドリアが光の玉となって轟沈していった。
「くっそー!此処までか・・・バリュート展開!」
 又しても惨敗を喫し、苦渋の表情を浮かべながらバリュートを展開するジェリド。
 友と、帰る処と十数機に渡る友軍を失い1人きりとなった彼には、もうなす術が無かったのである。
 
「バリュートの欠点を曝け出しているな」
 ガブスレイの後に続く様に降下したゼクスたちの視点からは、バリュートの耐熱繊維に包まれ
無防備にも仰向けに全体を晒すガブスレイが酷く情けなく映った。

「まさか・・・こんな状況の敵を撃ち落とす様な君ではないな」
 取り敢えずゼクスに問い質すトレーズ。彼の美学に反する事であっても、これがカミーユなら
やりかねなかったであろう。
「当たり前だ・・・この決着は地上で着ける!」
 決然と言い返すゼクス。彼もまたそのような戦い方を望んではいなかった。

その後、3機のMSとザンジバル一隻はものの数分で大気圏を抜けた。
                                 <続く>


第117話 茨の兄妹 投稿者: I・C(紙坂一)ブルース  投稿日: 3月30日(金)23時31分22秒

「リィナ 待ってろよ 俺がすぐに迎えに行ってやるからな」
悲痛な表情でZZを操るジュドー

「くっ ジュドー待つんだ ここで行ってはハマーンの思うツボだ」
通信機からシャアの声が聞こえるがそれに構わず広大な宇宙を進むZZ
「ええぃ、 このままでは追いつかん 加速する ついて来い ララァ ジョニー」
「待ってください 大佐」
キュベレイのコクピットでララァが制止する
「どうした、ララァ」
「感じます 前方からハマーンのプレッシャーを」
「なにっ もう見つかったってーのかよ」
ララァの話を聞いて ジョニーが悔しそうな表情になる
「こうなったら 好都合だ 一気にハマーンを叩く 行くぞ」
百式のコクピットでシャアが宣言する

「ふっ よく来たジュドー待っていたよ」
キュベレイのコクピットでハマーンが微笑む
「ハマーン リィナを返せ」
激情に駆られ叫ぶジュドー
「このまま黙って私について来い そうすれば妹と会わせてやる」
「わかったよ」
唇をかみ締め応じるジュドー

「待て、ジュドー」
その時シャアが制止しようとする
「俺は・・・俺はリィナを助けに行く ほっといてくれよ クワトロさん」
「さぁ 来いジュドー」
優しく迎えいれるようにキュベレイの手を差し出す

「させはせん」
シャアがトリガーを弾きキュベレイを撃とうとした所に別の方角からビームが飛んでくる
「ちっ」
「大佐 囲まれてます」
ララァの悲鳴が上がる
「なにっ」
周りにはキャラ ピピニーデン ルペのMS隊が3人を逃がすまいと取り囲んでいた
「あっはははははは  あんたらの相手はこのあたしだぁ」
ゲーマルクのコクピットでキャラが高笑いをあげながら叫ぶ
「赤い彗星に 紅い稲妻か ふふ手柄はもらったな」
リグ・シャッコーのコクピットでルペが静かに笑う

「ジュドー 後ろに下がっていろ シャアを片付けた後でリィナと会わせてやる」
かばうようにZZの前に移動するキュベレイ
「ああ」
小さく応じるジュドー

「落ちなさい」
ララァの声がキュベレイのコクピットに小さく響く
「あはは ファンネルかい こっちも行くよ 行けファンネル」
ララァと対峙したキャラが叫ぶ
ララァの放ったファンネルがデラーズフリートのMS隊を翻弄していくがその隙を狙ったように
キャラのファンネルがララァを襲う
「このパイロット 出来る」
ララァの額に汗が浮かぶ
「なにぃ 当たらないだと  なんでだよ」
イライラした口調で呟くキャラ

「くっ 2対1かよ ついてねーなぁ」
攻撃を避けながらも軽口を叩くジョニー
「ほぉ 流石は紅い稲妻だな 俺たち二人の攻撃を避けるとはな」
ピピニーデンがリグ・シャッコーを操りながら感心する
「まったく しつこいねぇ」
ルペが呆れたような表情で呟く

「ちっ」
ファンネルを振り払いながらシャアが舌打ちする
「なんだ、増援か」
シャアが前方に生まれた光を見つめるとラルの蒼いドーベンウルフを従えたノイエジール2が姿を現す
「キャスバルにいさん お退きなさい」
通信機から妹の声が聞こえ 愕然となるシャア
「アルテイシア様」
キュベレイの右腕を胸の前に当て頭を下るハマーン
「大佐」
ララァが悲壮な声で呼ぶ
「アルテイシア 馬鹿な真似はよせ ハマーンに操られてると何故気づかん」
スクリーンに映る妹に向け怒りの声を上げるシャア
「決めたことです にいさん」
毅然というより突き放したような態度で応じるセイラ
「ハマーン ミネバだけでなくアルテイシアまで よくもっ」
ハマーンに向け突っ込んで行くシャア
「ふっ 貴様ともここで終わりだ 落ちろ」
叫びファンネルを放出するハマーン
「ええぃ どけっ」
ファンネルを潰しながらキュベレイに迫る百式だが打ち洩らしたファンネルがその無防備な背中を狙う
「大佐 いけません」
ファンネルからビームが放たれた瞬間 百式をかばうように動くララァのキュベレイ
「くっ」
直撃は免れたが左腕が吹き飛ぶ
「ララァ 無事か」
「ええ、ですがこれ以上の戦闘は無理かと」
左腕を盾にしたものの本体自身もダメージを受けてしまっていた 
「くっ ここまでか いったん月へ戻るぞ」
「了解」
二人の声がハモる

「逃がさないよ」
キャラが逃がすまいとするがハマーンが制止する
「待てキャラ 行かせてやれ シャアごときいつでも始末できる 今はジュドーを我が茨の園に迎えるのが
 先だ」

百式を操るシャアの顔には苦悩の表情が浮かんでいた
「こうなったら アレの修理を急がせねばなるまい」
そう決心するシャア


第118話 悲しき再会 投稿者: 昴 大牙@蒼堀さとし  投稿日: 3月31日(土)00時29分15秒

 ファラやクロノクルと共に偵察に出ていたマーベットはふと懐かしい感覚に
とらわれた・・・。

「なに?この感覚・・・何だか懐かしい感じがする・・・」
「どうした?マーベット」
 ファラに聞かれたマーベット。
「何か懐かしい感じがするんです・・・何か・・・何か思い出しそうで・・・」
「(ふふふ・・・そろそろ同志討ちでもしてもらうとするか・・・)」
 ファラは内心こう思ったが、口に出すことはなかった。

 その頃、オリファーとシュラク隊のメンバーは来るべき、敵の襲来に備えて
周辺宙域を偵察していた・・・。
 オリファーはそんな中、レーダーに映るMSに気づいた・・・。機体を照合して
みても、該当するようなMSは存在しない・・・。敵の新型だろうか・・・。
「前方に所属不明のMSが接近している・・・戦闘態勢に移行し、警戒を怠るなよ。」
「了解」
 その時、敵MSが攻撃を開始してきた・・・。
 ミノフスキー粒子のせいで通信が出来ない・・・。オリファーが敵MSに攻撃し
ようとしてライフルを構えたとき・・・途切れ途切れの通信から信じられないよう
な事実が判明したのである・・・。

「こちら・・・・シロッコ・・・偵察部隊所属・・・タイタニアパイ・・・マーベット・フィンガーハット・・・直ちに降伏して・・・(ザーザー)」
「なっ!!!!!」
 確かに通信から途切れ途切れ聞こえてくるのはマーベットの声である・・・。

 こうしてオリファーとシュラク隊の面々はマーベットと再会した・・・。
 ただし、敵兵としてヌーベルエゥーゴに対して、牙をむいてきたのである。
 オリファーたちはまだその事実を信じられずにいた・・・。

「嘘だろ・・・嘘だと言ってくれよ・・・なあ、マーベット!」
 コクピットの中にオリファーの叫びが轟いた・・・。


第119話 爆炎に消えたトロワ 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月31日(土)23時23分50秒

アウーラのMSデッキにトロワは居た。
GP−02Aを手みやげにヌーベルエウーゴに潜入したとは言え通常の出撃時に
これに搭乗する訳にもいかない。もう1機の持ち込み機体シュツルムディアスの
最終整備を終えコクピットに滑り込んだ。
「作戦開始だ!MS隊全機発進準備」
カタパルトから次々と射出されるタウ=リン配下のヌーベルエウーゴのMS隊
そしてトロワの機体が射出される瞬間に艦内で爆発が起こった。
トロワがアウーラの各部に秘密裏に仕掛けた爆弾が爆発したのである。
「この隙に・・・」
シュツルムディアスのスラスターを全開にしてアウーラから脱出を試みるトロワ。
だがトロワの眼前にガンダムヴァサーゴに乗るシャギアが立ちふさがった。
「どうやらネズミが忍び込んでいたようだが・・・何処へ行くつもりかな?」
右腕を伸ばしてトロワの機体に掴みかかろうとするシャギアだがギリギリでかわされる。
「ふっ・・・なかなかの腕前だ・・・だがっ」
左腕のビームガンを連射するヴァサーゴ
「ふっ・・・ガンダムタイプと言えどもこの程度の腕なら・・・ぐわっ」
機体を急旋回させて紙一重でかわしたかに見えた瞬間、衝撃がトロワを襲った。
「甘いよ・・・僕のことを忘れて貰っては困るよ・・・ねっ兄さん」
オルバ・フロストのガンダムアシュタロンのクロー攻撃が後方より死角を付いて
トロワのシュツルムディアスの左肩を直撃した。
「くっ・・・貴様等と遊んでいる時間は無い」
回避運動を取りつつシュツルムディアスを加速させるトロワ。
「僕のアシュタロンをなめて貰っては困るよ」
MA形態に機体を変形させてシュツルムディアスを追いうオルバ。
「逃げ切れないか・・・ならばせめて・・・誰でも良い此に気付いてくれよ」
方向を確認してクレイバズーカを有らぬ方向に全弾発射するトロワ。
この弾丸にはトロワのレポートを収録したデータディスクと発信器が仕込まれている。
万一アウーラからの脱出に失敗したときの為の保険である。
「何処を見ている!」
アシュタロンの機首の4連ビームガンとアトミックシザースに内蔵されたビーム砲が火を噴く
「くっ・・・やっかいな機体だな」
回避運動を取ってはいるもののかわしきれずに被弾するトロワ機
「裏切り者を逃がすな!」
アウーラより発進したヌーベルエウーゴのMS隊もトロワ機に向けて発砲する。
何発かの至近弾がトロワの機体をかすめるが逆にトロワは此を好機と見た。
「しめた」
機体を旋回させアシュタロンの裏側に機体を回り込ませるトロワ。MS隊はトロワ機に
向けての発砲を続けている。間に挟まれたアシュタロンにも至近弾がかすめる。
「馬鹿が!何処に向かって撃っている!」
味方の攻撃を受けたアシュタロンのコクピットでオルバが毒づいた。
「今ならば」
シュツルムディアスのスラスターを全開にするトロワ。
一瞬の隙を付いてみるみる離れて行くトロワのシュツルムディアス。
本来、リックディアスをベースに一撃離脱戦法を基本とする高速戦闘型として開発された
このMSをトロワはスラスター類を換装するなどしてさらに高速機に改造してあった。
通常の機体では全開加速に入ってしまえば追いつけない程の加速を見せる。
「オルバよ・・・そこを離れろ」
シャギアの指示がMAモードでトロワを追うオルバの耳に届く。
「分かったよ・・・兄さん」
アシュタロンが機体を翻した瞬間にその場所を輝くビームの奔流が走り抜けた。
ヴァサーゴの腹部に内蔵されたメガソニック砲が火を噴いたのである。
背後からメガソニック砲の直撃を受けて炎の花を咲かせてシュツルムディアスは消し飛んだ。
「ふっ・・・他愛ない・・・作戦に戻るぞオルバよ」
「兄さん・・・スパイの死を確認しなくて良いの?」
「オルバよ・・・作戦は既に開始されている・・・他の部隊は既に動き始めている筈だ
 今の我々には時間が無いのだ・・・それにメガソニックの直撃を受けていては
 死体すら残るまい・・・さらに・・・この宙域には他に軍勢は居ない・・・」
「分かったよ兄さん・・・仮に脱出していても助からないって事だね」
アウーラの爆発で混乱しているMS隊を再編成しつつも弟のオルバに語りかけるシャギア
「アウーラの破損が気がかりだな・・・オルバよ」
「計画の変更が必要になるのかな・・・兄さん」
「まぁ・・・それはタウ=リンが決めることだ・・・オルバよ」
「そうだね・・・兄さん」
フロスト兄弟は作戦遂行のためにヌーベルエウーゴのMS隊を率いて月を目指して発進した。

                          <続く>


第120話 ミラーinザ ムーン 投稿者: I・C(紙坂一)ブルース  投稿日: 4月 1日(日)20時33分58秒

月に迫った脅威に気づかないアリスがムーン・レイスの本拠地に現れていた
「お初にお目にかかります ディアナ様」
アリスの前にはムーン・レイスの総帥ディアナ・ソレルが静かに佇んでいた
「私のごときものにディアナ様と直々に面会させて頂けるとは光栄であります」
膝を折りうやうやしく頭を下げるアリス
「アリス少佐 敵方であるわが方に何ゆえいらしたのですか」
「はい、単刀直入に申し上げる 我がデラーズフリートにはムーン・レイスの方々のお力が必要なのです」
「しかし、私たちはすでにエゥーゴの方々と盟約を結んでおります」
きっぱりと断るディアナ
「それは承知しております 故に今すぐエゥーゴを見限れとは申しません ただ、エゥーゴに対する支援
 を打ち切って 傍観して頂きましょう」
ディアナから視線を逸らさず語り掛ける
「傍観」
眉を顰め訊ねるディアナ
「ええ、そうです」
事もなげに応じるアリス
「我々はエゥーゴの方々の信頼を裏切るつもりはありません お引取り下さい」
「ふ、わかりました 今日はこれで失礼致します」
すっと立つとそのまま振り返らずに歩いていく

「アリス少佐 これを」
アリスが出てくるのを待っていた部下が一枚のレポートを差し出す
「これは何だ」
「はっ ラカン艦隊が月軌道上に漂っていた筒の中にあったディスクを解析したものです」
そのレポートこそトロワが打ち出した弾丸に入っていたディスクの中身である
「これは・・・・・」
レポートを読む内アリスの表情が厳しくなる
「ラカン大尉より指示を求めております」
「ふむ」
何か考えるようなしぐさで応えるアリス
「よし これからのアポイントはすべてキャンセルして情報収集に移る 付近の情報部員を全て
 動員して事に当たらせろ」
「ラカン大尉の方はいかがいたしますか」
「私に艦隊の指揮が出来るわけなかろう とりあえずあの方にお会いして指示を仰ごう」
苦笑して部下に指示を出すアリス

「では早速 アポイントを取ります」
「うむ」


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