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大分交通のバスツアー、バスファン向け

 

2014年9月13日(土)、大分交通主催の「バスファン向け」貸切バスツアーに参加してきました。

企画&ご担当は、 昨年夏の秘境&温泉バスツアー でお世話になった、必殺仕掛人こと、大分交通のあのお方!

これは参加せずには居られない!!

 

▼乗車車両

今回のハイライトは乗車車両。

日産ディーゼル工業U-RA520TBN&西日本車体工業S型ボディ架装の1692号車。1991年生まれの23歳。

S型という近距離高速の外観ながら、車内は偏心3列シートの豪華仕様。

大分空港〜大分市内空連「エアライナー」用に投入され、中津エアライナー・中津〜大分快速を経て、

2004年からは、別府市郊外のAPU(立命館アジア太平洋大学)の通学路線で活躍した車だそうです〔当日配布資料より抜粋〕。

・・今日の運行を持って運行終了。廃車直前のファイナルランを労う旅路です。

 

▼コース

この1692号車が歩んだ半生を辿る企画。ラストランにふさわしい花道が用意されていました。

大分→中津(大分〜中津快速)/中津→大分空港(中津エアライナー)/大分空港→大分(エアライナー)のコースを忠実にトレース。


▼もくじ

1.大分駅(貸切バス待機場) 乗車

2.別府観光港→中津快速トレース

3.中津営業所 見学  



 

4.中津駅→エアライナートレース→大分空港

5.大分空港

6.大分営業所(5号地) 部品販売・見学



 

7.大分駅・解散

 

 


 

 


大分駅の集合時間は朝9時。

この時間に福岡から間に合わせるには・・朝一のとよのくにorソニックしかない!!

 

朝6時の天神バスセンター。

売店が朝7時からという事に着いてから気が付き、朝食難民。鹿児島行さくらじま号を皮切りに、朝一の高速バスが続々入線。

大分行には・・20人近い列!最前列を座席指定で確保していたのですが、まさか1A〜1Dまでみっちり満席とは思いませんでした。

全体ではおおよそ6〜7割の乗車で出発!

 

定刻には大分駅バス乗り場へ。

大分交通,APU

大分交通バスツアー、1692号車ラストラン

8:50 別府営業所から回送されてきた同車。

 

第一印象は・・美しい。

 

ボディ形状やシルエットはもちろんですが、

外観ににじみ出ているはずの「サビ」や「汚れ」が見当たらない。

 

それどころか、斜めから撮影すると露骨に浮き上がる「ボディのくたびれ」も気にならず、それどころか艶やかに浮き上がる光線の反射。

 

▼恒例の、特製方向幕を装備!

大分交通の特製方向幕

大分駅前貸切バス駐車場

メンテナンスの良さか、

この日のためのブラッシュアップの賜物か。

 

ツアー解散の時まで、ファイナルランであることを忘れさせた車でした。

・・実は、乗車してハンドルを見るまで、

てっきり「ふそう」車かと思っていました。

予習不足でお恥ずかしい限り。

 

3列シートの西工S型。

かつUDで側面ブルーガラスという、

硬派一徹な特装車!

大分交通

 

 

 

大分交通の3巨頭(?)

 

大交博物館の趣き。

 

ぼちぼち出発時間も迫り、車内へ。

 

 

 

 

 

西日本車体工業のS型、UD、日産ディーゼル工業

 

 


偏心3列シートの車内

今日の行程は16名。

・・この人数にはちょっぴりワケが。

実は、大分バス協会主催のバス祭りが、大分市南部のショッピングセンター「 わさだタウン 」で同日開催。

バスファンにとっては悩めるダブルブッキング!!

そこでチャリティーオークションが開催されるという聞き捨てならないニュースが飛び込み、いつもツアーでご一緒する皆様も、悩みに悩まれた結果、多くの方が「わさだタウン」の方に足を運ばれてしまったのでした。

かくしてマイノリティとなってしまった筆者。あのご担当者の御企画と運命を共にすることを覚悟したのでした。

大分交通のスタフ

大分交通、3列シート車

▲今日の特選行程〜大交スタフ風〜

 

 

 

 

 

 

 

別府観光港で撮影タイム・・とトイレ休憩。

 

明らかに主目的は前者です。 

 

 

 

 

 

別府観光港バスターミナル、九州横断バス

九州横断バスの中古ガーラと。

 

塗りわけの違いで、こうも印象の変わる車種も珍しいように思います。

大分交通,バスツアー

(写真左)別府市内線の亀の井バス。

車内は結構な席の埋まり具合。

 

その後方には別府エアライナー。

 

10分ほどでテキパキと撮影して、再び車内へ。

これから先は、大分〜中津快速のコースをトレース。

宇佐別府道路を経由し、いざ北上。

 

車内で懇談に花を咲かせながら、気が付けば別府市内!

 

▼(写真左)急に路地に突入したかと思えば、四日市のバス発着所とのこと。

ファミマの手前を右に曲がると、現在の発着所です。これぞ狭隘路!

 

▼(写真右)3列シートの快適な座席に身を任せれば、いつの間にか夢の中。

気が付けば中津駅前でした。・・実を申せば、中津駅に来たのは子供の頃に乗った豊後森〜深耶馬渓〜中津線以来、約20年ぶり??

大分交通の四日市バス発着場、中津快速

 

 

 


大分交通、大交北部バスの中津営業所

 

 

この先、中津駅から内陸部に20分ほど向った大貞車庫(中津営業所)で小休止。

途中、営業所の特選という、中津名物「から揚げ」の調達も!

 

営業所に着いた頃には、すっかり晩夏の青空が広がっていました。

 

 

 

 

西日本車体工業の大分交通

レトロな営業所、大分交通の中津営業所

 

この中津営業所、全員をタイムスリップさせる見事な作り。この2階で昼食タイム。まるで昔の小学校の廊下のようなたたずまい。

乗車前に遅めの朝食をたらふく食べていたおかげで、少しの量で満腹に。。けれどから揚げは美味しく完食しました。

 

(写真左)これだけ見れば、離島の保養所?

夜に灯りが灯れば、きっとノスタルジーに包まれることでしょう・・! 

 

 

大交北部バス

メガソーラー、バスの営業所、大分交通中津営業所

 

 

建屋の反対側はバス駐車場。

かつての栄光を感じさせる広大な敷地。

 

その約半分は、昨年からメガソーラーになっています。西鉄脇山営業所跡地を思い起こさせます。


・・それでも、所属台数二十余台には余裕たっぷり。

 

 

▼(写真下) 旧カラーにも出会えました。

のんびりとした雰囲気と相まって、よく似合います。

大交北部バスのトラバス、エルガ

大交北部バスのトラバス

西工S型の旧グリルの廃車体

 

 

営業所の奥には魅惑の廃車体。

 

西工S型の旧グリル。廃バス停や廃タイヤと同居。

方向幕は、怪しげな「スクール専用バス」。

 

S型旧グリルをしげしげと撮影できる貴重な機会。

「ライオン」とも呼ばれた、いかめしいヒゲと角目ライト。

 

 

 

S型旧グリル

大分交通、バスの廃車体

廃車体のバス

リアは、半分自然に還りかけていました。

 

 

 

 

 

日差しの下、ただ、朽ちていくのを待つのみ。


無念とみるか、定めとみるか。

 

 

 

 

バスの廃車体

大分交通、西工S型の貸切落とし

大交北部バス

 

 

 

 

整備工場の方ものぞいてみました。

 

大分交通路線色と、トラバスが仲良くお昼寝。

 

 

 

 

 

 

大交北部バス

 

 

 

 

 

(写真左)なかなか使い込まれた建物ですが、整理整頓やメンテナンスはしっかりとなされています。

 

 

(写真下)高田観光時代のカラー引き継ぐスペラン。

見かけ上は、メンテが非常に行き届いています。 

 

 

大分交通グループの高田観光バス

バスの整備工場


流石、大分交通さん、物持ちが良い上に、ネタが随所にちりばめられています。

 

 

(写真下)工場の2階に見えた怪しげなテレビ。もしや貸切車の元車内装備品?

 

(写真中)工場の奥には怪しげなヘッドマーク。

 

(写真右)こうした古い物を大切に使い続ける会社で役目を果たしてきたS型。今日で廃車なのに、新車のような姿。

 

 

特急バス、大分交通の看板

大分交通の貸切バス

大交北部バスの中津

 

 

出発時間も迫りつつある中、

改めてS型を撮り直し。

 

前から、横から、斜めから。

 

この中津に、西工の高速特急バスがやって来るのも、きっと最後の光景か。

 

 

 

 

大交S型

中津快速、大分交通

大分交通の貸切バスツアー

バスのタイヤ

大分交通のバスファンのバスツアー

 

 

タイヤもピカピカ。

大交さんの粋な計らい。

細部まで丹精込めた芸の細かさ。

 

 

出発までの1分を惜しんで、今年最後になるかもしれない夏空と、今日で最後の名車を、撮り逃すことの無いように。

 

 

 

大分交通のエアライナーの3列シート

バスの別れ

 

 

左奥には、先ほどの「西工の大先輩」の姿。

 

役目を終え、ただ最期までの時間を過ごす先輩からは、無言の『おつかれさま』が聞こえてくるよう。

 

 

けれど、まだまだ走り続けたい本心を伺い見れるような、S型の悲しげな横顔。

 

 

 

・・中津営業所に別れを告げ、中津駅経由でエアライナーの軌跡を辿る旅路に。

 

 

 

 


大分交通3列シートの運転席

UDの高速バス

バスの運転士

国東半島縦断。 実際かなり状態は相当に良いです。峠道でも40〜60kmをキープ。 サスも程よいクッション感。冷房もガンガン聞いています。 静粛性もそれなりで、廃車とは思えません。

 

・・むしろ朝に乗ったとよのくにの西鉄40代(2005年式)の方が、ガタガタ感が。。 大分道の山道で速度は出ない+バウンドしまくりのサスペンション+運転席回りのミシミシ音。。 むしろこの車をとよのくにへ・・・・かなわぬ夢ですが。


運転士の方も大ベテラン。スムーズなドライブに、行程の半分は寝てしまっていました。

大分交通のAPUの3列シート

 

 


 

 

中津営業所でてから2時間ほどで大分空港到着。
便の合間ということで、エアライナー乗り場で撮影。

 

この車にとっては、10年来の空港でしょうか?

 

 

・・飛行機を撮ろうかと展望デッキに足を運ぶも、

非常に撮影にしにくいフェンスに阻まれ、すぐにバス乗り場へ帰還。 

 

 

大分空港のリムジンバス

大分交通のリバイバル、エアライナー

バスの運転士

 

 

 

(写真左)金色のモールが誇らしげな運転士帽。

12Mの巨体を操る者を示す証。

 

 

 

(写真下)ライト周りとバンパー。

とても直線的・・単純すぎる配置なのに、ここまで絵になるのは西工のなせた技。 

 

 

めじろんニモカ

エアライナー、大分空港リムジンバス

 

 

ターミナルの北側のバス駐車場には、現役のエアライナーの姿。

 

大分空港のエプロンを背景に。

 

 

 

 

 

 

 

大分交通、エアライナー

 

 

 

 

 

これほどまでに青空が似合う塗装は、そうそうありません。

 

 

 

 

 

 

エアライナー、大分交通

空港リムジンバス

空港カウンターには、運行会社を問わず、空港発リムジンバス統一の電光掲示。

便の発着に合わせて小まめな時間調整が行われたうえ、便の到着出発時にはお見送りと荷物下ろしの係員が待機。空港リムジンの最高峰、東京空港交通のサービスが思い出されます。

バスロケサービス で空港到着も時間を読むことが出来ます。遅れが出たら「○分遅れる見込み」と言って頂けるだけでも、とても気が楽になるんですよね・・。


ここまでやれば、空港アクセスの乗客も、シェアも上がって当然。 九州の空港でここまでのサービスを受けられるとは! 

大分交通のエアライナー

 

 

 


5号地の大分交通

 

 

ここからは大分営業所に戻っての販売会。
集合写真を撮って、工場内の販売会場へ!

 

大分交通貸切バスツアー

 

 

まずはお楽しみ部品販売会。

走行に支障が出ない範囲で、この1692号車の形見分けもOKとのことで、高まる期待。

 

 

購入順を決めるくじ引きは・・16人中/16番!

華麗なるファイナルを引き当ててしまいました。

 

 

 

 

大分交通の部品販売会

大分交通、方向幕販売

 

 

(左)販売会場は整備建屋。

周辺には様々な整備部品がゴロゴロ。

 

 

(右)この1692号車の横幕?

APU線の幕がズラリ入っている模様。

 

バスのシートを販売、大分交通

 

 

今日の目玉、3列シート車の椅子。なんと7000円の破格値!

 

買って帰りたいですが・・ 椅子を部屋に入れる代わりに、自分が家から追い出されかねないので、涙を呑んで我慢。

その辺のリクライニングチェアーを買うより、はるかにシッカリした作りと座り心地です。

 

 

▼お買い上げを受け、その場で剥がされる社紋。

バス、部品、もぎ取り

 

高速車の方向幕や、「とよのくに」の車内テープを発見・購入し、ホッと一息。

 

 

所内をうろうろ見学させて頂きました。

 

営業所の隅に留置される、元とよのくに・はねやま号の珍しい短尺S型。

 

見るたびにちょっとづつ朽ちている!
正面のパネルが脱落して草の上に落ちていました。

  

バス、廃車

大分交通「とよのくに」

大分交通の貸切バス

 

 

 

ズラリ並ぶ高速車。

 

大分で近鉄を見るのは、まだまだ違和感があります。

 

 

 

 

 

 

 

大分交通、E型

 

 

 

 

エアライナーのE型。ガーラの増車の影響でしょうか?貸切に入っていました。

 

 

 

 

 

 

 

大分交通のエアライナー

西工ボディ、C−Ⅰ

とよのくに号、大分交通

福岡行「とよのくに」の顔だったC型。

車歴を重ねているとはいえ、とても綺麗に整備されています。ネオロイヤルは良い目をしていますね。。

とよのくに、スーパーノンストップ

大分交通の3列シート車

とよのくに号

 

 

 

 

とよのくにネオロイヤル。

 

これらの並びもいつまで見ることが出来るやら・・。

 

 

 

 

 

 

大分交通

大分交通、5号地車庫

 

 

 

 

(写真左)営業所の建物を背景に。

レイアウトや木、バス停の配置など、模型にしたら見応えのありそうな営業所です。

 

 

 

(写真下)お馴染み、バラエティに富んだ貸切車群。

 

 

大分交通の貸切バス

とよのくに号のエアロエース

 

 

 

 

 

3列シートの、とよのくに用エアロエース。

この年代でも、3列シートを固持した大分側2社。

 

 

エアライナーのカラーと言い、デザインセンスにあふれる会社です。

 

 

エアライナーの大分交通ガーラ

サウスライナー、佐伯

バス営業所

 

 

(写真左)サウスライナー用S型。

元とよのくにの3列シートです。

 

(写真右)エアライナーの並び。

 


1692号車のラストラン、大分交通

ふり返れば部品をもぎ取られていく今日の乗車車両。

 

大分空港で、ホバークラフトに挑み、

 

中津で、JRに挑み、

 

APUで、急勾配に挑み、

 

挑んだ傷跡を見せずに、退職日まで美しさをキープした1692号車。 

 

 

最終運行の出発まで、あと30分。

バス、ラストラン

大分交通の貸切バスツアー

 

 

 

 

運転席を改めて拝見。

 

西鉄ではスペースランナーでお馴染みの、直線の多いUDハンドル。

 

6速のギア。「R」が左端に突き出るタイプ。

 

 

 

UDのハンドル

シフトレバー、日産ディーゼル

 

 

この車、棒ギアにつき。


シフトレバーは古いタイプ!西鉄では63代辺りまでついていたタイプでしょうか。
何の飾り気もない、ただの球形。
しかし車内が映りこむ程に、磨きこまれています。

 

 

▼車内は、一見平凡ながら、座ってわかるゆとりあるシート配置。 

バス、3列シート

 

 

 


ラストラン、大分交通貸切バスツアー

 

 

 

 

 

大分営業所から、大分駅までの、わずか15分間の最後の旅路。

大分営業所も、新川も、トキハ前も、きっと最後に見る景色。

 

 

 

▼前方座席もお買い上げされていました。

バスの座席を販売

大分交通、中津快速

 

 

 

17時半。名残惜しくも大分駅貸切バス待機場へ到着。


ここでお別れ。

 

 

夕日の反射する美しいボディを見ていると、心底廃車が信じられません。 

 

 

大分交通、中津快速

大分駅、大分交通

 

 

 参加者一同に見送られる1692号車。

 

 

大分交通、1692号車 

大分交通、トレースツアー

 

 

大分の名車、去りゆく背中には衰えを感じず・・!

 

 

 

このまま所属の別府営業所に回送され、そのまま廃車。最期の便の乗客という、栄誉を頂きました。

 

 

 

 

 

 

 


 

この後、「わさだタウン」参加の方と、晩飯&お茶会。
そこで、会場の様子を聞く。。
全品オークションという出展形態も驚きですが、それにひるまない熱い思い。
『チャリティー』の名に恥じない、入札者の皆様の活躍ぶりを拝聴し、驚愕いたしました。

そちらを訪問していたならば、きっと方向幕の1本も落札できぬまま、すごすご退散していたことでしょう。

帰りの最終1本前の「とよのくにSN」(写真右)。
最高速度を遵守しながらの熱い走りっぷり!!

大分道は道路灯が少なく、並走車も少ないために辺りは真っ暗。その中をヘッドライトを頼りに突っ走る。
天神渡辺通のバイク事故による渋滞が無ければ、恐らく1〜2分の早着だったかも!?

 

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バス祭りには伺えませんでしたが、大満足な一日となったことは、言うまでもありません。

 

大分交通のご担当者様、本日お会いできた皆様、楽しい時間と貴重な思い出をありがとうございました。

次回のツアーも楽しみにしております。

西鉄、スーパーノンストップ

 

 

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