このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

373系は1995年に登場したJR東海の特急型電車で、3両編成が14本あります。 身延線の特急「ふじかわ」や飯田線の特急「伊那路」、東海道本線の「ホームライナー」などで活躍しています。 銀色ステンレスのボディにコーポレートカラーのオレンジの帯と、窓周りの茶色の帯が目に付くでしょう。

編成は単独の3両編成や2本併結の6両、3本併結の9両があります。 規格的には211系以降の同社の電車なら全て併結が可能だそうですが、営業運転では目撃すらされていません。

模型ではTOMIXから発売され、同社初のシングルアームパンタ製品ですが出来はまずまずで、滑らかな前面の造型も良いです。 当初は3両の基本セット(品番92071)と増結セット(品番92072)という構成でした。 ロットによっては窓周りの茶色が若干違うようです。また光沢にも差が有るようなので気にする方は気にしましょう。 2011年にリニューアルされ、3両の基本セット(品番92424)と6両の限定セット(品番92985)が発売となりました。 先頭車のTNカプラーもSPタイプの新製品が付属して性能も見た目も向上していますが、92072が生産中止ということで増結用の車両の入手が困難になっています。

2004年の夏に再生産されたタイミングで、お金の無い高校時代でしたが意を決して購入しました。【あれ?2003年だったかな?】 TNカプラー化や換気扇カバーの取り付け、インレタの転写は説明書通り行いました。 今回はさらにグレードアップということで、シートの移設と行先シール等の追加を行いました。 なお、個人的趣味で特急「東海」運用時の姿となるようにしています。

紹介の都合上、一部加工の順番が入れ替わっています。ご了承ください。
切ったら元には戻せません。ご承知置き下さい。 趣味の鉄道模型ホームページ を参考に加工を進めます。
(上記リンク→2.鉄道模型車両方面→在来線→373系→模型について→詳しくはこちら で辿り着けます。)
実際に加工する際はあくまでも「自己責任」でお願いします。


座席シートですが、付随車(非モーター車)は全て共用のためサハのセミコンパートメントが再現されていません。
またクハのトイレ・洗面所部分には見えないにもかかわらず、セミコンパートメントが存在します。
従ってクハのシートをサハに移設することで表現が可能となります。
そこでまずは図の位置で双方を切断します。段差があるので分かりやすいはずです。
ムズカシクナイヨ、ゼンゼン!切り取ったコンパートメント部をそのままサハのシートに取り付けようとすると、半分が扉の影に隠れてしまい移設した意味がありません。
これの回避法はいくつかありますが、最も単純なのはシャーシ(=床板)に接着剤で直付けすることでしょう。
もちろんボディが填るように注意します。

しかしこれでは分解する際に問題が予想されるので、シートを延長する方法を取りました。
たまたま余っていた厚さ0.8mmのプラ板を切り出し、シートのサイズに合わせます。
これを接着して長さが合うようであれば問題はありませんが、長い場合は削らなければなりません。
短い場合が最悪ですが…写真のようにプラ板を1枚立ててスペーサーとすることで順番に延長させることができます。
こうするとシートと延長部の接着面積が増えるので強度も増します。
失敗した場合は思い切ってプラ板を切ってしまいましょう。そこからまた削る・スペーサーを挟む作業を再開します。
問題は無さそうです。写真上側がプラ板で延長したもの、同下側が未延長の(=そのまま取り付けた)ものです。
下より上のほうが好ましいのは恐らく誰にでも理解していただけると思います。
プラバンは今回白色を使用しましたが、延長部はデッキ部分でほとんど見えず、かつ塗装もするので何色でも構いません。
ボディに当たる部分があれば削りますが、今回は全く無かったので切り継ぎの加工はこれで終了です。

ちなみに行き先シールは鳳車輛製造の品番511を利用しています。
3両分しか入っていないので2セット購入しています。
これは383系と抱き合わせなので、373系のためだけなら電通車輌製造の品番S-46を勧めます。
ちなみにこのタイミングで貼ってしまっているのは、当初は塗装をするつもりがなかったからです。
鳳さんのシールは厚手でサイズがぴったりなので、慣れるのに時間がかかりました。
電通車輌製造がなくなってしまったようですので、ジオマトリックス・デザイナーズ・インクのJ8208を推します。
赤過ぎる?いいえ、こんなもんです。クモハからもシートを外し、塗装。
写真上からクモハ(未加工)・サハ(右側が移植した部分)・クハ(左側が切り取った部分)です。
実車は茶色〜紫色のシートですが、使用したのは赤系でGREENMAXの鉄道カラー「バーミリオンA(29)」。
室内灯を組み込まない場合は明るめの色を使わないと思ったような色になりません。
一色で且つ表に出ない部分なので、大雑把にスプレーして終わらせました。
参考までに…参考までに、車内(と言ってもセミコンパートメントですが)の写真を示します。
撮影は2007年11月23日、名古屋駅。ムーンライトながら号を降りる時に撮ったものです。
恐らくこの程度の色合いなら赤色で塗っても…という判断です。
なお快速運用なので、普通席もシートカバーはありませんでした。
戻したシートを眺める塗装したシートを元に戻しました。
…こうしてみるとあまり違いはないかもしれません。
何しろ比較対照の肌色の状態のものがないのですから…。

なお先頭側のTNカプラーは電気連結器を一部切り落とし、実車と同じ一段のものにしてあります。
新型のTNカプラーSPを用いる場合にはこの作業は必要ありません。
セミコンパートメントは良い感じセミコンパートメントの部分を比べます。
左がサハの移植した部分、右がクモハ(非動力車)の元からの部分です。
同じように見えれば移植した意味があったというものです。
パンタ載せ換え次にパンタグラフを換装します。
模型はデビュー当時の姿なのでホーンが1本のC-PS27が載っています。
対して私が見たのはそれからだいぶ経ってからなので、ホーンが2本のC-PS27Aに載せかえられた後となります。
船板だけ変えても構いませんが、まるごと交換してみました。
用いたのはKATOの313系にも使用されている「モハネ285-201パンタグラフ(4371F)」です。
写真左が換装後、右がそのままです。… 台座位置は合っているので余計な突起を削って填め込みました。
…がすぐ取れてしまうので、しかたなくゴム系接着剤で固定しました。
穴あけ加工加工はこれで終わろうかと思っていたのですが、実車を見たところ気になるところがあったので追加工することにしました。
それは乗務員の乗降ステップです。スカートと一体になっているものです。
模型でも一体成型なので形状は問題ないのですが、足をかけるところが貫通、つまり穴が開いているのです。
ピンバイスで穴を開け、カッターで削り、鑢で整え…ようとしましたが、加工部位が小さく作業が難航しました。
結局基本セットの分だけ作業を行い、増結セットはそのままとしました。
加工の意義は?加工したスカートを取り付けて比較してみます。
左が穴あけしたクハ、右が未加工のクモハです。
加工が目立つよう、あえて逆光下で撮影しています。
こうしない限り違いは見えません。ここまでする必要はないかもしれません。
まぁ…気持ちの問題ですかね。
あとは墨入れ続いて墨入れをします。
まずはクーラーのメッシュから。用いたのは薄めたエナメル塗料「ブラック」です。
ちょっと薄め過ぎてしまい、何回か塗り重ねる破目になりました。効果は…あるように思います。
見ての通り、下が墨入れ前で上が墨入れ後です。
続・墨入れ次は床下機器。特にクモハとサハに付いているルーバーの付いた装置は効果的でした。
それから乗降扉のゴム部への色差しを行いました。
最初はここにもエナメル塗料の「ブラック」を用いたのですが、薄すぎたせいか流れてしまって他のところも黒くなってしまいました。
そのためここだけは墨入れ用の「ガンダムマーカー」なるものを利用しました。
要は遅乾性の油性ペンですが、使い勝手は非常に良かったです。
細部色差しさらに側面の扉表示灯にエナメル塗料の「クリアレッド」を色差しします。
突起に色を載せるだけにするのが理想ですが、そうすると効果が目立たなくなるのでやや大げさに塗っています。
そして半自動用の扉開閉スイッチとスカート、乗務員用の扉と貫通扉の取っ手にエナメル塗料の「クロームシルバー」を塗ります。
穴を空けなかったスカートは奥まったところを黒く塗りつぶして見ましたが…これも気持ちの問題かもしれません。
拭き取りあとははみ出した塗料を丁寧に拭き取っていきます。
床下は思いのほか塗料が拭き取れたために、ややメリハリが損われた気がします。
また乗降扉もはみ出て拭き取れなかったところもありましたが、ここは乾燥してから消しゴムで消しました。
思いのほか簡単に消えたのに驚きました。
編成番号最後に編成番号のインレタを転写しました。用いたのはトレジャータウンの品番TTL-006です。
「乗務員室」のインレタも付いていたので、窓パーツを外して転写しました。
行き先シールを貼っていたことがここで仇になるとは思いもよりませんでした。

そして編成番号ですが…これが非常に難しいです。何しろ前面窓のパーツが外れません。仕方なしにそのまま転写を試みました。
その位置ですが現在は側面に近い位置に貼り替えられていますが、特急「東海」運行時はその前なので貫通路よりの位置にありました。
つまり、ワイパーより中心寄りです。…ですので非常に狭いところに転写することになります。
慣れてる方ならどうにかできると思いますが、私は2回ほど失敗し、うまくできないまま妥協しました。
遠目で見れば分かりませんが、割とずれています。しかしこれがあることで引き締まって見えるのもまた事実です。
完成、F5編成そしてようやく完成です。基本セットは静岡寄りに配し、初めて乗車したF5編成に仕上げました。
前述の通り、スカートに穴開け加工を施しています。
完成、F12編成増結セットは東京寄りに連結し、F12編成に仕上げました。
こちらはスカートに穴は開けず、そのままの状態です。

当初の予定より大幅に遅れましたが、良いものに仕上がったと思います。

373系用 参考パーツ

メーカー品番備考
行き先シール
電通車輌製造S-46廃止の模様
鳳車輛製造511383系(しなの他)も収録
ジオマトリックス・デザイナーズ・インクJ8143371系(あさぎり)も収録
※廃版の模様
J8208
インレタ
トレジャータウンTTL-006キハ85系・E217系・E501系・宮原の国鉄型・他汎用
くろまや41車番、検査表記、所属表記
213系5000番台も収録
シングルアームパンタ
KATO4371F製品名:モハネ285-101パンタグラフ
Assyパーツ、同社313系にも使用
GREENMAX5808製品名:PT-71B
利用の際は要加工
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