このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
秋の一日、奈良 を訪ねた。JR奈良駅は昭和9年の建物。古都奈良をイメージさせる駅舎である。 駅前にある旅館「住よ志」はかつては木造三階建ての建物だったらしいが、その痕跡は全くない。 |
三条通りを東へ。第一勧銀奈良支店(勧業銀行奈良支店 昭和6年)は健在。銀行 が休みの日はその場所に露店が店開き。 |
(第一勧業銀行奈良支店はその後、建て替えられて、上写真の建物はもうない。新しい銀行の前にかつての建物の装飾が保存されている。) |
イタリアレストランがはいっているビルは少し装飾があって古そう。 南都銀行本店(六十八銀行奈良支店 大正15年)も健在。 |
アーケード街のなかほどに奈良キリスト教会がある。昭和5年に建てられた和風の教会だ。玄関先の屋根に十字架がなければ教会だとは思えない。先頃亡くなったマザー・テレサの写真展をやっていたので中にはいって見る。 |
国道 369線を越 えて奈良女子大に向かう。女子大のそばに北魚町派出所が残っている。 奈良女子大の本館は明治42年に建てられた木造二階建の建物で重文に指定されている。本館は明治42年に建てられた木造二階建て、一階は事務室、二階は講堂になっている。一般公開日だったので内部を見学させてもらう。現在、一階には昔の写真パネルや開校当時の書類、修学旅行の記録などの文献資料、動植物などの標本が展示されている。 |
奈良少年刑務所を見にいく。ここには明治41年に建てられた 煉瓦造りの建物がある。煉瓦造りの門の姿だけでも立派なもので、塀の内側に見える本館など近寄れないのが残念な施設だ。 刑務所をあとに国道を南に下ると今小路に郵便局があったが、建替え工事をしていた。 |
東大寺の南大門を通って奈良 県新公会堂を見にいった。かつては明治36年に建てられ和風の奈良県公会堂があったが、老朽化のため建て替えられた。玄関横に「鴟尾の庭」という旧公会堂に使われていた鴟尾が記念碑的に置かれている。建物のなかに入ると旧公会堂の模型がおいてあった。 奈良国立博物館の付属施設として活用されている重文指定の旧奈良県物産陳列所(明治35年)、奈良国立博物館から興福寺を抜けて三条通りのほうに向かう。博物館の新館では恒例の「正倉院展」が開かれており、入場を待つ長い列ができていた。旧館は改修工事が行なわれているらしい。 |
角振町から奈良町とい われる古い町屋がところどころに残る界隈を適当に歩いているうちに奈良市立史料保存館に行き着いた。 町屋を資料展示スペースにした無料の施設。狭い展示場ながらも奈良町に関する資料などが展示されている。史料保存館のそばに「あしびの郷」という施設がある。ここも町屋を改造した民間の施設で、工房、ギャラリー、土産物屋などになっている。 北に向かうとアーケード街の外れに下御門郵便局を発見したが、すでに建て替わったらしく新しい建物だった。 角振町を再度南へ下って木辻町近くまで来た。かつて花街があったところ。この近くに奈良市音声館(おんじょうかん)という施設がある。わらべうたを通して市民交流の場としようというところで会議室、ホールなどが備わっている。 京終駅近くの田中町には奈良市ならまち振興館がある。大正時代に建てられた民家 を地域の社交の場として解放している。二階の展示スペースには友好都市からの贈り物などが展示されている。 そこを北に向かうと奈良市ならまち格子の家がある。古い町屋を再現した施設で昔 ながらの生活が偲べる。ちょうど「墨をつかったポスター2人展」というのをやっていた。さらに北に向かうと寧屋工房(なやこうぼう)がある。町屋を改修した工房で、赤膚焼などが並べられている。 このあたりは高いビルもなく伝統的な町屋が並んでいてよい雰囲気が保たれている。奈良町物語館は町屋を改修した交流センター。蚊帳を商っていたという町屋は生活民具、看板など幅広く収集、奈良町資料館として無料で公開している。奈良町資料館の別館に今昔工芸美術館もある。 そこから東に向かうと旧大乗院庭園がある。その隣接地に日本ナショナルトラストが建設した名勝大乗院庭園文化館がある。庭園に関する資料や復元模型が展示され、旧大乗院庭園もそこから眺めることができる。 そこからさらに東に向かって高畑地区に行く。ここには志賀直哉旧居がある。自ら設計ししたもので、昭和4年ここに引っ越し、「暗夜行路」を完結したり多くの作品を書いたところだ。数寄屋造りを基調にした住宅ながら洋風のサンルーム、娯楽室が設けられ、当時の著名な芸術家、作家らが多数出入りしたことから高畑サロンと称される。(入場料は 320円、書斎、サンルームなどを覗くことができる) 高畑付近にはいくつか洋館も残っているようであったが、秋の日は短く、早々に奈良駅方面に取って返す。 (取材 97.11.1.) |
◎奈良ホテル 明治42年に建てられた木造2階建てのホテル。奈良の歴史的景観を配慮した和風の建物で、大棟には鴟尾がのっている。関西鉄道の社長らが発起人となって設けられた施設だそうで、今もJRホテルグループのホテルのひとつになってるのはそういう経緯によっているのかもしれない。外観もさることながら内部装飾も立派である。 |
◎琵琶湖ホテル 琵琶湖畔に建つ鉄筋コンクリート造の建物ながら、玄関ポーチは桃山風の唐破風、屋根は比翼入母屋造という絢爛たるホテル。昭和9年に建てられたもの。いささか老朽化しており、建て替え計画があるようだ。 |
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |