このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
結婚式日蘭比較 | ||||||||||||||||||||||
「結婚までのスケジュール」
市役所に結婚式の予約に行った時、どんな手続きが必要か、どんな場所でレセプションが開けるか、写真屋はどこにあるか、リムジンの手配はどこでするか…といった事が書かれた、まぁ半分は広告みたいなパンフレットをもらいました。その中に、「結婚までのスケジュール」と言うコーナーがあったのですが…、ちょっとカルチャーショックでした(^_^;) 私は結婚式にあんなに手間とお金がかかるのは日本くらいだろうと思っていたんですが、それを読むと「オランダでももしかして結婚するのには結構手間とお金がかかるのかしら…」と思ってしまうくらい(どんな事が書いてあるか興味のある方は こちら をご覧ください)。まぁ、夫の友人達の結婚式の様子を見ていると、このスケジュールどおりのことをやっている人というのはほとんどいないので、これはちょっと大袈裟に書いてあるんだろうな、とは思うのですけどね。 この中で一番面白かったものをご紹介しますね。 ところがどっこい。私達が結婚する1ヶ月ほど前にベアトリクス女王の甥が結婚したのですが、王室のこの世代の結婚式は初めてだったこともあって、式の様子は逐一テレビで放送されました。で、新婦を見たところ…、確かに日焼けしているんです。あの、ほとんど太陽が顔を見せなかった98年の5月に、不自然なくらいきれいな小麦色の肌に(^_^;) オランダでは、「新郎は新婦のウェディングドレスを結婚式当日まで見てはいけない」という習慣があるんだそうです。もっとも夫は結婚する直前に同僚に「新婦が何を着るか知ってる??」と聞かれて初めてそういう習慣がある、ということを知ったそうですが(^_^;) つまり夫は私が結婚式の日に何を着るか知っていたんですね(^_^;) まぁ、そういうわけなので、新婦は新郎とではなく母親・友人などとドレスを買いに行く事が多いようです。 以下、1ユーロ=約2.20ギルダーと換算してお読みください。 いろいろあるので一概には言えないのですが、概して日本の相場よりは安いみたいですね。私達が結婚した時は、現金ではなくいろいろなものをいただいたのですが(で、中には前もって「何が欲しい?」と聞いてくる人も結構いました)、友人からもらったのは大体一人当たり25〜50ギルダーくらいのものだったと思います。招待客同士が友人同士でもある、というのはよくあるので、その友人同士でだいたいそれくらいの金額を出し合って何かを買ってくれる、という具合でした。叔父・叔母などになると、一家で100ギルダー+αくらいかなぁ、と思います。両親、祖父母からのお祝いはもう少し多めでした。 昨年(99年)夫の親しい友人が結婚した時は、ホテルのようなところに2泊しての結婚式で、その宿泊代、食費等はすべて新郎新婦の負担だったということもあり、また新郎新婦の「プレゼントはお金がいい」というリクエストにより、一人あたり大体100ギルダーをお祝いとして贈りました。 余談ですが、オランダでは「お塩入れと胡椒入れ」のセットを新婚カップルに贈るのが昔からの習慣なんだそうです。でもってこれは「最も役に立たない贈り物の代表選手」でもあるんだそうです(^_^;) だから今ではちゃんとしたプレゼントの他に、いってみればジョークとして安物の「お塩入れ&胡椒入れ」のセットを贈るみたいですね。私達が結婚した時には、安物のお塩入れ&胡椒入れにそれぞれ25ギルダー紙幣を丸めていれて贈ってくれた友達もいました。 オランダでは結婚した後の名字をどうするか、で4通りの選択肢があります。具体的には 相手の名字を使う です。ただ実際には夫が妻の名字に変える、というのは滅多にないようです。ちょっとわかりにくいので具体例で説明しますね。例えば Jan Dijk さん(男性)とAnne de Jonge さん(女性)が結婚したとします。この場合、 Dijk が可能になるわけです。よく見かけるのは男性は自分の名字をそのまま使う(Jan Dijk)、女性は 夫の名字−自分の名字を使う(Anne Dijk-de Jonge)というパターンの夫婦です。最近は夫も妻もともに自分の名字をそのまま使っている、というご夫婦が増えてきたようですが…。 ## ちなみにオランダの名字には van とか de とかがよくくっつくんですが、綴り方の規則(?)として、 ちょっと注釈が必要なのですが、これは飽くまで名字の「使用」についてであって、名字の「変更」ではありません。オランダでは結婚しても日本のように戸籍から何からすべての名前が書きかえられる、ということはなく、そういった公的な書類上の名字は一生そのままなんだそうです。ただ、ややこしいことにパスポートや運転免許証などの身分証明書として使われるものにも相手の名字を使っていいのだそうです(私はパスポートや運転免許もかなり公的な書類だと思うんですけどねー)。 両親の名字が異なる場合の子供の名字ですが、これは両親が結婚しているかしていないか(これについては後述)によってちょっと変わります。 まず両親が結婚している場合、何もしなければ子供は自動的に父親の名字になります。もし子供の名字を母親と同じにしたい場合は、両親がそろって市役所に出向いて(手紙では不可)手続きをする必要があります。これはなるべく子供がまだお母さんのおなかの中にいるうちにするように、とのことです。 両親が結婚していない場合はこの逆で、何もしなければ子供は自動的に母親の名字になり、もし子供の名字を父親と同じにしたい場合は両親がそろって市役所に出向いて手続きをする、という形になります。 ということで、両親は子供が産まれる前にその子供の名字を選ぶことが出来るわけですが、これが出来るのは最初の子供に対してだけです。二人目以降の子供は最初の子供と同じ名字になります。 日本だと「結婚して名字が変わったらパスポート、運転免許証なども変更してください」とよく言われるようですが、私は結婚しても名字が変わらなかったので特にパスポートの書き換えはしませんでした。 ただ、なんとなく嫌な予感がして大使館に問い合わせたところ、「国際結婚されてから初めてのパスポートの更新の際には、半年以内に発行された戸籍抄本(謄本)も用意してください」と言われてしまいました(^_^;) 私は結婚したあと、確かに父が世帯主だった本籍から削除されて私が世帯主の新しい戸籍を作りましたが、名字も本籍も変わりなく、それなのに戸籍抄本が必要なんですか、と食い下がったのですが、「今回だけですから」ということで、だめでした(^_^;) ということで、パスポートの有効期限が切れる1年前に日本へ里帰りした時に役所へ行って戸籍謄本をもらってきて、それでパスポートの更新手続きをしました。 私はこのとき「どうせ日本に行くからなー」と思って調べなかったのですが、戸籍謄本って役所から郵送してもらうことは出来るのでしょうか(国内は確か出来たと思うんだけど)?市役所によるのかな?? 大使館に「半年以内に発行された戸籍抄本が必要」といわれた時は、その職員の方は「日本のご実家の方に頼んで送ってもらってください」ということだったのですが…。 また、これは私はやっていないのですが、 国際結婚をした人で、日本の戸籍では相手の名字に変えず旧姓のままにした、という人も、日本のパスポートは「自分の名字(相手の名字)」という表記に出来るそうです。・・・あれ、反対かな?名字を変えた人が「今の名字(旧姓)」という表記に出来るんだったかな?国際結婚カップルの子供の国籍については、カップルの国籍によっていろいろあるようなのですが、オランダ人と日本人のカップルの子供がオランダで産まれた場合、まず市役所にオランダの出生届を出し、それから大使館に日本の出生届を出すと子供はオランダと日本の両方の国籍を持つことが出来ます(大使館に出生届を出す場合に必要な書類については、大使館にお問い合わせください)。ただし、生まれてから3ヶ月以内に出生届を大使館に出さないと、日本国籍を持つことは出来ません。オランダ人と日本人のカップルの子供が日本で産まれた場合も両方の国籍を持つことが出来るはずですが、そのために必要な手続きを私は知りませんので、これはオランダ大使館にお問い合わせになることをお勧めします。 子供が二重国籍でいられるのは20才までで、20才になったらその後2年以内にどちらかの国籍を選び、どちらかの国籍をあきらめなければいけないそうです(これも詳しくは外務省か大使館にお問い合わせください)。 ちなみに日本人カップルの子供がオランダで産まれたとしても、オランダは生地主義を採用していないのでオランダ国籍にはならないそうです。アメリカは親の国籍に関わらず「アメリカで生まれた子供はアメリカ国籍を取得する」なんですけどね。ん? ということは、オランダ人と日本人のカップルの子供がアメリカで産まれたとしたら、その子供は三重国籍になるってこと?? そうそう、子供のパスポートですが、日本は生まれたばかりの赤ん坊でもパスポートが必要なので、オランダで子供が産まれて、子供と一緒に日本に行きたい、という場合はまずハーグの大使館へ行ってパスポートを作る必要があります。オランダのパスポートは15歳までの子供は親のパスポートに併記することができます。子供に独立したパスポートを持たせることも可能です(ただし18歳以下の子供の場合、両親の許可が必要)。 私達が結婚したのは私がオランダにやってきてから4ヶ月後、夫が5年間の海外暮らしからオランダに帰国してから8ヶ月後だったため、昨今のオランダの結婚事情に関する詳しい情報を集める暇もなく、自分達が住んでいるフローニンゲン市の市役所に行って手続をし、フローニンゲン市の結婚式用ホールで式を挙げ…と、いってみれば至極簡単な式を挙げたのですが、最近のオランダの流行りの結婚式、というのは、これとはちょっと違うようです。 オランダもヨーロッパの国なので、古い教会や歴史だけは古い建物があるという市が多いのですが、その教会や建物を修復するお金も持っている市というのはあまりなかったりします。そして、「市の結婚式用ホールは雰囲気がなくてつまらない」と考えている新郎新婦も結構多かったりします。そこである人は考えました。「我が市にある教会や歴史ある建物を結婚式場として開放し、それによって得られる収入でその建物の修復を使用ではないか」。これが非常に人気を呼び、あちこちの市でもそれを真似して結婚式用ホール以外の場所を開放し、「我が市ではこんな素敵な場所で結婚式を挙げることが出来ます」といわんばかりに宣伝をするようになりました。 ということで、最近のオランダでは「特別な場所での結婚式」がトレンドになっています。場所によっては土曜日しか使えなかったり、他の場所に比べてお値段が高くなったり…という制限もあるのですが、それでも「人生で最も大切な日をよりスペシャルに演出したい」というカップルは多く、こういった場所の結婚式は大人気だそうです(書き忘れましたが、自分が住んでいる市以外のところで結婚してももちろんOKです)。ちなみにフローニンゲンでは、現在以下のところで式を挙げることが出来ます: ・市役所の結婚式用ホール(私達はここで式を挙げました。ここでは式の最中に自分の好きなCDをかけたりバンドの生演奏をしたりすることが出来るそうです。知らなかった!!2005年1月から3月まで改修工事のため使用不可) ついでなのでフローニンゲン市での結婚するための通常料金。たまたま手元に資料があるので、1999年と2004年の料金を載せてみました(随分値上がりしたでしょー):
ちょっと哲学的(?)な質問かも知れませんが、皆さんにとって「結婚」って、一体なんでしょう?? 私も「私にとって結婚って何だろう??」と考えてしまうのではありますが…。 オランダでは「結婚」の他に「パートナーとして登録する」ということが出来ます。その他に「同居契約を結ぶ」なんてものもあります。前者二つについては、その結果生まれる義務・権利などにほとんど差はなく、その内容については法律で明文化されています。ただし、前述したように二人の間に生まれた子供の扱いが若干変る、という違いがあります。「同居契約を結ぶ」というのはこの二つとはちょっと違っていて、二人の間の義務・権利は契約を結んだからといって自動的に発生するものではなく、細かい内容は二人で話し合って決める事が出来ます(この辺の話についてもっと詳しい事が知りたい方はお知らせください。オランダに在住の方でオランダ語を読む事に支障のない方は市役所などで配られている「Het geregistreerd partnerschap」という小冊子をご参照ください)。 で、この他にも日本で言う同棲をしているカップル(つまり法的には何の関係もないけど一緒に住んでいるというカップル)も結構たくさんいます。 私達の場合、私が「一緒に住んでいるならどうして結婚しないの?」という考え方の人間なので、一緒に暮らし始めてから4ヶ月で結婚しましたが(一緒に暮らし始めてから結婚するまで4ヶ月かかったのはいろいろ手続に時間がかかったせいだし)、周りのオランダ人を見ていると、何年も一緒に住んでいて子供もいるけど法的には全く関係ないカップル、パートナーとして登録しているカップル、何年も一緒に住んだ後で結婚したカップル…といろいろです。それぞれのカップルがどうしてそういう形を選んだのか聞いてみたいなー、と思うんですが、それって、やっぱりプライバシーの侵害かなぁ、と未だに聞けないでいます(^_^;) これはオランダ人の友達に聞いた話。オランダでは子供がうまれると結婚する、というカップルが多いんだそうです。これはなぜか、というと、結婚もパートナー登録もしていないカップルに子供ができた場合、父親はそのままだとその子供に対して何の権利も持てないんだそうです。もちろん役所などに書類を提出したり、法的な手続きをとれば父親としての権利も持てるようになるのですが、その手続きの煩雑さ(?)と結婚手続きの煩雑さにはほとんど差がないんだそうです。それで、子供がうまれると結婚する、というカップルが結構いるそうです。 オランダでは1998年1月から「結婚」のほかに「パートナーとし登録」することが出来るようになり、これは同性同士のカップルにも認められています。その時点ではこれが同性同士のカップルにとって唯一の「結婚」であったのですが、2001年4月1日から、同性同士のカップルにも本当の結婚が認められるようになりました。 | ||||||||||||||||||||||
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |