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北海道中央バス(1)後志・石狩・胆振編

(含む ニセコバス)

 本社・小樽市。「中央バス」の略称で知られる道内最大手のバス会社。戦時統合で北海道中央乗合自動車が成立。戦後は分社化せずに後志、石狩、空知地方の路線をはじめ、道内に特急・急行バスを運行、のちにその路線は高速道路の整備と共に高速バス路線網に発展している。2004年4月には札幌市営バスを譲受し、一般路線も路線網を広げている。
 沿線に営業所とは別に「ターミナル」を設けているのも特徴。かつては「市」の殆ど(石狩、北広島、歌志内を除く)にあったが、ターミナル建物の老朽化、路線網の縮小、利用者減少によりターミナルの数は減少している。

 ニセコバスはニセコ観光自動車として創業、1968年に中央バスグループに編入されている。



倶知安ターミナルKutchan Terminal くっちゃんターミナル
■所在地:北海道虻田郡倶知安町南3条東4丁目
※2007年12月1日廃止
 倶知安町にあるターミナルだが市街地から離れており、倶知安駅から東へ直進して歩いてきても15分かかる。建物には「中央バス倶知安事務所」の看板がかかげてあるが、ニセコバスのターミナルである。左奥にはドーム型の車庫があるほか、所属台数の割には敷地は広い。


岩内ターミナル(岩内営業所)Iwanai Terminal いわないターミナル
■所在地:北海道岩内郡岩内町字万代
■発券状況:乗車券(券売機)、ニセコバス回数券、定期券、中央バスカード。
■設備:売店、自販機、トイレ。
 1985年に廃止された国鉄岩内線の跡地にある。2社の社名が掲げてあるが、窓口は1つで、乗車券は中央バスの券を共通扱いしている。のりばは5バースあり、頭端式になっている。バス発車時はベルが鳴る。待合室内には売店があり、地元の倉島牛乳の他、倉島乳業製のミネラルサイダーを売っているのが印象的だった。


寿都ターミナルSuttsu Terminal すっつターミナル
■所在地:北海道寿都郡寿都町字新栄町
■発券状況:岩内往復乗車券、ニセコバス回数券、定期券。
■設備:自販機、トイレ。
 「ニシン漁の町」で有名な寿都町にある。中央バス寿都営業所として設置されたもので、1962年11月に現在地へ移転してきた。1978年に中央バスからニセコバスに移管され、2005年に岩内営業所の傘下となり、寿都営業所から改称した。かつては普通乗車券も発売していたが、現在は上記のとおり。構内には車庫もあり、当所を拠点とする運用もあるので、名称以外はあまり変化はないようだ。


美国(美国案内所)Bikuni びくに
■所在地:北海道積丹郡積丹町美国町字船澗
■発券状況:定期券、バスカード。
■設備:自販機、トイレ、無料パソコンコーナー、観光案内所(窓口と同)。
 積丹町の中心街、美国にある。中央バスの窓口のある停留所にあって、広い転向スペースや車庫もあるのに「ターミナル」とは称さない。正式には「美国案内所」、配布用時刻表には「Bikuni Information」となっている。建物は積丹町観光協会の「積丹観光せんたぁ」となっており、業務は観光協会に委託している。なお、営業時間は公式には17時までだが、実際には18時までやっている様子。
 美国(びくに)とはアイヌ語で「ビクウニ」(ビク=小石、ウニ=ある)といい、「小石のあるところ」と言う意味になる。長沼町のように日本語訳の地名なら「小石浜」とでもなっていたかもしれない。その「ビクウニ」に漢字を当てた地名だが、「美しい国」とした先人の発想に感心する。


小樽運河ターミナルOtaru-Unga Terminal おたるうんがターミナル
■所在地:北海道小樽市色内1丁目
■発券状況:色内営業所で小樽市内一日乗車券、定期券、バスカード。
■設備:自販機、トイレ、商業施設(あまとう小樽運河店、桑田屋本店、海鳴楼)
 2006年7月にそれまでの中央バス小樽第2ビルを改装して開設された。「小樽運河ターミナル」に発着するのは、「おたる散策バス」に限られて、通常の路線バスは「本局前」発着となるが、実は同一扱いである。また、車庫機能は色内営業所と共用しており、「ターミナル」とはこの建物に対する愛称のようなものである。
 建物自体は1922年に三菱銀行小樽支店として建てられたもので、小樽市から歴史的建造物に指定されており、周辺にも歴史的な金融機関の建物があり「北のウォール街」と呼ばれている一角にある。


手宮Temiya てみや
■所在地:北海道小樽市手宮2丁目
■発券状況:なし。
■設備:自販機、トイレ。
 旧・手宮ターミナル。小樽市北東部あるターミナルで、1963年12月開設。現在では色内営業所の支所のような位置づけだろうか。なお、窓口は封鎖してあり、事務所においても乗車券類の営業は一切行っていない。2階は子会社の建設会社が入居している。
 この背後に小樽市総合博物館(旧 交通記念館)があり、様々な鉄道車両が保存・展示してあることで知られる。


札幌ターミナルSapporo Tarminal さっぽろターミナル
■所在地:北海道札幌市中央区大通東1丁目
■発券状況:乗車券(券売機)、高速バス乗車券、バスカード、定期券。
■設備:売店、喫茶店、食堂街、自販機、トイレ。
 創成川の東に位置する中央バスが所有するバスターミナルで、現在の建物は1966年12月に落成した。バスターミナルの規模としては、全国有数の建物である。本社が小樽市にある中央バスは、このターミナルを札幌事業部として使っており、「支社」としての機能が強い。
 郊外線路線バスと都市間バスの拠点であることから、発着も多路線に及ぶが、他の交通機関との接続が地下鉄大通駅だけで、あまり良くないことから、札幌駅前ターミナルへ集約の要望も多いという。さらに、名称も札幌駅前ターミナルに対して、紛らわしいことから、一部の配布される時刻表には、「札幌ターミナル(大通)」と掲載されている。だが、札幌駅前のバス待機場所や冬季における待合所の確保などを考慮すると、まだまだ必要とされていると思われる。
 ターミナル内部は多くの椅子が並び、テレビも設置してあるため、出発まで快適にバスを待つことができる。その他にも売店や自販機、地下には現在では懐かしい「地下食堂」が健在であり、バス待ちの飲食事情に困ることはない。


江別ターミナルEbetsu Terminal えべつターミナル
■所在地:北海道江別市四条7丁目
※2007年10月1日廃止、現存しません。
 江別駅前の徒歩3分の所にあったターミナル。1964年12月に供用開始された。赤い建物の色は「レンガの街」のイメージに合わせているのだろうか、道路がターミナルを挟むような形をしていた。江別ターミナルは中央バスにしては珍しく普通乗車券の券売機がなかった。路線も江別駅前発着しているために、ターミナルは閑散としていた。


室蘭ターミナル(跡)Muroran Terminal むろらんターミナル
■所在地:北海道室蘭市海岸町2丁目
 旧室蘭駅前にある。1968年10月、特急札室線開設に合わせて、開業した。現在のりばは「室蘭産業会館」に変更されたが、近接というよりほぼ同一地点である。乗車券は旧室蘭駅舎を利用した観光協会で発売している。バス・乗務員の待機は道南バス営業所で行われているのだろう。
 中央バスは路線を開設する際、バス駐車場、乗務員休憩所、乗車券窓口と待合所を「ターミナル」として、自前で用意しているのだからすごい。現在は共同運行する相手会社の世話になるのが一般的である。高速むろらん号の前身である、特急札室線開設当時は、単独運行であり中央バスにも「攻め」のような勢いがあったことを示す名残ではないか。


東室蘭ターミナル(跡)Higashi-Muroran Terminal ひがしむろらんターミナル
■所在地:北海道室蘭市東町2丁目
 道南バス東町ターミナルに近いビルの1階にあった、高速むろらん号のみ停車するターミナルだった。道南バスの停留所名は「汐見」である。「東室蘭」を称するが東室蘭駅からは10分ほど歩き、至近感はない。建物自体は古く、正面はアルミサッシで近代的に見えるが、西側は鉄サッシのままで古さを感じる。もともとあったテナントに中央バスが入居したのか、ビルが中央バスの所有なのか不明だが、中古ビルであるには変わりがない。
 なお、2004年3月で窓口閉鎖、その際に東室蘭ターミナルから「東室蘭」に改称された。さらに2008年3月で高速むろらん号の停車が中央バス運行便のみ(道南バスは高速白鳥号だが、共通扱い)、東室蘭(駅)東口に変更となり、この停留所そのものが廃止された。


(参考文献:北海道中央バス五十年史)

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