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ジェイアールバス関東(3)長野編

長野県内は国鉄時代は小諸が信越地方、長久保、下諏訪が関東地方、伊那が中部地方自動車局にそれぞれ別れていた。民営化以降は一括してJRバス関東に統合されたが、辿っていくとその頃の名残を見ることが出来て興味深い。

白樺高原線

県立農大前駅Kenritsu nodai-mae けんりつのうだいまえ
■所在地:長野県小諸市山浦
 駅前には住宅が数軒あるだけで大きい集落ではない。長野県農業大学校営農学部営農学科の門前と言うことでついた駅名だが、駅前には校門があるだけで校舎はさらに森の奥深くにある。小諸支店がイベントで放出した資料には確かに営業をしていた実績があるだけに、どういう状況だったのだろうか。路線は、以前は東白樺湖へメインルートだったが、1997年10月に保育所前まで、2002年12月にこの次、いちご平までで打ち切られた。


芦田駅Ashida あしだ
■所在地:長野県北佐久郡立科町芦田
 立科町役場の向いにある。その昔は白樺高原線の拠点駅で、塩沢経由小諸方面や長久保方面へ路線があったが、現在は一路線で本数は数える程しかない。 以前の駅舎 は斜め向いにあったが、今は薬局に転用された。退色した駅名の看板に面影を残す。現在の白樺高原線は千曲バスによる運行のみ。

和田峠北線

長久保駅Nagakubo ながくぼ
■所在地:長野県小県郡長和町長久保
■発券状況:営業所にて回数券、定期券
 長門町の中心、長久保地区にある。建物は長久保営業所と同所。現在、駅名看板は撤去され、待合室は閉鎖されている。所在地の長和町は旧長門町の「長」と和田村の「和」での合成町名。旧長門町も長久保と大門の合成町名。

和田峠南線

上和田駅Kamiwada かみわだ
■所在地:長野県小県郡長和町上和田
 旧和田村の中心地にあたる上和田にある。元々はこの上和田駅を境に和田峠北線と南線に別れており、駅の所属は和田峠南線だった。季節運行を経て1988年に男女倉〜上和田が和田村営バス(当時)に移管され、2000年には大門落合からの路線が、和田村営バスに(当時)移管された。その際にこの駅は必要とされずに残念ながら解体される。跡地には宿場町であることから、それを模した待合所とトイレ、親水公園が設置されている。1979年に改築された駅舎には地元住民による「国鉄協力会」から寄贈された大時計が設置されていた。現在では上田からの直通便に限り、JRバスがそのまま和田村営バスとなって運行されており、長久保〜上和田は住民以外の乗車も無料。
 なお、駅舎解体を惜しんだファンが、JRバス関東のイベントで「上和田駅」看板を購入したのは私の知りあいです。


山本小屋駅Yamamotogoya やまもとごや
■所在地:長野県小県郡長和町美ケ原高原台上
 国鉄時代は窓口営業をしていた駅として、自動車線を含めて「国鉄最高地点にある駅」だった。現在はJRバスは季節運行だが、その他にも千曲バス、諏訪バス、松本電鉄バスが乗り入れている。晴天であれば、この駅からの眺めはとても良いが、「下界」で曇りの場合、高原の天候は写真の通り濃霧か雨天の場合が多い。
 なお、この「山本小屋」と言う駅名は、所有者で経営者の山本峻秀さんの姓名から命名されているもの。山本小屋、美ヶ原高原の詳しい観光案内は、こちら 「美ヶ原どっと混む」 をご覧のこと。

高遠線

入船駅(跡) Irifune いりふね
■所在地:長野県伊那市伊那
 伊那市駅と伊那北駅の中間に位置し、飯田線踏切の袂にある。かつては乗車券を取り扱う駅だったが、現在はJRバス関東のテナントとして商店になっている。


高遠駅Takato たかとお
■所在地:長野県伊那市高遠町西高遠
■発券状況:高速南アルプス号乗車券、定期券、回数券。
■設備:物産品店、飲料水自販機、トイレ。
 コヒガン桜で有名な高遠城の城下町にある駅。町の案内にも「駅」と紹介されるほど認知されている。ここから茅野方面と伊那里方面に分岐する。駅舎の裏手には車庫があり、常時2〜3両のバスが駐車してある。


伊那藤沢駅Ina-fujisawa いなふじさわ
■所在地:長野県伊那市高遠町藤沢
■設備:飲料水自販機、トイレ。
 高遠本町から分岐して、茅野方面へ向かう途中にある。今でもバスは駅舎を廻っているが、待合室は防犯上の理由から閉鎖されている。かつて高速南アルプス号が杖突峠経由の頃は当駅にも停車していた。


伊那美和駅Ina-miwa いなみわ
■所在地:長野県伊那市長谷溝口
 伊那市役所長谷支所に近い。交差点にある駅だが、末期は駅舎は窓口棟を取り壊して待合室だけになった。現在は取り壊された模様。一般路線バスはルート変更でこの駅舎には停まらず、道路向かい側に停車する。高速南アルプス号のみ停車していた。


伊那里駅Ina-sato いなさと
■所在地:長野県伊那市長谷市野瀬
 高遠線の終点にある。里集落の駅だが、待合室は破損された跡が痛々しい。以前はこの先、杉島まで路線があったが現在は長谷循環バスが運行している。駅舎そのものは降雪時を考慮した上屋付きの構造で、乗務員は駅舎内の休憩所で滞泊していたが、現在は滞泊運用はない。なお、高速南アルプス号の発着場は「伊那里」となっているが、少し離れた村営のホテル前にある。

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