「ダブルメロン」

Pascoシキシマ（以下、シキシマパンと記す）の「ダブルメロン」は、東京のコンビニで買えない物の筆頭である（と思う）。寿がきやの袋入りインスタント「味噌煮込み」もそう。ただ、関西系のローソン（本社:大阪府吹田市）では寿がきやの物件が入れ替わり立ち替わりなのを目にする。

元々カップ麺商品の新陳代謝は凄まじく、3ヶ月もすると店頭の風景が一変（2〜3年前の夏頃に出回った"夜鳴き屋のとんこつ"が、ニンニクの香りや麺の印象が熊本らしくて好きであった〜3ヶ月のインターバルの後に再販された物は香辛料が添付されて味のバランスが変になった）。それに対し、ナベで煮る袋入りインスタント麺はめっきり流通量が減ってるように感じられ、従って新商品の投入もパッとしない感じ。そんな中で定番商品が陳列してあると心がなごむ。寿がきやの「味噌煮込み」は名古屋の逸品で、トータル6分間煮込んでも「コシのある太いうどん」と紛れもない「ミソスープ」は、それを以てご飯のおかず足り得る「本物」のテイスト。これが東京ではさっぱりお目に掛からないのが寂しい限りである。ローソンで「カップ麺タイプ」や「生タイプ」なんてのは見掛けたが、前者は特徴の「コシ」が物足らず、後者はスープに凝り過ぎてカップのくせに作るのが面倒な割に感動がなかった。

いわゆる「メロンパン」…タマゴで表面をコーティングして焼き上げた丸い奴は菓子パンの帝王であり、出荷数量が最も多いそうだ。シキシマパンのダブルメロンは菓子パンとしてはポピュラーな形態の、細長コッペパンの中央にタテの切れ込みを入れ、そこに「メロンクリーム」なるものを挟んだ物。切れ込みが2条になっていてクリームが左右にダブルで入っているのが商品名の表すところであり、デラックス好きな名古屋人の気質を的確に捉えている。メロンクリームはうす碧色で、知らないと一見「わさびパン」みたいだが、その芳香はあくまで人工的に強調されたメロンであり、食後、ビニールの包装を洗剤で洗浄して乾燥させた後も、残り香がハッキリ残っていた。

コンビニに当然あるべきダブルメロンが、東京にない。ファミリーマート〜ミニストップ〜サンクス〜エーエムピーエム〜ローソン〜セブンイレブン〜サークルK〜サンエヴリー〜スリーエイト(だっけ)など行ってみたのだが、最近では「焼きたて」をウリにしたPB商品が流行してて陳列棚の様相も一変しているし（何を以て"焼きたて"とするか議論もあった）。Pasco製品が売場の大半を占めていた「トークス」(…東急系列の東弘商事経営）でも、メロン系は「メロンパン」へのアレンジであり、コッペパンではなかった。歯にひっつくメロンパンより食べやすく、単刀直入にメロン味でナイスなのに、よく消費者が黙っているものだ。取材が足りないということも考えられるので、努めてスーパー、コンビニ等へ立ち寄ることにしよう。東京で「Pasco」といえば青い看板〜トレードマークで、コンビニ等にもまあまあメジャーに供給している。関東の工場では生産していないのだろうか。今度、立川の工場の直販店に行ってみよう。サイクリングついでに湘南工場（神奈川県高座郡寒川町）に行こうか。

個人的見解で申し上げると、東京近在のパン工場直販店では新青梅街道上り線の東久留米市と小平市の境にある「山崎パン」の方がナイスだった。