このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

やまなみ・やまのゆ・やまあるき(阿蘇YH〜高千穂バスセンター)


 目が覚めて、いろいろと準備してから外にある食堂へ行った。既に皆食べ始め ていた。中には終わりかけの人もいた。どうも私が最後だったらしい。  私は最後に来たのだけれど、同じ机に座っていた子供よりは先に食べ終えた。 その子は、苦手な食べものがあるのかいくつか食べるのに困っているものがあっ た。その中には魚を甘く煮たものがあって、「甘くて美味しいで」と食べるよう 促してしまった(余計なお節介)。  食後、部屋に戻って出発の最終準備をしていた。先ほどの子とはどうも同じ部 屋だったらしく、声を掛けられ少し話しをした。  その子は、大阪の方の子で、父親とツーリングしているそうだった。また、母 方の祖父母は今住んでいる町にいるようだった。私は知らない方だけれど、旅先 で住んでいる町に出会えるとは、不思議なものだ。  準備が終わったので、YHを出発した。まず、レンタカーを返すために赤水の 営業所へ行った。事故もなく、返却時間の9時にも間に合いホッとした。ここか ら歩いて、赤水駅へ行った。  昨日は無人駅だと思った赤水駅だが、切符販売は行われていた。昨日は少し時 間が早かったのだろう。立野までの切符を購入したが、手書き製の切符で最近で は珍しいものだった。  9時20分発の列車は、昨日乗れなかったキハ200というJRになってから の気動車。転換クロスシートで快適だった。  スイッチバックの駅で知られる立野で、南阿蘇鉄道に5分接続で乗換えた。  立野を出発し、白川渓谷の鉄橋に差しかかると列車が徐行し、放送による案内 がされた。ここは南阿蘇鉄道では欠かせないポイントのようだ。  出発して、3つ目の阿蘇下田城ふれあい温泉駅は、駅に温泉が設置されている。 私の知人にも入浴したことのある人がいて興味はあるが、今日はそのまま進むこ とにした。ちなみにこの駅は、昨日私が訪れた地獄温泉方面(行き先は垂玉温泉) へ行くバスの乗換駅でもある。  立野から4つ目の駅は、長い駅名として知られている「南阿蘇水の生まれる里 白水高原」であった。近くに水源があることで、この駅名となったのだろうが、 それにしてもちょっと長過ぎるかな、という気がした。    この次の駅中松駅で、トロッコ列車「ゆうすげ号」と行き違った。「ゆうすげ 号」はとにかくよく乗っていた。満席ではないか、というぐらいに。どうも、ト ロッコ列車というものは人気があるらしかった。立野駅でも、何人かトロッコ列 車のことについて問い合わせていた。トロッコ列車なら、乗って見たい、(子供 に)乗せてあげたい、と思う 人がいるようだ。もう何年も走っているはずなのにこれだけ人気あるのは、意外 だった。ちなみに、私が乗っているレールバスの方は空席が目立つのだが。  終点の高森に着く前に、乗換え案内がなされた。その中に、これから私が行お うとしている、熊本−延岡のバスもあった。個人的には嬉しかったが、果たして そのような乗換えをする人がいるのか疑問ではあった。それは、駅とバス停の距 離があり不便であること、それと熊本発着であり、わざわざ鉄道に乗ってくる人 がいるとは思えないからだ。せいぜい南阿蘇鉄道沿線の人であるかどうか、とい ったところか。  駅を出発して、バス停を目指した。昨日下見していたので、安心して向かう事 ができた。バス停前のコンビニで飲食物を購入した。バスを待っていると、プリ ンセスプリンセスの「世界でいちばん熱い夏」がかかってきた。夏だなって思い ながら、少し口ずさんだ。  バスは定刻が過ぎてやって来た。ここでトイレ休憩も兼ねているらしく、下車 する人も多かった。乗車する側も10人近かった。  ここからの景色は一変した。南阿蘇鉄道は白川渓谷を除けば、盆地の風景が続 いていた。ところが、バスは山道、坂道、急カーブの連続。高森から高千穂へは 国道325号が近道だが、バスは国道265号を通っていた。国道265号沿い には蘇陽町という町があり、集落があるからということなのだろう。ところが、 蘇陽町役場前というバス停があったけれど、とても町の中心部とは思えないよう な所であった。  国道218号に合流して、県境をこしてからの五ヶ瀬町にしても同様であった。 高森−高千穂の途中では、乗下車した人は少なかった。  あまりに山奥深い所を過ぎて、やって来た高千穂の町は大きかった。多少錯覚 によるところもあるが、予想以上に大きな町であった。これなら、昼食もどこか では食べられる、そう思いながら、バスセンターに降り立った。
次へ進む 前へ戻る DIARYへ戻る 旅のページへ戻る 目次へ戻る ホームへ戻る   

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください