このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

やまなみ・やまのゆ・やまあるき(仙酔峡〜阿蘇山〜仙酔峡)


   

   東側から見た中岳火口  ここから阿蘇山の火口までは階段の登山道もあるが、仙酔峡ロープウェイを使う とわずか9分。階段の登山道もあるが、片道750円とはいえ便利なので、ロープウェ イの切符を買った。ただ、帰りについては別案があったので、取り敢えずは往復に はしなかった。  天気の方が朝よりもよくなってきており、高岳に行く事のいし、ここでミネラル ウォーターを購入した。  仙酔峡ロープウェイは、施設・車両ともに古臭い感じがした。昭和30〜40年 代ぐらいのものように見えた。そのことは、阿蘇が以前からの観光地である事を示 している。火山活動が活発な阿蘇山だけに、設備を新しくしてもすぐに汚れたり、 最悪の場合は僅かな期間で使用できなくなったりする恐れがあるのかもしれない。 観光客の見た目の印象も重要な要素の一つであるし、改善すべきではないか、と思 った。  そんな事も思いつつ、景色を楽しみながら説明を聞いているうちに、火口東に到 着した。ここの設備もやはり同様であった。何か暗く、火口も近いためか独特の臭 いがした。  ロープウェイの駅を出ると、遊歩道が整備されていた。その端には所々避難する 場所があった。時々起こりうる噴火に備えたものだ。阿蘇山が危険な場所である証 明ともいえる。    火口までの遊歩道は、途中から坂が急になり、前へ進むのが辛くなった。だが、 しんどいなあ、でも前へ進まなあかんなと思っているうちに到着した。  火口の東側からの展望は、西側のようにすぐそばに火口があるのではなく、少し 前方の下に火口があるといったような感じであった。火口の全体を上から眺める事 ができ、素晴らしかった。その背後の緑系統の風景を含めて。  景色に満足していた所、なんか急に咳するようになった。どうも二酸化硫黄の影 響らしい。暫く火口展望台にいると、火口西の放送が流れてきた。火口西では二酸 化硫黄の基準値を超えたらしく、見学が規制されるとの事。但し、火口東では規制 されるようではない模様。  とはいえ、あまり長時間ここにいることは体に悪そうだった。取り敢えずここか ら離れる必要があった。すぐ戻るという選択もあったが、高岳へ行く事にした。た だ、道はここまでのような整備された遊歩道ではなかった。でも、十分道と識別で きる程度の登山道であった。  大抵の方は、火口を見て帰るので、登山道を歩く人は少なかった。時々出会う人 に「こんにちは」と挨拶を掛けながら行くと、中岳頂上1506mに到達した。中 岳火口をはじめ、阿蘇の盆地や外輪山、それに阿蘇の他の山々を楽しめた。  さらに、少し足を進めると高岳頂上がすぐ底の地点までやってきた。すんなり登 ってもよかったが、南側の景色をもっと楽しみたいのと、遠くに見えた巨岩「天狗 の舞台」に近づきたいと思い南側を東に進み歩いた。 すると、南阿蘇の盆地がよく見えて来た。それから、ギザギザした形の山の上部が 見えて来た。これは、阿蘇五岳の一つ根子岳でこの形は強烈に印象に残った。    緑の草原の上にある「天狗の舞台」を目指すべく、さらに東へ行くと無人の小屋 があったが、かなり荒れていた。現在果たして使う人がいるのかは疑問である。雨 よけにはなるのかもしれないが。  大分「天狗の舞台」に近づいたが、道がはっきり分からなくなった。春にはミヤ マキリシマが咲き乱れる辺りだが、断念して引き返すことにした。今度は、かつて の高岳火口の中を歩いてみた。火口の回りは草などで覆われている所が多いが火口 の中は岩や石が多く、草はまばらであった。  とにかく殆ど人がおらず、歩きながらふとこんなことを思ったりした。 「国立公園を独り占めするなんて贅沢だなあ」    火口の中まで降りた事もあって若干登りがあったが、高岳頂上1592mに到達 した。今日は晴れているとはいえ、雲も多く心地よい風も吹いているので、大変涼 しくて気持ちよかった。昨日の九重のように暑くなく、比較的楽に歩く事ができた。 火口までの遊歩道がきつかったけれど、その先はそれほどでもなかった様に思えた。 遊歩道、登山道として見るからかもしれないが。 高岳から仙酔峡へはバカ尾根ともいわれる坂道がある。どんなものかと試しに見て みた。けれど、急に見えて初心者の私には無理だと思い、元の道を引き返した。  中岳の頂上付近を経て、火口まで来ると人が増えてきた。観光客がいるということ は、火口の東側は今もまだ規制されていないようだった。  しんどかった遊歩道を下って行くと、ロープウェイ火口東駅に着いた。切符を買って少 し待つと、ロープウェイに乗る事ができ、短時間で仙酔峡に戻った。


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